地域完結の医療を目指して

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香川県立白鳥病院 院長 坂東 重信

1973 年三重大学医学部卒業。徳島大学医学部付属病院、香川県立白鳥病院での勤務を経て、1979 年から徳島大学医学部附属病院二内科医員。1980 年より同病院助手、講師、助教授を歴任。1994 年香川県立白鳥病院長就任 現在に至る。2000 年より徳島大学医学部臨床教授 2013 年より香川大学医学部臨床教授を兼務。

■専門=循環器内科(特に不整脈学)■資格=日本内科学会認定内科医、日本循環器学会循環器専門医、日本不整脈学会・日本心電図学会不整脈専門医、日本高血圧学会高血圧指導医

 坂東院長は平成6年に院長として赴任。

 20年間にわたり院長として自ら先頭に立ち、良質な医療の提供と地域住民に信頼される病院運営、地域医療の充実、発展に努めてきた。

四国で唯一、不整脈科を標榜 中四国の循環器疾患専門病院として高い評価

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香川県立白鳥病院 院長 坂東 重信

 平成22年に病院の全面建て替えをしました。個室を増やし、デイルームを整備するなど、療養環境の向上と、高性能DSA装置の導入、MRIの更新、電子カルテの導入など医療機能の向上を果たしました。昨年度からは、腹腔鏡手術や人工関節置換術、外科科学療法などにも積極的に取り組んでいます。

 建物のこだわりは3階建てにして幅広く横の移動ができるようにした点です。高層にすると工期もかかり、経費も高くなりますが、建物の面積を広くとり3階建てにすることで、工期を短縮でき、経費も節約できました。

 建て替え完了当時は、建築方法が注目され、NHKの全国放送でも取り上げられました。当初の予定より2か月ほど工期が短縮されたことで、院内で職員のトレーニングを行なう時間も確保できました。

 余裕を持った空間づくりをしているので、将来、診療科が増えても対応が可能です。

 セキュリティの強化にも取り組み、管理部門にはパスが無いと入れないようにしています。

 当院の内科医は11名いて、そのうち7名が循環器医です。循環器科が当院の医療収入の45%を占めています。

 当院の特長の一つは、四国で唯一、不整脈科を標榜している点です。不整脈専門医が3人いて、四国の不整脈専門医の3分の1を占めています。

 地域中核病院として、さまざまな疾病に対応していくとともに、専門分野を強化し、特色ある病院にしていくことにも力を注いでいます。

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4年前に建て替えを行なった白鳥病院。白を基調とした優美なデザイン。

 生活習慣病や高齢化に伴い、増加傾向にある高血圧、心筋梗塞、不整脈などの循環器疾患の専門的診療・治療に早くから取り組み、経皮的冠動脈形成術、カテーテルアブレーションなどのカテーテルを使った先進的治療を積極的に行なってきました。その結果、中四国地方における循環器疾患の専門病院として高く評価されています。

 地域医療を長期的・安定的に責任を持って担っていくため、病院管理者は公共性と経済性の両立に常に留意していかなければならないとの考えを一貫して持っています。社会と時代の要請に応じて、診療機能の充実、医薬分業の推進、適時適温給食の実施、看護師配置の改善、平均在院日数の短縮などに率先して取り組み、平成11年度から11年間にわたって黒字経営を行なうなど病院経営基盤の安定化に努めました。新病棟の建設で、現在、表向きは赤字ですが、単月では黒字です。決算で建物の償還があるので、赤字になってしまいますが、実質の経営は安定しています。

 都市部の大きな病院では高度な治療ができますが、この地域は高齢化が著しいので、家族がお見舞いに行くのも困難です。今後の課題は、他の病院とも協力し、この地域で完結できる医療を提供していきたいと考えています。

 夜間や休日などの時間外についても、出来る限り診療に当たる基本方針を掲げ、医師の当直体制を早期から確立し、大川医療圏の病院群輪番制病院事業に従事し、さぬき市民病院とともに2次救急を担っています。特に内科系疾患については、2次救急当番以外の日も毎日当直医師を配置し、24時間体制で救急医療に対応しています。内科医は月6、7回くらい当直をしなければなりませんが、文句ひとつ言わずに頑張ってくれています。

 東かがわ市に無医村の五名(ごみょう)地区があります。以前は保健所の先生が巡回して診察していましたが、五名地区の人は、バスや車を使って当院に来ていました。私が赴任してから訪問診療、訪問看護を開始し、平成10年度からは訪問リハビリも実施し、通院が困難な患者さんのニーズに応えています。当院の訪問診療は内科だけでなく、外科、整形外科、眼科も行なっています。

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院長の趣味は通勤時間中の読書。好きな作家は松本清張と森村誠一。

 外来対応が得意な医師と苦手な医師がいます。得意な医師には外来枠を増やしました。その結果、外来の人数が2倍になり入院患者数も大幅に増えました。

 今後の課題は医師の確保です。若い医師はどうしても都心部の病院を希望しますので、優秀な医師に残ってもらいたいとの想いで、希望者には国内留学を行ってもらい、新しい知識や技術の習得に努めてもらいました。その結果、不整脈専門医を3人生み出す成果を出しています。キッズセミナーも開催しているので、その中から将来、地元に残って医師になる子供が、一人でも多く出てきてくれることを期待しています。

 若い医師と一緒に患者さんを診ることを心がけています。大きな病院では院長職に専念の先生もおられますが、私は月に550人くらいの患者さんを診ていて、カテーテル治療にも立会い、必ず現場に顔を出すようにしています。

 徳島から通勤していますが、5時に起床して7時30分には病院に着くようにしています。幹部同士の打ち合わせをして、始業時間の8時30分には診療にかかっています。


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