独法化のメリットを最大限に生かす

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地方独立行政法人広島市立病院機構 広島市立リハビリテーション病院 病院長
郡山 達男

スタッフ増員、人員交流、公開講座 7か月間で次々推進

1978 鹿児島大医学部卒、同部第三内科入局 1984 東京都立神経病院神経内科 1985 米国イェール大学医学部神経内科 1987 広島大医学部内科学第三助手 1995 同部附属病院第三内科講師 2005 同大大学院医歯薬学総合研究科脳神経内科学助教授 2007 同准教授(役職名変更) 2009 広島市立広島市民病院神経内科主任部長 2012 同病院副院長、広島市立看護専門学校長併任 2013 広島市総合リハビリテーションセンターリハビリテーション病院病院長 2014 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立リハビリテーション病院病院長( 病院名変更)

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広島大時代の医局仲間から贈られた絵の前で

 広島市立リハビリテーション病院ができたのは2008年。そのころ私は、広島大学の脳神経内科にいました。その後、広島市民病院の神経内科を経て、去年の4月、こちらに病院長として赴任しました。

 ここの入院患者さんの3分の2は、神経内科の病気です。これまでの院長は整形の医師であり、リハビリと整形は密接な関係にありますが、私の専門の脳卒中と神経免疫疾患の専門性が生かせるだろうということで、声がかかったのでしょう。

 神経内科の医師が院長だと、同門や脳神経外科の先生たちも連携がスムーズに取れるということもあったと思います。

 また広島市立病院機構にとっては、広島市民病院にいた医者が市立リハビリテーション病院の院長になると、それまで以上に連携が取りやすくなるということもあったのかもしれません。

 この人事のころは2014年度に地方独立行政法人化されるだろうと思われていましたので、私が広島大学病院で独法化を経験していたことも役立つだろうと思いました。しかし、自分では、まさかここに来るとは思っていなかったですね。

 広島市民病院での最後の1年に副院長として管理職の経験ができたのはよかったです。それがなければ、今、大変だったと思います。

全国トップクラスの専門医数

 神経内科の専門医が常勤でいる回復期リハビリテーションの施設は、広島市内でここしかありません。全国でも少ないです。全国の回復期リハビリ病院に比べて、当院は脳卒中の患者さんが多く、重症者も多く、さらに神経内科疾患も多いということが特徴です。その分、整形の病気の人が少なくなっています。

 ベッド数100床に対して、医者が8人。通常50人に2人程度なので多いですね。

 しかもリハビリの専門医が4人いるんです。神経内科専門医が3人、脳外科と整形が1人ずつ。脳血管疾患リハビリと運動器リハビリをしており、その専門医がすべてそろっている上に数が多いです。全国でトップクラスの質の高いリハビリができると思っています。

機構内4病院で連携

 地方独立行政法人広島市立病院機構には当院の他に、広島市民病院、安佐市民病院、舟入市民病院があり、3病院とも急性期を扱っています。

 うちに来られる患者さんの約45%は広島市民病院と安佐市民病院からの紹介です。広島市民病院から転院される患者さんの約10%はうちで受け入れています。

 私たちからすると、他の市立病院からたくさんの患者さんを送ってもらえますし、3病院からすると当院が患者さんを受け入れることで、自分たちの病院での在院日数を減らせます。連携は、かなりうまくいっていると思いますね。

人的交流も活発化

 これまでは、人的な交流があまりなかったのですが、これからは積極的にしていこうと思っています。

 今年4月からは、こちらの専門医3人が交代で週に2回、診療支援として広島市民病院のリハビリテーション科でカンファレンスと診察をしています。

 広島市民病院の神経内科にいたときに、リハ科を兼任している整形の先生が1人で奮闘し、忙しくされているのを見ていたので、ぜひ支援したいという思いが前提としてあります。

 また、うちは専門的なリハビリをやっているので、人を育てて、その人材を機構の他の病院へ送っていこうと思っています。他院にはリハの専門医も療法士も数が少ないですからね。

 他の病院に行くことで、うちで回復期リハの経験を積んだ療法士が急性期リハの経験を積むことができるというメリットもあります。

療法士増員で365日リハを実現

 今年4月に地方独立行政法人となったことで、職員数が増やせるようになりました。療法士は19人増員。それまでできなかった日曜のリハビリも開始し、365日リハが実現できました。看護師やメディカルソーシャルワーカーも増やしています。

 人員を増やすことは支出が増える分、組織にとってリスクもありますが、入院単価が上がり、収入も上がったので、回避できました。

 ただ、独法化したから必ず病院がよくなるわけでも、収入が上がるわけでもありません。そのメリットを生かすために、ひとつずつ獲得していく努力が必要です。この先、さらに楽しみですね。

訪問リハの検討開始 市民公開講座も開催

 これから力を入れて取り組もうと思っているのは、地域リハビリテーションです。うちの病院を退院した方が在宅療養に移行する時に、退院から3か月ぐらいの初期の間、訪問看護・訪問リハをして、かかりつけ医にスムーズに引き継ぎたいと考え、在宅療養移行支援ワーキンググループというのを立ち上げました。来年度から試行し、本格稼働させていきたいと考えています。

 また地域貢献推進委員会も発足させました。リハビリに関する情報提供や活動内容の紹介を通じて、地域に貢献していこうというものです。

 10月26日には初めての市民公開講座を開きました。私たちの専門的知識を地元の皆さんに提供し、いきいきと生活するお手伝いができたらと思っています。


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