若いうちに感性を磨いてほしい

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徳島赤十字病院 院長  日浅 芳一

1973 鳥取大学医学部医学科卒業 同附属病院研修医 1975 徳島大学大学院医学研究科博士課程入学 同博士課程修了 社会保険小倉記念病院循環器科医長 1980 小松島赤十字病院循環器科医師 1983 同副部長 1987 同第三循環器科部長 1996 同第二循環器科部長1998 同第一循環器科部長 2000 徳島大学医学部臨床教授(併任) 2002 徳島赤十字病院副院長 2011 同 院長 2013 徳島文理大学特任教授(併任) 現在に至る。 ■所属学会 日本循環器学会:認定専門医 日本内科学会:認定内科医、研修指導医 など。■学会主宰実績 第8 回日本心血管形成術研究会(大阪、1988 年) 日本心血管インターベンション学会第2 回中国四国地方会(岡山、1995 年) 日本心血管インターベンション学会第5 回ウインターミーティング(高松、1997 年) 第11 回日本心血管インターベンション学会(徳島、2002 年) 第2 回日本心血管カテーテル治療学会中国四国地方会(岡山、2005 年)第94 回日本内科学会四国地方会(徳島、2006 年)第95 回日本循環器学会四国地方会(徳島、2009 年)など。

 徳島赤十字病院はJR牟岐線南小松島駅から徒歩10分。2006年5月に現在の場所に新築移転。今年4月に63人の職員を加え、職員数は1000人を超えた。

 平成25年度の平均在院日数8.7日、病床利用率99.0%、1日平均新入院患者41.5人。断らない医療を実践し、県民の安心・安全に貢献している。

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徳島赤十字病院 院長  日浅 芳一

 病院理念は「私たちは断らない医療を実践し、皆さまの健康と尊厳をお守りします」で、キーワードは「断らない医療」「健康」「尊厳」の3つです。「健康」については医療機関として当然、重視しなければなりません。「尊厳」は患者さんの身体的な問題だけを見るのではなく、社会的背景も含めて全人的に見ていこうということです。

 キーワードの中で、我々が一番強調したいのが「断らない医療」です。

 徳島県も他県と同様に医師不足で悩んでいます。特に夜間、休日の医療が非常に手薄です。例えば、三好市から7、8軒の病院から全て断られ、当院に搬送されてきた患者さんがいましたが、我々は決して断らないように職員一同、意思統一をしています。そのためにシステムと勤務体系を改革しました。例えば夜間の救急のベッドをたえず5床は空けておくなどの取り組みをしています。

 医療の究極の使命は救急医療だと考えています。通常の疾患であれば、患者さんもみずから治療を選択できますが、救急の場合、選択肢がありません。医療機関でしっかりとした医療を受けられることが大事なので、我々は「断らない医療」を掲げています。それが赤十字の使命でもあります。

 どんな人にも手を差し伸べる「人道・博愛」にもつながると考え職員一同、日々頑張っております。

 夜間、休日の救急は医師が8人体制で行なっています。昼間も救急は外来とまったく別の枠組みをとっていますので、すぐに治療できる体制を整えています。

 昨年「平成25年度救急医療功労者厚生労働大臣表彰」を受賞しました。我々のこれまでやってきたことが認められた成果だと思っています。

 医師の50%以上が35歳以下の若い人たちです。医師もただ数が多ければいい訳ではなく、若い人たちがたくさんいないと救急医療ができないと考えています。研修医が毎年10数人ほど入ってきて、その中から半分くらいは当院に残ってくれます。当院で研修をした医師が年々増加し、将来、病院を背負っていってくれることが私の夢です。

 医師確保がうまくいっているのはうれしいことですが、それ以上に赤十字人の基本理念「人道・博愛」を身に付けた医師が、増えているのが最大のよろこびです。

 我々は救急医療も行ないますし、最先端治療もやります。現在の建物ではスペースが足りません。

 新設予定の日帰り手術センターが完成すれば、患者さんの種々の負担を軽減させることができます。また、心臓カテーテル検査、消化管内視鏡検査・治療のスペース確保により、患者さんの待ち時間の短縮も可能です。またPETや放射線治療の機器を新設すれば、より高度な医療が実践できます。

 新棟が完成すれば、手狭になった救急のスペースも確保できるようになりますし、多くのメリットがあると考えています。すでに建設中のハイブリッド手術室が今月完成します。これにより、循環器内科と心臓血管外科がハートチームを作り、カテーテルによる大動脈弁留置術(TAVI)が四国で初めて可能になります。種々の条件で手術が難しい高齢者の大動脈弁狭窄症の治療に貢献できるものと期待しています。

 これまでは患者さんのためを考え、平均在院日数を減らし、回転を速く、なるべく多くの患者さんが入院できるように取り組んできました。そのシステムがようやく確立されてきています。今後は職員がもっと働きやすく、モチベーションを高めるための取り組みをしていくつもりです。救急の現場は非常に過酷なので、今後も職員が働きやすい環境づくりを心がけていきます。

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 当院の誇るべき部分は、看護師の教育が進んでいて日本で初めて研修看護師制度を導入したことです。この制度が非常に好評で、全国から看護師の応募があります。今年も35名の定員に80名以上の応募がありました。

 これまでいろいろな病院の院長の下で働いてきて職員と院長の距離が遠いと感じていました。なるべく職員との距離を縮めたいと思い、自分が今、何を考えているかを綴った院長ブログをホームページに公開しています。仕事の話だけではなく、読書や映画、旅行の話なども掲載しています。これを読んで、職員が身近な存在に感じてくれたらうれしいですね。

 若い職員には、20代のうちに医療の勉強はもちろん、仕事の合間を縫って本を読んだり、映画を観たり、いろいろな人の話を聞き、政治・経済にも興味を持ち、常に感性を磨いて人間として社会人として大きくなってほしいと思います。感性を磨けるのは若いうちだけだと思うので、貴重な時間を無駄にせずに過ごしてほしいと願っています。

 趣味はウォーキングです。仕事で東京に行く機会が多く、ウォーキングシューズを履いて東京の街めぐりをするのが楽しみです。通勤でも車は使わずになるべく歩くようにしています。

 読書も趣味で、歴史物が好きです。実家が農家なので、まだまだ先の話になりますが、引退後は、晴耕雨読の生活をすることにあこがれています。


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