飛耳鳥目

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最後の誕生日

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 私の母は今年で82歳になる。それでも次の母親の誕生日を、「最後の誕生日」だとして息子3人が盛大に祝ったとすれば、うれしくないはずだ。

 私も60だが、61の誕生日を「最後の誕生日」として家族や友人が祝福してくれても、ちっとも楽しくない。

 だが「最後の誕生日」を心から祝う人たちがいる。しかも数は年々増えていく。がんの末期と言われる人とその家族である。

 おそらく来年はこの世にいない人に、最後の誕生日はとても貴重だ。

 それは「イベント」と呼ばれるもののうちで最も重要なものである。

 だから最後の誕生日は盛大に祝われる。ケーキにロウソクが灯り、神の祝福の如き明るい光を放つ。当人も家族も看護者も介護者も、親しい人たちも、嘘偽りのない純粋な気持ちで誕生日を祝うのである。

 そしてみんなで「ハッピー・バースデー」を歌う。来年は歌うことのかなわないこの歌を全員で、おそらく涙と笑顔と感謝とともに歌う。

 そのとき楽器が奏でられればと思う。ウクレレでもオカリナでもギターでも、ティンホイッスルでもバイオリンでも何でもいいから、「ハッピー・バースデー」に楽器の伴奏があれば、最高に素晴らしいひと時になる。

 私にはステージに上がるほどの楽器演奏はできない。でも誰かの最期のイベントを最高のものに仕上げることはできるかもしれない。

 その思いを心に秘めて楽器を探してみることは、自分の生き方のアイテム選びとして、あんがい優れた判断の一つかもしれない。(川本)


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