今年4月から院長

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社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 香川県済生会病院 院長 若林 久男

若林久男 (わかばやし ひさお)1977 岡山県立玉野高等学校卒 1983 愛媛大学卒 愛媛大学附属病院研修医 1984 香川医科大学第一外科研修医 1985 同医員 倉敷医療生活協同組合玉島協同病院外科 1987 高知市細木病院外科 1989 Clinical Fellow in Transplantation Surgery,Medical college of Virginia,VA,USA 1991 香川医科大学第一外科助手 2001 国立療養所高松病院外科医長 2003 坂出市立病院外科診療部長 2004 香川大学医学部消化器外科講師 2007 同学部附属病院病院准教授 2008 香川県済生会病院副院長 2013 同院長補佐 2014 同院長

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周囲の人が新院長の就任を本当に喜んでいるのがよく伝わる部屋だった。「珍しい紫の花を頂いた。嬉しい」と院長。趣味はゴルフだという。

 愛媛大学医学部の5期生で、岡山の出身ですが、以来ずっと四国に出っ放しです。

 大学を卒業するころ香川医科大(現香川大学医学部)ができ、私はその第一外科に入局しました。岡山大学から赴任された田中聰先生が初代教授で、この時期の入局です。

 英語を勉強してECFMG(米国で診療ができる資格)の試験に合格しました。移植外科のクリニカルフェローとして、米国に留学しています。貴重な体験をしたと考えているので、若い人には海外で診療にも挑戦してほしいと思います。

 以前から済生会にいるわけではなく、初めて来たのは平成20年です。もとは栗林公園(高松市内の県営公園で、特別名勝)の辺りにあったのですが、小川裕道名誉院長の英断で平成16年に新築移転してきました。当院周辺は、県内では珍しく公示地価の上がっている地域で、道路も整備され始めています。建った当時は寂しい場所だったので、名誉院長の先見の明ですね。以後、手術件数も増え始めました。患者も医師も増え、知名度も上がっています。手術件数は年々右肩上がりで、昨年度は1千600例超でした。今年は香川大学から常勤の麻酔科医が赴任されるので、もう少し増加するものと期待しています。

 当院には副院長として赴任し、臨床のみならず病院管理経営に携わってきました。昨年1年は特に、院長補佐として小川名誉院長に学ばせていただいています。

 昨年までは、自分のアイデアを提示すれば良かったのですが、今度はアイデアを出される立場になりました。自分が提案を多くしていた分、他人のアイデアの採否はちゃんと検討しようと思います。

 当院はまだ医療機能評価を受けていません。4月に申し込みを済ませ、来年受審予定です。またDPC対象病院ではなく、今年準備病院になりました。医療の質は良いのに、当院はこれまでいろいろなことができていなかったわけです。今後は少しずつ挑戦していきます。

 済生会組織では本部や病院長会などを通して、病院管理経営の研修や情報交換の機会が頻繁にあります。しかし個々の病院や施設運営については、その長に任せられますので、責任も問われますが、やりがいを感じます。

できていなかったことに挑戦したい

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 病院を少しずつ変えようと考えていますが、それでも一番重視すべきことは人材育成です。建物や設備がいくら良くても、いい仕事をするためには人が必要です。「医療を提供するのは人」だと、職員には言っています。そのために、満足度が高い、働きやすい職場にしたいと考えています。

 看護部は職員研修に熱心で、独自にプログラムを組んで接遇の研修などをしていますが、病院全体でやっているわけではないので、今後そういう取り組みを強化していきたいと思います。そうすることで、良い人材を呼び寄せることになると考えています。

 全国に済生会の病院は95院あり、365の福祉施設があります。その中で当院は198床と少し小さい規模です。医療療養病棟50床もありケアミックスタイプなので、急性期医療だけで運営している病院ではありません。しかし私が見たところ、各科ともレベルの高い手術をしていますし、良いアウトカムを出しています。医師たちには、急性期を頑張ってほしいと思いますね。

 療養病棟には、急性期病院を退院した方の受け皿の役目があります。今後どうするべきか、当院の都合だけでなく、地域の要望も考えて決めたいです。いずれにしても、院外連携の仕組みを今後はもっと強化する必要があります。

 4月に済生会の全病院長会議が行なわれ、その席で新任院長とは特に仲良くなりました。経歴は違っても、院長としては同期ですから、親近感を持っています。せっかくの巨大なグループですから、全国の先生と仲良くして、協力していきたいです。

診療船事業について

 岡山、広島、愛媛、香川の4県の済生会病院で協力して、済生丸という診療船を運用しています。岡山済生会総合病院に事業推進事務所が置かれ、当院に船の管理事務所があります。1年のうち合計3か月間香川県で使い、その時は高松港に停泊します。そこから例えば直島(香川郡)などに向かうわけです。昼ごろに帰れる島もありますが、伊吹島(観音寺市)などの遠い島は、昼に診療した後に1泊して、翌朝また診療して帰ってきます。

 医師は私を含め26人なので、現場から1人減るのもつらい。だから日常の診療機能を落とさないために、私か小川名誉院長のどちらかができるだけ行くようにしています。

 人員的な問題だけでなく、金銭的にも苦労しています。本部事業だったのが、平成23年から4県の済生会の共同事業になりました。県内に済生会病院は当院だけなので、負担が大きいのが悩みです。しかしこの事業が我々の誇りであることも事実です。平成12年に廃止された県の診療船「さぬき」の肩代わりを引き受けた責任もあります。何とか続けたいですし、続けていくべきだと考えています。この事業をなくしてしまうと、職員のモチベーションは下がってしまうでしょう。

 研修医を乗せることもありますが、ここでしか経験できないことなので、人気があるんですよ。学生実習で乗船した人が、もう一度乗りたいと研修先に選ぶこともあります。活動を通して、へき地医療の一翼を担うことの意味を、若い人には知ってほしいと思います。


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