今年で14回目となる精神保健福祉冬期講座が、昨年12月17日、福岡県春日市のクローバープラザで開かれ、学校・病院・企業等に勤務する養護教諭・看護師・保健師・相談員を中心に200人が参加した。主催は福岡県精神保健福祉センターと同精神保健福祉協会。
午前中は久留米大学医学部長で神経精神医学講座の内村直尚教授が「こころの健康―睡眠はこころとからだのバロメーター」と題し、生体リズムから見た睡眠不足とうつ病の関係やアルコールとうつの関係、適正飲酒量、うつ病予防のためのストレスとのつきあい方やストレス対処法について講演した。午後からは東京女子医科大学精神医学講座の坂元薫教授が、「ストレス社会とうつ―気付いてくださいこころのSOSに」のタイトルで、うつ病患者の8割から9割は適切な治療を受けていない可能性があることを指摘し、うつ病自己診断テストや希死念慮のある相談への対応等について講演した。
参加者のアンケート(回答率60%)では、大変役に立った82・6%、役に立った16・6%とほぼ全員が高い評価。自由記述では「ユーモアを交えながらの分かりやすい講演だった」「相談現場でも自分自身のためにも大いに役に立つ」「また聴きたい」などの回答が多かった。
なお昭和43年度から開催している来年度の夏期講座は、「思春期の子どもたちと家族を支える(仮称)」をテーマに8月5日と6日に予定している。(文=福岡県精神保健福祉協会 TEL092-584-8720)