あらためて臨床心理学を考える 坂梨 圭

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 「継続は力なり」という言葉があるが、始めることより継続すること、そして発展させていくことはかなりのエネルギーとイノベーションが必要になる。今までと同様に100%エネルギーを使っても結果としては80%にしかならず、120%のエネルギーでやるか、智恵を絞ってイノベーションするかの判断が必要になってくる。九州医事新報が600号まで続いたことに敬意を表したい。

 さて、臨床心理士がクライアントと関わっていく時、数回で終結ないしは中断する人と、50回以上も会う方とがおられる。

 病院の治療と違って完治という形が見えないために、ずっと継続して、定期的にカウンセリングを受けに来られる方もおられる。不登校や会社の人間関係であれば、その問題が解決すれば、クライアントは元気になって、私たちのもとを去っていく。元気になったら「さようなら」というのは何とも寂しい職業だが、それは医師・看護師も同じであろう。ずっと会っているクライアントは自分の心と向き合う作業をされているのである。何十年もかけて形成されてきた「自己」と向き合い、自分を変えていくことは至難の業である。しかし、そのことで、悩み・苦しんでいるのだから、根本の自己を変えていく作業をともに行なうのである。

 1人でも命が救えたり、生きる気力を育んだりしてもらえるとうれしく思う。それが、カウンセリングを続けていく動機付けなのだろう。

 さて、ある高校の記念式典で4月に記念講演をし、その時の生徒たちの感想を送ってもらった。その中に「不安や悩みがあることは当たり前のことで、それがあるからエネルギーに変えられることを初めて知った。失敗を恐れずにチャレンジしていきたい」という内容がいくつかあった。

 不安を不安のままで抱えていくこと、不安をエネルギーに変えること、そのサポートをするのが臨床心理士の役割である。高校生の純粋な感想を読み、改めて臨床心理士の仕事の奥深さと大切さを感じることができた。

 「今の若者は...」という言葉をよく聞くが、今の若者の中にもすばらしい人材や才能を持った人たちがいる。その世代のモチベーションと志を導くことが、私たちの世代の役割だと思う。若者達、失敗を恐れずにチャレンジしてほしいと思う。

 どちらかというと臨床心理学は「マイナスをゼロにする」というイメージが強い。しかし「-から+へ」、「0から+へ」と、考え方や行動を変容するように援助することも臨床心理学の大きな役割だ。

 高校生たちの感想を読んで、臨床心理学を今の若者達にもっと知ってほしいと思った。若者の感性はすばらしい。私たち大人も、常に感性と知性のイノベーションが必要だろう。


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