自分の足で歩けることが大切

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熊本大学大学院生命科学研究部整形外科学分野 教授 水田 博志

1978 熊本大学卒 熊本大学医学部附属病院研修医 1979 熊本県立松橋療護園技官 1984 熊本大学大学院医学研究科修了 熊本大学医学部附属病院助手 1985 東京大学にて研修 1988熊本大学医学部講師 1992 同助教授 1996 メイヨクリニックVisiting Scientist 2005 熊本大学大学院医学薬学研究部教授 2011 熊本大学医学部附属病院副病院長  日本整形外科学会理事・代議員・専門医・スポーツ医・Editorial Board:Journal of Orthopaedic Science 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会理事・評議員・専門医制度検討委員会委員長・倫理委員会委員・法人化検討委員会委員 日本臨床スポーツ医学会理事 日本リウマチ学会評議員・指導医・専門医 日本関節病学会評議員・編集委員会委員 日本整形外科スポーツ医学会評議員 日本運動器リハビリテーション学会評議員 日本軟骨代謝学会評議員 日本運動器移植・再生医学研究会幹事 日本臨床バイオメカニクス学会評議員 日本股関節学会評議員 日本リハビリテーション医学会評議員・認定臨床医 Asia Pacific Knee Society(Delegate) Société Internationale de Chirurgie Orthopédique et de Traumatologie Société Internationale de RechercheOrthopédique et de Traumatologie International Sciety of Arthroscopy,Knee Surgery & Orthopaedic Sports Medicine(active member)

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熊本大学大学院生命科学研究部整形外科学分野 教授 水田 博志

―教育の方針は。

 医療環境の変化で、大学病院に勤務する若い整形外科医は手術を中心に急性期に特化した診療が主となり、1人の患者さんを長く診ることは難しくなっています。しかしどんなに忙しくても、流れ作業になってはいけないと思っています。

 医師は患者さんに学ぶことが多く、教科書どおりのやり方が全員に通用するわけではありません。患者さんの訴えに真剣に向き合い、患者さんに必要なことは何なのかを常に考える習慣を身につけてほしいと思います。忙しい合間にも勉強し考えながら診療をしていれば、今までの常識が覆る時もありますし、新しい発見もあると思います。一例一例を大切にする医師に育ってほしいと考えています。

―教室の名前が変わりました。

 以前は「運動骨格病態学分野」という名前でしたが、今は分かりやすく「整形外科学分野」に変わりました。

 本院では、大正15年2月から昭和3年11月まで前田和三郎教授が整形外科学講座を担当されていましたが、前田先生の慶応義塾大学転出で一度途切れ、整形外科は主に第二外科が代行していました。その後、昭和29年2月に玉井達二教授が就任され、専門講座としての本格的な活動が始まりました。

 玉井教授はのちに宮崎医科大学に転出し、同大学の病院長や学長を歴任されました。教室は北川敏夫教授、髙木克公教授と続き、平成17年から私が教授を務めています。私が入局した時は北川教授の時代で、北川先生、髙木先生、また熊本に帰って来られた玉井先生の3代の先生からご指導いただきました。

 教室は60年の歴史を持ち、同門の先生方は400人を超えています。玉井先生が赴任された翌年に入局された三浦先生が同門会長をされていますが、たくさんの尊敬する先輩、頼れる後輩に恵まれ、教室を運営する立場としては非常に心強く感じています。

―熊本は勉強会が盛んだと聞いています。

  教室主催の勉強会を年に6回開催し、教室員だけではなく多くの同門の先生方にも参加いただいています。最新の専門的知識や話題性の高い情報を中心に、整形外科全般の知識が得られるように、テーマや部位、疾患に偏りがないよう気を付けています。

 また県内で整形外科をご開業されている先生方で構成されている熊本県臨床整外科医会でも活発に勉強会が行われ、年に10回ほど開催されています。私も会議出張などと重ならない限り参加し、講演の座長などをさせていただいています。さらに関連病院に勤務する先生方で構成されている熊本整形外科勤務医会でも勉強会が行われ、その他にも熊本骨折研究会や熊本股関節研究会、熊本肩関節研究会など分野別の研究会もたくさんあり、バラエティに富んだ研修を受ける機会が多くあります。先生方同士の交流が活発なことも同門の特徴で、毎年の同門会総会や同門忘年会には多数の先生方に出席いただいています。教室におきましても、患者さんのご紹介だけでなく、一緒に臨床研究や様々な社会活動を進めるなど、同門の先生方との結びつきは非常に強いものがあります。

―積極的にロコモの啓発に取り組まれていますね。

 ロコモは、年齢的な運動機能の衰えや骨関節疾患などのために移動能力が低下した状態です。要介護の原因の中で骨関節疾患が占める割合は全体の約4分の1です。「第2次健康日本21」ではロコモに対する国民の認知度を平成34年度に80%にするという数値目標が設定されており、教室でも公開講座などを行ない、啓発活動につとめています。毎年の「骨と関節の日」関連事業では、熊本県臨床整形外科医会、熊本整形外科勤務医会と合同でロコモに関する県民公開講座を開催しており、また今年2月には肥後医育振興会、化学及血清療法研究所、熊本日日新聞が主催する肥後医育塾で、「元気に長生き!ロコモ対策」をテーマにセミナーを行ないました。さらに医師会のご協力で、県内各地で講演会を開かせていただいています。

 ロコモ対策は整形外科医だけでは前に進めることはできません。高齢者に対応されるすべての職種の方々、行政の関係者、また何より高齢者ご本人やご家族に、正しい知識と関心を持ってもらうことが必要です。

 また具体的なロコモ対策として、大学病院のリハビリテーション部を中心に熊本県地域リハビリテーション支援事業のお手伝いをさせていただいています。県下の地域リハビリテーション広域支援センターで様々な介護予防の取り組みが行われていますが、より効率的に予防を図るためには標準化した評価で効果を検証することが必要です。このため各センターでの運動機能評価法を統一するとともに、独自に作成したデータベースを用いて解析のためのデータを集積している所です。

―ロコモ対策で大切なのは。

 現在の高齢者に対するロコモ対策が喫緊の課題であることはもちろんですが、これとともにもっと長い目で見た子供に対する対策も必要と思います。昨年10月に熊本で第24回日本臨床スポーツ医学会学術集会を開催しましたが、テーマは「子どもの未来を支えるスポーツ医学」としました。

 最近では運動習慣のない子供が増加しており、長期的に見ればロコモにつながる危険性が指摘されています。子供の時からスポーツに親しみ、将来のロコモ予防に取り組むことが大切であり、このテーマを選びました。

 たとえば骨粗しょう症はロコモの大きな原因の一つであり、歳をとってから薬を飲んで治療することはもちろん大切ですが、若い時期の最大骨量を上げておくことはもっと重要です。骨の量は20歳ぐらいで最大となりますが、それまでに適切な運動と食事を行ない、骨の量を増やしておくことが、歳をとってからの骨粗しょう症の予防につながります。逆に、若い世代での運動習慣の低下や無理なダイエットは骨密度の低下を引き起こすことが知られています。

 いつまでも元気で活動的な生活を送っていくためには、自分の足で歩けることが必要です。これからも、同門の先生方と力を合わせてロコモ対策に取り組んでいきたいと考えています。


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