「不安にさせない」がモットー

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大分大学医学部 消化器内科学講座 教授・同附属病院 消化器内科長 内視鏡診療部長  村上 和成

1983 年広島大学医学部医学科卒業 1983 大分医科大学第二内科入局 1985 年国立別府病院消化器内科 1986 年大分医科大学大学院医学研究科( 生化学専攻) 入学 1990 年同終了 医学博士号取得 1990 年大分市医師会立アルメイダ病院消化器科 1991 年大分医科大学第二内科助手 1996 年米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)留学 1997 年大分医科大学第二内科講師 2004 年大分大学医学部附属病院総合診療部助教授 2007 年同消化器内科科長 2011 年同内視鏡診療部部長 2013 年大分大学医学部消化器内科学講座教授 現在に至る
所属学会 日本消化器病学会:財団評議員、指導医 日本消化器内視鏡学会:社団評議員、認定専門医、指導医 日本ヘリコバクター学会:幹事、評議員 日本臨床腫瘍学会:暫定指導医 日本消化管学会:評議員、指導医、胃腸科認定医 日本病院総合診療医学会:評議員 日本内科学会:認定医 日本肝臓学会、日本膵臓学会、日本胆道学会、日本カプセル内視鏡学会、 日本感染症学会、日本化学療法学会、日本プライマリーケア連合学会、日本医学教育学会

 「インタビューは、福岡国際会議場で開かれる学会の会場で受けますよ」ということになった。村上教授は第87回日本消化器内視鏡学会の初日5月15日、ワークショップで司会を担当した。

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隣は北海道大学の加藤元嗣准教授・光学医療診療部部長。基調講演は国立がん研究センター中央病院病理科、九嶋亮治医長の「ヘリコバクスター・ピロリ除菌後胃癌の実態」。

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―学会で司会をうまくやるコツはありますか。

 「演者の言葉が聞き手に伝わるように」ということでしょうか。聞いている人の様子や表情を見て、最後に念押しで演者に問い返したり、私の疑問のようにして再度語ってもらったりしています。

 学会の司会は比較的多いです。私がこの分野をまとめればいいという会長の意向もあるようです。演者もよくやりますね。

―医者になった理由は。

 生き物が好きだったんですよ。命に興味がありました。大学受験では一期校に広島大学の医学部、二期校は東京外大を受けました。英語も好きだったんですよ。そして広島大学に合格したため、医学の道に進みました。

 私は文系タイプです。医者は文系だと思いますね。というのは、なによりも患者さんを安心させることです。治療する大前提として、不安にさせないということです。これはすごく大事なことで、私のモットーです。

 どう応対したらいいかは患者さんによって違うので、そこを感じ取れるのは文系だと思います。

 病院は来たくないところですから、患者さんが前向きになることが大切です。希望とかではなく、不安でなければいいと思うんですよ。そこは重要なところでしょうね。

―そこをもう少し詳しく。

 患者さんと医師がいい関係を作るのは日本独特だと思うんですよ。主治医との信頼関係ができるのは、欧米にはないことです。医者をやっていて良かったなと思うのは、信頼された時ですね。

 たかだか百年の人生ですから、その短い間に有能な若い医師を育て、それをバトンタッチして行けたらと思います。

 良い医者に必要なのは、まずは人間味でしょうか。そのあと知識と手技だと思います。人間味や人情味の不足している人には、周囲の人が教えてあげることでしょうね。それを積み重ねれば、たいていの人は変わるのではないでしょうか。

―ストレスの多い仕事です。

 ストレスは必要なものだと思っているんです。年を取ったからかもしれませんが、かなり大きなストレスが生じても、今はそんな時期なんだろうと、表面に出さずにやり過ごすようにしています。そう思うと、あまりたまらなくなりました。問題が解決したあとの安堵感というのも、なかなかいいものです。楽観的なのか、あまり感じない性分なのかもしれませんが、強くはなりましたね。

―消化器内科の専門家か

 日ごろは大学病院にいて、週に何度か開業医の先生のところに行き、外来や病棟の状況を見ますと、大学病院の入院患者にくらべて、開業医のところにはお年寄りばかりで、かなり深刻な事態になっています。それが一般病院の現実です。

 長寿はいいことですが、その行く末がどうなるかはむつかしいところですね。そこは学生時代、あるいは研修医の時によく考え、学ぶ場も必要でしょうね。

 先ほども言いましたが、コミュニケーション力や人間味のある、近所のかかりつけ医の存在は重要になります。

―「消化器内科医としてオールマイティな実力を」と提唱していますね。

 消化器内科の範囲は、がんから腹痛までとても広いです。食道があって胃があり、小腸、大腸がある。そして胆・膵・肝それぞれにも学会があります。そのすべてを高いレベルで診られる医者を育成したいんです。それが身につけば、日本のどこに行っても、たとえ田舎でも、とても強みになります。口からお尻まで全部分かるわけですからね。おなかですから婦人科とか泌尿器科がくっついているし、消化器をきっちりやるだけで、医療のオールマイティにもなれるんです。

記者は見た ―停泊中の帆船

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 博多港に4本マストの大型帆船が停泊していた。

 それを背景に村上和成大分大学教授を撮ろうとしたが、逆光でむつかしかった。

 「病院に来る人を不安にさせないことが大切」と教授は言う。それを聞きながら、福岡のある大きな病院で、医師から状況を単刀直入に言われた患者が、病院のエレベーターにも乗れないくらいのショックを受けたという話を思い出した。以降、その患者は治療そのものをあきらめたそうだ。その患者の知人が私に教えてくれた。

 「知識や手技の前に、人間味や人情味のある医師に」。村上教授の言葉は、実はとても切実だ。(川本)


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