やさしく寄り添う医療を

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財団法人津山慈風会 総院長 / 津山中央病院 病院長  藤木 茂篤

(ふじき しげあつ) 1979 岐阜大学医学部卒業 岡山大学医学部附属病院第一内科入局 平田市立病院内科勤務 1981 津山中央病院内科非常勤勤務 1983 岡山大学医学部附属病院第一内科勤務 1988 津山中央病院内科勤務 1994 同消化器科部長就任 1998 同内科部長就任 2000 同臨床検査科部長兼務 同主任部長就任 2003 同副院長就任 2005 財団法人津山慈風会理事に就任 2007 津山中央病院上席副院長就任 2010 津山中央病院院長就任 2013 津山中央病院院長兼財団法人津山慈風会総院長就任

■資格日本内科学会認定医 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医 日本消化器病学会専門医・指導医

 財団法人津山慈風会の津山中央病院は、岡山県北地域28万人の医療圏における唯一の総合病院だ。岡山県内には3次救急病院が5つあるが、その内の1つ。近年救命救急センターを20床から30床に増やした。平成28年には、がん陽子線治療センターが完成、癌治療のメッカを目指しているという。

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院長室で撮影。地域医療にかける情熱を強く感じた。趣味は温泉めぐりで、九州まで足を運ぶこともあるという。別府、鉄輪、湯布院、黒川、指宿、霧島と有名な温泉には大抵行ったことがあるとのこと。岡山大学内科臨床教授。

―地域での役割は。

 地域の安心・安全の源は、救急診療だと思っています。

 予測できる病気は、東京などの大都市でも手術が可能ですが、地域で急に起こった疾病に対しては、しっかりとした救急診療体制が地域にあるかどうかが要求されていると考えています。

 救急隊員の教育にも熱心で、岡山県で気管挿管ができる救急救命士は、335人いますが、当院だけで105人の病院実習を修了させています。

 基本方針の1番目に「お断りしない救急診療に努める」を掲げています。24時間、365日、救急対応ができる医師を10人以上配置しています。内訳は、救命救急センターに3人、内科、外科、小児科、循環器、病棟当直医が1人ずつ。加えて研修医が2人です。県北住民に安心と安全を提供するためには、必要な人数だと思っています。

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多くの事業計画があり、中でも目玉は平成28年3月完成予定の、がん陽子線治療センターだ。緩和ケア病棟を有する新病棟の増築も予定しており、平成28年10月完成予定。職員の福利厚生は手厚く、充実した職員寮にはフットサルコートとテニスコートが隣接している。

 津山市の人口は、現在10万6千人ですが、2040年には8万人を割ると予想されています。約3割減少し、高齢化もますます進んでいく状況ですが、当院は救急を担っているので、存続し続けなければなりません。

 救急を維持するためには、救急部門以外にも魅力がなければなりません。

 どういう魅力を持つべきかを考え、将来核になる医療が必要だと考えたとき、がん陽子線治療に着目しました。

―がん陽子線治療について聞かせて下さい。

 陽子線や粒子線を用いた癌治療を受けている患者さんは、全国で2万人を超えています。陽子線治療1回の治療に当たり288万円と高額な治療費がかかりますが、癌保険の先進医療特約で、治療を受ける患者さんは増加しています。

 しかし中国・四国地方では、その治療ができる施設がありません。それで当院でやろうと思いました。

 癌で苦しんでいる患者さんに対し、なんらかの貢献ができるのではないかとの思いと、治療ができることで病院に人が集まり、地域の活性化が図れると考えました。

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 平成28年3月の運用に向け、既にプロジェクトが進行し、がん陽子線治療センターの工事も始まっています。

 このプロジェクトは「岡山大学・津山中央病院共同運用=がん陽子線治療センター」プロジェクトと言います。岡山大学内に陽子線治療学講座をつくり、専門の外来を設置します。岡山大学病院やその関連病院から治療の依頼が来たとき、津山中央病院のがん陽子線治療センターで治療をするシステムです。

 岡山大学病院の関連病院以外からの受け入れは、当院に外来を設置して対応します。このシステムは将来、全国的なモデルとなる可能性を秘めていると考えています。

 今後は、救急診療と共に、がん陽子線治療を中心としたがんに強い病院に発展していきたいと思っています。

 平成28年3月完成予定のがん陽子線治療センター建設に歩調を合わせ、同年10月には、緩和ケア病棟を含む新病棟を増築予定です。

 またダヴィンチやハイブリッドを備えた手術室の増設も予定しており、翌年10月完成予定です。今後、3年間ですべて完成予定です。

 今年の職員向けのスローガンには「新3ヶ年計画―POWER・UP3―」を掲げています。Pは陽子線、Oは手術室、Wは病棟、Eはエネルギー棟、Rはリハビリテーション、Uは実用的、Pは駐車場です。エネルギー棟は陽子線治療のために必要で、また駐車場も今は不足していますから拡充が必要です。名実ともにパワーアップをはかりたいと考えています。

―マンションを作ったそうですね。

 単身赴任の医師用として2LDKのマンションが完成し、4月より入居を開始します。津山市街地のアルネ津山という複合商業施設の横にあり利便性も抜群です。

 医師は多忙で、単身の場合、日常の買い物や家事に割ける時間があまりとれません。そこでマンション内にコンシェルジェを置き、日常の雑事を引き受けてもらいます。医師確保の一助になればと考えています。

―研修医にも人気ですね。

 当院は初期研修医に非常に恵まれています。初期研修医の指導理念は『飛行機や新幹線でのドクターコールに飛んでいく医者になろう』です。岡山で開催されるOSCE(客観的臨床能力試験。全7部門)では、初期研修医が3年連続、3部門で最優秀賞を受賞しました。我々の指導法は間違っていなかったと思っています。

 また昨年、初期研修を終えた10人の研修医すべてが当院の後期研修に残ってくれました。今の初期研修医の2年生も8人残ってくれます。初期研修だけではなく、当院の専門性についても若い人たちに認めてもらいつつあると感じています。

―趣味は。

 テニスです。

 プライベートでは、なかなかできる時間がありませんが、毎年、大学時代の仲間が、病院の職員を連れてきて一泊二日の合宿をするんです。100人規模で、コート6面を借り切って行ないます。

 もう一つの趣味が温泉めぐりです。源泉かけ流しを求めて、日本全国、有名な温泉にはほとんど行きました。近場の三瓶温泉、道後温泉、有馬温泉、城崎温泉などは日帰りで行っています。

 人々が温泉に求めるものは「癒し」です。癒しを提供する温泉は、病院と似ています。各温泉それぞれに個性があり、熱いお湯もあれば、ぬるいお湯もある、きれいな温泉、風情のある温泉とさまざまです。温泉の個性は病院にも当てはまります。そんなことを考えつつ温泉に入るのは楽しいですね。

 温泉好きが高じ、病院敷地内に温泉を掘りました。それを利用して、今年5月に健康増進センターをオープンさせます。28度のアルカリ単純泉で、露天風呂もあります。地域の方々の健康増進に少しでも寄与できればと思っています。


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