研修医64人を招いてレセプション
北九州市医師会は11月11日、リーガロイヤルホテル小倉で平成26年度臨床研修医歓迎レセプションを開いた。
病院ごとの医師確保には限界があることから、医師会が中心となって、若手医師に北九州市の魅力を伝え、より多くの医師に集まってもらうことが目的。市内の臨床研修指定病院が垣根を越えて、研修医を広く当地に招こうと始めた制度で、3年目となる今年の参加者数は95人、そのうち研修医は64人だった。懇親会には北橋健治北九州市長が顔を見せ、行政の後押しもアピールした。
レセプションは最初に、穴井堅能北九州市医師会専務理事が開会あいさつ。続いて有馬透同副会長、下河邉智久同会長、工藤一成北九州市保健福祉局長、また、臨床研修指定病院を代表して、北九州市立医療センターの豊島里志院長があいさつした。
下河邉会長は「数ある研修地から北九州市を選んでくれたことを心より歓迎する。研修期間中、自然が豊かで山海の幸にも恵まれ、人情に富んだ北九州に愛着をもってほしい。医療資源の豊富な地域なので、求めるものは得られるはず」と語った。工藤局長は今後の地域包括ケアについて触れたあと、「医師のワークライフバランスが重要になる。それを支える都市機能は整っている」と強調、豊島院長は「研修医にとってどんな研修が望ましいかを考える過程で、病院ごとに医師を囲い込む必要はなく、苦手なところは得意な病院にお願いし、協力病院として、相互乗り入れすることも面白いのではないか。個性的で特徴のある病院が多いことも心に留めてほしい」と語った。
また初期研修を終えた小倉記念病院血液内科の片山映樹医師(卒後3年目)、JCHO九州病院小児科の米元耕輔医師(同)、北九州市立医療センターの麻酔科の武藤佑理医師(卒後8年目)が北九州での研修について、動機や経験についてそれぞれ講演した。
その中で片山医師は、「内科系の救急を経験したかった。自分の科だけで治療が完結するわけではないので、外科の症例もたくさん見た。初期研修の時にしかできないことがある。そこでの経験はとても大事だと思う」と話した。次いで米元医師は、「各科の垣根が低く、どの科の先生に相談しても快く聞いてくれる。地元の医師会も臨床研修医の教育に熱心で勉強会も多い。今年から小児連携夜間休日診療が始まり、地域の先生方から教わることは多い」と述べた。武藤医師は「麻酔科医になって6年目。振り返ると、がむしゃらで楽しい2年が過ぎ、今は標榜医となり、後輩や研修医を指導する立場で、反省も多い。さらにペインクリニックも学んでいる。今後の目標は、専門医になるためにスキルアップすること。分からないことや学ぶべきものがある限りは、引き続き頑張りたい」と語った。