福岡国際会議場と福岡サンパレスで第42回日本救急医学会総会・学術集会 =救急医学の新たなる時代へ=

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あかつきにむかって 向曉

 第42回日本救急医学会総会・学術集会が10月28日から30日までの3日間、福岡国際会議場と福岡サンパレスホールで開かれた。会長は坂本照夫久留米大学医学部救急医学講座主任教授(久留米大学病院病院長)。運営事務局は㈱コングレ九州支社が担当した。

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坂本照夫会長は開会あいさつのあと会長講演を行なった。

 開会あいさつで坂本会長は「1700題という大変多くの演題をいただいた。救急医療によって救命はできるようになったが、その後の長期予防についての明らかな報告があまりない。また、高齢社会になったために、日常生活動作ADLの落ちた方が急病になったりけがをしたりして、非常に重篤な病態で搬入されてくる。さらには気象状況が変わって頻発している自然災害時の支援も考えていく必要がある。救急医学の新たなる時代に向けて活発な討論をお願いしたい」と語った。

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会長講演の司会を担当した堤晴彦埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター教授

 続く会長講演「空からの救急医療への道」で坂本会長は、ドクターヘリのへき地・離島での有効利用や、高速道路本線上への出動体制、運行時間の延長、隣県への相互乗り入れなどについておよそ1時間話し、「さらなる救命率の向上のためにはヘリコプターによる空からの救急医療が求められる」として、「1救急現場で医療を行なう医師・看護師を派遣することで、山間へき地などからの重篤な救急患者の長時間搬送による死亡を減少させる。2ドクターヘリの隣県相互乗り入れや消防・防災ヘリなどとの連携により、災害救援活動に対して医療チームとして積極的に出動し、救援災害医療の向上が期待できる。3救命率の向上と後遺症の軽減に大きな効果を上げていることから、今後は運航時間延長により早朝や夜間出動を検討する必要がある。4今後は量よりも質を求め、より効果的なドクターヘリ活動を追い求めていく必要がある。5CRM(Creuresource management)やOSCEを取り入れた教育やトレーニングも必要になってくるだろう」とまとめた。

横倉義武日本医師会会長が「救急医療の向曉」に提言

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司会は有賀徹昭和大学病院院長が務めた。

 久留米大学出身の横倉義武日本医師会会長は特別講演で、まず「全国の30万人の医師のうち3分の2が都道府県医師会や郡市区医師会に加入している」として医師会のさまざまな活動を紹介した。

 また日本医師会の政策の2つの判断基準として「国民の安全な医療に資する政策か」、「公的医療保険による国民皆保険制度は堅持できる政策か」があり、経済成長のために国民の健康を犠牲にする政策であってはならないと語った。

 さらに「超高齢社会は救急医療にも大きな影響を与える」と述べ、2025年には団塊の世代がすべて75歳以上になることから、「高齢患者の増加で救急搬送件数も急増し、認知症の患者は、搬送する医療機関の選定が困難になるのではないか。介護施設からの救急搬送も増える」と予測、「労働人口が減少して医療職の不足や偏在が顕著になり、都市部では高齢化が急速に進展し、地方ではさらなる過疎化、雇用の喪失、若年者流出などで、医療機関の縮小や撤退が起こる可能性がある。これからの救急災害対策は高齢社会の進展を視野に入れて考えなければならない」と語った。

 そのために「医療は街づくり」の観点で、「生まれ育ったところで住み続けていくためにどうするかを皆で考えるために、地域医師会も街づくりに参加する必要がある。災害対策でも、JMATやDMATが到着するまでは、地域の医師や医療従事者が被災者の救命を担い、その後も避難所や医療機関で医療に従事することになる。さらに被災地の復興にも地域医療の復興が不可欠」と述べ、これからの地域医療を支えるには、かかりつけ医を中心とした街づくりが求められ、市町村行政と地域の医師会が連携を取ることや、地域包括ケアの一層の推進、日本医師会が綱領を旗印として公益活動の深化をはかることで組織を強くしたいと述べた。


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