助けられる命も増えている 小児科医になってください

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徳島大学 医学部 小児科 香美 祥二 教授

1980 徳島大医学部卒、同附属病院小児科 1985 新潟大医学部腎臓研究施設研究生 1987 徳島大医学部附属病院 1991 米国ユタ大医学部留学 1993 国立 療養所東徳島病院 1996 徳島大医学部助手 1997同附属病院講師 2004 同大大学院ヘルスバイオサイエンス研究部発生発達医学講座小児医学分野教授 2012 徳島大病院副病院長

 新生児から成人前まで、幅広い年齢の子どもの医療にかかわる小児科医。医師不足がいわれ、重要性はますます増している。外来診療棟の建て替 えが進む徳島大学で、医学部小児科の香美祥二教授に小児科の魅力と後進に願うことを聞いた。

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―徳島大学医学部小児科の特徴は

 大学の小児科にはいろいろなタイプがあります。血液が得意、アレルギーに強い、などと偏りがあるところもありますが、うちはあらゆる分野の専門家がそろっている のが特徴だと思います。子どもには生まれたばかりの赤ちゃんから20歳前までにかかるいろいろな病気がありますよね。腎臓、血液腫瘍、神経、循環器...どんな人が来ても 対応できるように準備しています。

 徳島県の人口当たりの小児科専門医数は全国で5番目。すごく恵まれている県だと思われているようですね。ですが、医師が分散しているので、 面積当たりでみると、そこまで多いとは思えません。

 地域の住民が、夜、子どもの体調が悪くなった時に小児科医に診療してほしいと思うのは、当然のことです。でも、そうなると、地域の1人2人の医者ではカバーできない。だから、県立病院などの小児救急に大学の先生が当番で入っています。

―分野が多岐にわたると人材確保も難しそうです

 医局員を集めるのは大変ですが、講義や臨床実習などを通じて、小児科医になりたい人を増やすしかないですよね。

 もともと小児科をやりたいと思っている人、小さい時に病気になって、治療してくれた先生が小児科だったという理由で小児科を目指す人もいます。それから、大学の講義や教育の過程で小児医療のよさを説明すると、それに共感する学生も一定数います。研修医として子どもを診て、小児科がいいなと思うこともあるようです。

 子どもは将来の日本を支える人材です。子どもがいなくなったら日本は滅びますからね。ちゃんとした大人にするためには、その前の段階が大切。子どもたちの健康を保って育てていく、その過程に関わっていかれるというのは大きな魅力ですし、意気に感じている小児科医も多いのではないでしょうか。働き盛りの世代は子育て世代でもありますから、そこをサポートしていくという意味でもやりがいがあると思いますね。

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徳島大学病院外来診療棟建設の様子。(9月25日撮影)

―小児科医に向いている人は

 私は、内科系か外科系かと考えた時に、自分は外科系ではないと思いました。それで、内科系をいろいろ回っていて自分に向いていると思ったのが小児科でした。自分は、 その時々でしたいことをしてきたので、「小児科をやりたい」と思う人に来てほしいと思います。したいことをしないと、面白くないじゃないですか。

 うちの医局は、小児科の魅力にとらわれている人がやってくれているからありがたい。一生懸命やってくれますからね。小児科に向いているのは 「子どもをみるのが好きな人」。これは間違いないでしょう。

 それから、子どもの診察にはたいてい保護者がついてきますから、大人の話もきちんと聞き、受け止めて、説明してあげられる、家族全体をみられるメンタルを持ってい る人がいいのでしょうね。

 小さくて弱っている子を助けたい、と純粋に思ってやっている小児科医もいっぱいいると思います。小さな体でフーフー苦しんでいる姿はかわいそうです。特に、女性は自身で出産することもあってシンパシーを持っている人が多いように感じます。

 今の医局は男性と女性が6対4ぐらいの比率。女性が増えてきています。女性には、妊娠、出産があります。とても大切なことです。だからこそ、復帰しやすい環境をつくらないといけません。大学側とも話をして、どうやって環境を整えていくか、サポートしていくか、ものすごく考えています。

―医学部の学生たちに願うことは

 「小児科医になってください」と言いたいですね。小児医療も進歩しています。助けられる機会が増えているのは間違いありません。子どもが亡くなると、本当につらい。 昔は悔しかったと思いますよ。亡くなることが本当に多かったですから。

 でも、みんなが努力して、新しい治療法が出てきて、今なら助かることがいっぱいありますからね。やりがい、充実感をもっと味わえる時代になってきたと思います。

 ただ、その高度医療を駆使するためには、学生が昔よりもっと勉強しなければいけなくなりました。私が学生のころは、6年生まで部活の卓球をしていましたが、今は3・4年生で引退しますもんね。カリキュラムもみっちりつまっていますし、大変だとは思いますが、がんばってほしいですね。

―最後に、若い医師の成長に必要なことはなんでしょうか

 私は新潟大学に腎臓の基礎研究に行かせてもらったり、アメリカに留学させてもらったりと、やりたいことをさせてもらってきました。今は、やりたいことがなかなか見つからない人が多いけれど、したいことを、楽しくやらないとだめなんだろうなといつも思っていますし、それがポイントだろうなと思います。

 医局員にも、行ける人は留学などにぜひ行ってくださいと言っています。もちろん、一時的には医局内は苦しくなる。欠けた人の分をカバーしなければなりませんから。でも、外に行って研究し、帰ってきて、徳島や日本のためにいいものを提供してくれたほうが、結果としては絶対にいいと思っています。

 その前には、人材育成をしないといけないわけですが、人を育てるというのは非常に難しいですね。子育てと一緒で。

 臨床、研究、それぞれの人に向き不向きがあります。その人に合った、やりたいことをサポートしてあげるのが一番だと思います。好きなことをやっているときは、自らぐんぐん吸収し、勝手に伸びていきますから。学会に出たり、いろいろな人に会ったりして、何か得意分野を見つけてほしい、と願っています。


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