精神科をメジャーな診療科に押し上げていきたい

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愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学 教授 上野 修一

1985 徳島大学卒 愛媛大学医学部附属病院研修医 1990 愛媛大学大学院修了(医学博士) 1991 愛媛大学助手精神科神経科 1994 新居浜精神病院医員 1995 愛媛大学助手(神 経精神医学) 2001 同大学講師(保健管理センター) 2002 徳島大学助教授(精神医学) 2006 同大学教授(メンタルヘルス支援学) 2008 愛媛大学教授(精神神経科学)。

 現在は18人の医局員がいます。医療を多職種で充実させる目的で、臨床心理士や作業療法士などと定期的にカンファレン スを行ない、精神科医療全体のレベルアップを目指し活動中です。 医局からは多くの精神科医が巣立ち、県内外の精神科医療を支えています。

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愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学 教授 上野 修一

 初代柿本泰男先生から引き継がれた神経化学的解析と、二代目教授の田邉敬貴先生によって加えられた、症候学と画像を組み合わせた解析、そして、それに加え、児童思春期を対象とした調査研究など幅広く活動しています。

 毎週火曜日に老年期精神科の特殊外来、木曜日に小児思春期の特殊外来を開いています。器質的(諸器官が、なんらかの損傷を受けたために生じた)精神障害を中心に、分子生物学的な解析も進めています。

 統合失調症やうつなどの精神障害は、精神科医が最も重視しなければならない疾患ですが、それらを研究するためには、まず器質的病態を知らなければなりません。

 そのために患者さんから得たデータや画像を解析し、多面的にとらえ、原因の究明、状態の把握、今後の治療法と再発を防ぐ総合的精神的取り組みをしています。

 精神疾患予防の啓発活動にも力を入れ、講演活動を精力的に開催しています。

 認知症予防では、15年前から伊予市中山町で65歳以上の高齢者全員を対象に、定期的に健康調査を行なっています。日本での認知症の頻度や診療割合などを報告してきました。労力を要する研究ですが、今後も継続して行なっていきます。

 うつ病はストレスと体質が相互に作用して発症する疾患です。

 患者さんの体質は昔と今とで変化はありませんが、周辺環境は激変し、うつ病になりやすい人が増えています。小児思春期の子どもの心理を調べ、問題点を明らかにして、将来発症が予想されるうつ病やストレス耐性の解析に役立てています。

 また上浮穴(かみうけな)郡の久万高原(くまこうげん)町では、自治体の協力のもと中学生全員にアンケートをとって、自殺の欲求とその行動の間にある関連性などについての調査をすすめています。

 今後急増が予想される精神疾患をすべて精神科医だけでカバーするのはむつかしい時代になります。たとえば、うつ状態の患者さんをピックアップできるだけの技術をどの科の医師も最低限の素養として身に付けていなければなりません。

 愛媛県ではうつ病の患者さんを総合病院で診ているケースが多いので、そこに多くの医師を派遣し、外来診療、職員への指導をしています。

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上野教授は第34 回日本精神科診断学会で会長を務める。

 愛媛県喜多郡内子町(うちこちょう)出身です。愛媛は東予、中予、南予と3つの地域に分かれ、南予はのんびり屋さん、東予はしっかり者が多い など多少の地域性があります。すべての地域に共通しているのは、おおらかで優しい、包容力があるなどの特徴です。困っている人がいたら助けずにはいられないのが愛媛県人のいいところですね。

 精神科医を目指す人には、まず基本的な考え方を身に付けてもらい、その後、専門的な分野に進んでもらいたいですね。特に脳の器質的な勉強、たとえばホルモンなどの症状性の解析、画像、脳波の解析を身に付け、その後、心理的な要素を勉強して、疾患への対応を学ぶのがいいと思います。

 精神科医には幅広い診療フィールドがあります。実地診療の中心である病院だけでなく、行政職として保健所、精神保健福祉センター、教育職とし て大学病院、コ・メディカルを養成する大学など多くの活躍の場があります。加えて最近求められている精神科医は、緩和ケア、がん医療などの分野で身体疾患も含めて診られる医師です。またクリニックなどでプライマリーケアができる医師も必要です。どの分野に進むかを選択しなければなりませんが、時代によって選択分野の偏りがでるのが悩みの種ですね。

 日本で精神科は、マイナーな診療科ですが、米国では医師として活動するためには精神的な素養が必須であると考えられているため「メジャーな診療科」です。これから精神科が社会で果たすべき役割と責任はますます増していきます。

 「メジャー」な診療科に押し上げるべく、我々も努力していきます。

 趣味はジョギングと、ソフトボールです。ソフトボールは医局員と楽しんでいます。

 四国の大学の精神科で毎年勉強会を開いており、初日は症例検討と講演会を行なって、2日目はトロフィーをかけたソフトボール大会です。うちは日ごろから練習しているので、そこそこ強いですよ。

上野教授の推薦図書
「7つの習慣│成功には原則があった!」スティーブン・R・コヴィー著

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 人のせいにせず自分ができることを一つずつ積み重ねていく最終的に人生の成功につながっていく考え方に感銘を受けたそうだ。読んだ次の日から実践できる、自分の考え方次第で周囲の見え方が変わっていくという考え方は精神科医としても勉強になったとのこと。

 百田尚樹の高校のボクシング部を題材にした小説「ボックス!」もおすすめだそうだ。物語に引き込まれ 一気に読んだとのこと。


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