新病院開設から2か月 信頼され愛される病院に

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西予市立西予市民病院院長 末光 浩也

「プロとして、医療人としての自覚を持ちなさい」と2年ぐらいかけて説きましたね。(末光 浩也)

末光浩也(すえみつ・こうや)/1981年 愛媛大医学部卒、岡山大医学部第二外科入局、雲南共存病院 1983年 広島逓信病院 1984年 県立伊予三島病院 1985年 岡山大医学部第二外科 1988年 寺岡記念病院 1990年 公立雲南総合病院 2010年 同病院副院長 2011年 西予市立宇和病院副院長 2012年 同病院院長 2014年 西予市立西予市民病院院長

 今年9月に誕生した「西予市立西予市民病院」。広い敷地に、ゆったりと構えられた同病院で、末光浩也院長に話を聞いた。

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末光浩也院長( 左)と三好敏也事務長

 西予市民病院の前身は、1950(昭和25)年開設の宇和病院です。僕は宇和の出身で、生まれたのは宇和病院です。昔は産婦人科もありましたから。新病院は、今年6月に竣工し、引っ越しを経て9月21日に正式に開院。名前もこの日から変わりました。

 病床数は10増えて154床になりました。一般病床を増やしたんです。もっと増床してもよかったのですが、医師や看護師の確保やほかの圏域とのバランスもありますから。医者と看護師がいればもっと増やしたかったですよ。

 建物の面積は2倍になり、全体を広く造っています。理由は災害拠点病院としての機能確保。大震災が発生する可能性が高く、伊方原発もあります。1階のリハビリ訓練スペースを広くして、万が一、多くの患者さんを受け入れる必要が出たときに、酸素吸入などの設備を入れられるようにしています。

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障子窓が印象的な新病院の個室。

 病院自体も、鉄筋コンクリート2階建ての免震構造で、地震に強い建物にしています。以前は4階建てだったのですが、低階層の新病院は、診療していても便利ですね。病棟を移るのに階段を上がらなくていいですし、オペ室が2階にあるので、終わった後もすぐに病室へ行けるんです。

 手術室も広くてきれいになりました。私にとって院長として、また外科医としての仕事もまた大変重要です。内視鏡手術でたくさん機械が入るので、余裕のスペースが必要になってきます。広いに越したことないんです。 電子カルテとオーダリングシステムが入り、この規模の病院ではあまり設置しないと言われた掲示板モニターも付けました。待ち時間が分からないと、看護師さんが苦情の対応で大変なんです。実際、付けてよかったと思います。

 屋上の太陽光発電設備は1時間で100キロワット発電します。それでも全体の消費量の3%しかまかなえていないのですが。

 市産材もふんだんに使っています。廊下の腰板や病院の入口も全部、木です。市の方針ですが、我々としたら、ありがたいですよ。温かい感じがしますよね。

 ボイラーがあるんですが、木質ペレットで暖房をします。山林が多く林業が盛んな町ですから。3日間停電してもいいように、非常用電源も用意しています。

  昔は応接室や管理職の小部屋も満足にありませんでしたし、あっても狭かったんです。新病院では、それもできましたし、医師の招へい、環境を整えるということで一戸建て住宅や集合住宅も造っていただきました。

―大変だったことは

 電子カルテを一気に入れたので、その準備が大変でした。開院までの間、移転も考えながら新病院のシミュレーションや準備をするのは、決めることも膨大にあり大変でしたね。医師も事務スタッフも大変だったと思います。

 新病院をつくるから、ということで要請があって、事務長さん(三好敏也事務長)と2人、同時期(2011年)に赴任しました。事務長さんも初めてでしたし、僕も慣れるまで大変でした。

 医師を招へいしなければならなくて、あちこちの大学に出向きました。でもなかなか難しかったですね。今、大学も大変です。そんな中でも、愛媛大学の先生が常勤で来た整形外科は自治医大の先生が常勤で来てくださいました。大学や、他の病院から非常勤で来てくださっている先生も何人かおられます、非常にありがたいですし、医師はまだまだ足りませんので、これからもお願いしたいなと思っています。

―力を入れたことは

 ここを建てるにあたって、まず、そして一番力を入れてやったのが、職員の意識改革ですね。旧病院は、公務員的思考が残っていたんです。建物や設備が古かったこともあるのでしょうが、モチベーション、気持ちもなかなか前向きにならなかったんですよ。「プロとして、医療人としての自覚を持ちなさい」と一生懸命2年ぐらいかけて説きましたね。

 (ここで、同病院の三好敏也事務長にも参加してもらった)

 (三好事務長)毎月1日に全職員を集めて、院長に訓示として考えを話していただいてきました。それを毎月毎月やることで、院長の考え、市としての考えが職員にも理解できて、舵取りが分かり、意識改革になりましたね。また、新病院を建てるにあたってスタッフユニフォームを一新しました。職員、清掃、調理...。接 遇研修もやって意識もガラッと変わったように感じています。

―お2人が非常に仲良く見えます

 (以降、院長)やるべきことの方向性が一緒なのですね。同じ年に来て、以前の病院の意識の低さに大変驚いて、これでは、と。そういう同じ価値観を持っていたからよかったですね。どちらかの感覚が違ったら、お互いうまくいかなかったでしょうね。

―今後の目標は

 まったく新しい病院なので、まずは患者さんに来院してもらいたいですね。実際に来院していただいて、信頼され愛される病院にしていきたいと思います。

 医師会や近隣の病院との連携は、今まで以上に重要と考えています。さらに連携を深められるよう頑張っていきたいと思います。

 自分の病院で治療できるものは、しっかり治療する。できないものは他の病院に紹介し、当院でできることを確実にやっていきたいと思います。

 西予市の発展のためにも新病院の役割は重要であり、住民の日々の暮らしを守る要と考えています。


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