地域に密着した病院を目指して

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県立安芸津病院 院長 濵中 喜晴

濵中 喜晴(はまなか よしはる) 
山口県熊毛郡上関町生まれ。1976 年に広島大学を卒業した後、同大学第一外科に入局。米国ユタ大学医学部人工臓器部門留学などを経て、1991 年 に広島大学医学部附属病院第一外科副科長。翌年から県立広島病院に勤め、心臓血管・呼吸器外科主任部長。輸血部部長や、地域連携科主任 部長、地域連携センター長などを併任。2011年から現職。1987 年から広島県社会保険診療報酬請求書審査委員会委員、現在は広島県国民 健康保険診療報酬審査委員会委員。2006 年から2010 年2月まで広島市南区医師会副会長、2011 年1月まで広島市医師会理事。現在は竹原地区医師会理事。2004 年から2012 年まで広島大学臨床教授。

 東広島市の県立安芸津病院は平成22年、総病床数150床のうち25床を広島県立障害者リハビリテーションセンター(東広島市)に移し、25床を休床した。現在の総病床数は100床。今年7月には、亜急性期病床8床、一般病床7床計15床を、地域包括ケア病床に転換している。

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「広島市の東側に家がありますが、そこからは車で1時間弱の距離です。私は官舎に住んでいますが、職員の半数は広島市からの通勤。特に重症な患者さんは広島市内に送りますが、遠いわけではありません」とのこと。

 近隣に医院は数件しかなく、外来患者は多い。「ここは病院ですが、かかりつけ医の役割も担います。紹介率は20%ほどで、初診時選定療養費を取らない規模であることが、 ちょうど良いと思う」と濵中喜晴院長は言う。

 療養病棟のある病院も近隣にないため、後方連携もむつかしく、リハビリテーションは充実させている。地域における役割は多い。「働く場所が少ない町で、独居ではない高齢者も昼間は一人と いう方が珍しくない。地域包括ケアの必要性も強く感じています」訪問看護や訪問診療、訪問リハビリテーションなどの仕組みを作っている最中だという。

 所在地の旧豊田郡安芸津町は、平成17年に東広島市に合併した地域。病院は町の中心部にあり、JR西日本呉線の安芸津駅や大崎上島(豊田郡)にフェリーが出る港にも近い。このため患者は、東 広島市安芸津町のほか、隣接する竹原市、呉市、豊田郡大崎上島町からが中心。「大崎上島には開業医が比較的多く、整形外科以外は紹介がほとんど。行政区分が違い、医師会の区分でもここは竹原地区医師会で、あちらは豊田郡医師会だが、関係なく連携をとっている。患者さんの3割は、大崎上島から。竹原市も開業医が多く、こちらからも紹介がある」

 以前は安芸津町と竹原市の2次救急のほとんどを担っていたが、医師の減少で難しくなった。現在は竹原市内の民間2病院と共に輪番制で受け入れている。

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6階建て鉄筋コンクリート造。「今年度の診療報酬改定で新設された地域包括ケア病床は、病院が目指す地域に密着した病院と合致しているので稼働させた。現在地域包括ケアへの対応を図っている」と院長。

 県立広島病院(広島市南区)の心臓血管・呼吸器外科の主任部長、地域連携センター長を経て4年前から院長に。立地条件のため院外連携の複雑さがあり、 その分野の専門家が呼ばれたことになる。

 「心臓血管・呼吸器外科では、後を継ぐ人ができていたころで、良い時期だったように思います。 現場の外科医として働きたかったので何度か断ったのですが、話を聞くと地域になくてはならない特殊な病院で、立ち位置が面白いなと思い、引き受けることにしました」

 医師不足のために院長も診療をするが、専門の心臓血管外科は標榜していない。循環器内科の常勤医師がいないため、内科的な診療をすることが多いという。

 「工業地域である呉市が近いため、伝統的に整形外科に強い病院で、今も高齢者向けの人工関節などの手術が多い。手術室は良いものがあります。私は当院に来てメスを置 いた形ですが、心臓血管外科も簡単な手術ならばここで可能」

 内視鏡検査ステーションを整備したことと、外科の人員が増えたことで、消化器外科も手術が増えた。現在は地域に向けてこれをアピールしている。 「経営は苦しく、病院の機能を維持することが、今の大きな仕事。だが、伸ばせる部分は積極的に伸ばすべきでしょう」と院長は語った。


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