熊本市内から通勤できます

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医療法人社団坂梨会 阿蘇温泉病院 総院長 下村 貴文

1980 熊本大学卒 熊本大学医学部附属病院泌尿器科(研修医) 1982 水俣市立病院泌尿器科 1984 熊本大学医学部附属病院泌尿器科 1986 国立熊本病院泌尿器科 1992 熊本中央病院腎臓内科勤務(レジデント) 1993 熊本黒髪内科副院長 1994 大津第一クリニック院長 2007 熊本県透析施設協議会災害対策分科会会長 2010 阿蘇温泉病院総院長 ■熊本県透析施設協議会理事 ■熊本人工透析研究会理事 ■熊本泌尿器科医会会長 ■阿蘇郡市医師会理事

 昭和49年、阿蘇五岳を臨む位置に有床診療所として発足した。昭和51年に増床する際、温泉地である内牧にあることを活かし、現在の院名に改名している。院内には泉質が異なる天然の源泉が3種あり、かけ流しで患者にも職員にも好評とのこと。当直室にも温泉があるそうで、下村総院長も入浴するそうだ。平成5年からは260床。老朽化している部分もあり、目の前の土地に新築移転する構想があるという。

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医療法人社団坂梨会 阿蘇温泉病院 総院長 下村 貴文

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 公道を挟んで病院正面にある、法人内の老健施設と連携しています。老健施設には施設長がいますが、私がそれを統括する立場です。だから「総院長」という肩書きなんですよ。老健施設は県下最大の規模で、125人の入所が可能です。また同グループのケアハウスや整骨院とも連携をとっています。

 老健施設の隣には病院の施設があり、今は地下通路で結んでいます。3階は緩和ケア病棟15床で、2階は私の専門の透析センターです。

 緩和ケア病棟を阿蘇の医療圏で持っているのは当院だけです。始めた当初はなかなか認知されなかったようですが、今では口コミで広がって常にほぼ満床状態です。阿蘇では、どんな宣伝よりも患者さんの評判が一番なんですよ。昨年は病棟の5周年で、10月に日本対がん協会の垣添忠生会長をお呼びして、緩和ケアに関する公開講座を開催しましたが、150人の参加者がありました。阿蘇の地でも、地域住民の関心は高まっていると感じています。もちろん経営的にはプラスです。

 入院透析の割合が高いことも特徴の一つで、透析患者の3分の1ぐらいです。どうせ入院するならと、温泉目当てに遠方から来る患者さんもいます。透析の専門医は現在私一人ですので、大変ですが何とか院長職と両立させています。今も泌尿器科専門医や透析認定医を維持するために、学会に出席して単位を取得していて、4月も神戸で開催された第102回日本泌尿器科学会総会に参加してきました。泌尿器科と透析に加え、内科も診ています。

 1階は当院が経営するレストランで、栄養士が献立を考えたブルーサークルメニュー(熊本県糖尿病医療スタッフ養成支援事業が認める、低カロリーで塩分の少ないランチ、もしくはコースメニュー)を提供しています。健康的でおいしいので、近所の方も来られるくらい評判です。私は多くの病院の食事を知っていますが、当院のランチが一番おいしいと感じています。

 地下通路に以前はギャラリーがあり、絵を飾っていたのですが、2年前の水害で全部ダメにしてしまいました。いずれ再開したいと考えています。普通自動車が全部隠れるくらいのひどい洪水でした。

 病院は今年40周年なのですが、2年前まで水害は平成2年の夏に起きた1度しかなく、その1度もひざ下程度だったそうで、被害はほとんどなかったようです。地域住民の方も初めてのことで、驚かれていました。1階にあったMRIやCTが壊れ、5億円の被害が出ています。水害保険に入っていなかったので、大変な損害でした。

 水害以降、雨の多い夏が怖くなりました。しかし冬は冬で厳しいです。雪が降るんですよ。

 私は熊本市内の生まれで、高校、大学と市内で育ちました。現在も熊本市内に住んでいて、週一回の当直以外は車で毎日通勤しています。阿蘇はへき地という印象ですが、医師確保のために、熊本市から通えるということを示す必要があると考えているからです。

 だから雪が降ると大変ですね。ここは熊本市より500mほど高い標高だそうで、5℃ぐらい違います。特に去年は豪雪で、近隣の方が「何十年ぶりだろう」なんて言っていました。近隣で無床の診療所を開業されている先生の中にも、市内から通う方は何人かいますから、稀に大変な日があるという感じです。事実当院の医師は増え始めています。通勤圏だということをアピールできているようです。また土曜日は、熊大の関連病院などから応援に来ていただいています。

 私は午年生まれで、次の6月3日で還暦になります。

 当院に来る前は、県下でも有数の透析患者を抱える大津第一クリニック(現仁誠会クリニック大津)で院長をしていました。

 ここに私が来た当初は、コメディカルが自分の意見を言わない病院でした。医師に権威を感じ、自分の意見を言いづらかったようです。しかし医師が余っているわけではありませんから、医師がすべてを把握するなんてことはできません。だから気付いたことを教えてくれるように、スタッフの意識改革をしました。

 今では我々が気付かなかったことを教えてくれ、非常に助かっています。人数が足りない場合、情報や意見、アイデアは、ボトムアップの方がやりやすいんですよ。少ない人数で診る場合、医者が全部を考えて、全部の指示を出すなんてことは無理なんです。当院のような病院には向いたやり方だと思います。

 ですから、コメディカルが勉強をすることは、推奨しています。

 熊本には多くの温泉地があります。私が子供のころは賑わっていたらしいですが、現在内牧温泉は下火です。でもみんなで盛り返そうと頑張っています。当院も医療を通してそれに協力しようと取り組んでいますよ。例えば観光客も多いので、救急は断らないようにしています。

 当院では医療従事者や介護従事者の見学をすべて受け入れています。視察を断らないので、韓国から団体が良く来ます。韓国の旅行会社は「韓国で有名な病院」だと言っていますが、たぶん社交辞令なんでしょうね。国外の前に、国内でもっと有名になる努力をしないといけません。


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