「患者さんのことを考えて」を具現する

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医療法人恒生堂 永田整形外科病院 病院長 金﨑 克也

院長プロフィール 1986 久留米大学医学部医学科を卒業し、門司労災病院などの整形外科勤務を経て、2007 永田整形外科病院に副院長として勤務。2008 同院長に就任、現在に至る。日本医師会産業医、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会スポーツ認定医、日本整形外科学会リウマチ医、日本リウマチ学会専門医・指導医、日本リウマチ財団登録医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本医師会認定健康スポーツ医、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、医学博士

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医療法人恒生堂 永田整形外科病院 病院長 金﨑 克也

 昭和30年(1955)9月1日、大牟田市笹林町に14床の永田整形外科医院が開設した。院長は永田恒久=現理事長。五十周年記念誌によると、開設当時は永田院長と妻、そして従業員3人の体制で、前日に自分でレントゲン現像液を作って患者を待つような時代だった。福岡はもとより、熊本県、佐賀県、長崎県には単科で整形外科を開業している医師はいなかったという。そして59年の時が流れ、昨年9月、不知火町1丁目に新病院が完成、全面移転した。現在は病院正面の旧本館跡地を駐車場に作り替えているところ。

 これからの運営について金﨑克也病院長に聞いた。永田榮子理事(医学博士)と出田一夫事務局長が同席した。

―59年の流れの中で地域との関わりは変わりましたか。

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金﨑 高齢者の多い地域ですから、患者さんの家族のことまで念頭に置いて治療していますが、医療は日々進歩するもので、私たち医師はそれを患者さんに分かりやすく伝えることに変わりはありません。ただし、高齢化社会で説明の理解が難しくなってきているという面はありますね。

永田 開設当時は整形外科自体が認知されていなくて、それを知ってもらう苦労はあったようですが、昭和38年(1963)の三池炭鉱爆発事故で大量の患者さんが運ばれてきて大変だったという話は聞いております。そのあと病院としていろんな変遷があって大きくなったわけですけれども、理事長の一番の思いとして、「患者さんのことを一番に考えて」ということがあります。

―病院の玄関前で外来者を補助している人がいました。

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永田 整形外科ですから足腰の悪い患者さんが多く、玄関前でも必ず移動の手助けをして、雨の日には傘を差し掛けてあげるとか、そのような心使いをするようにというのが理事長の考え方です。

―どこの整形外科病院にもおられるのでしょうか。

永田 あまりいらっしゃらないと思います。前任者が高齢になって、それを引き継いで2人目です。誰が言い出したとかではなくて、率先してやり始めたんです。正規職員で職務に名前はありませんが、めずらしいということで新聞に取り上げられたことはあります。患者さんの顔を覚えて少し世間話をしたりとかしています。

―なぜほかの病院にはいないのですか。

出田 患者さんに対する気持ちの問題じゃないでしょうか。病院の玄関は、患者さんの最初の一歩ですから、そこは当院としても大切な場所です。 ほかの病院では一声かけるという意味もあって、中に入るとおられるんですよ。

―職員を育て教育する際に気をつけていることは。

金﨑 理念をトップが噛み砕いて下に降ろし、それを受けたリーダーもまた下に広げているとしか言いようがないです。

永田 古参の方たちが皆をリードしているということもあります。

出田 理事長の意をつないでいるというのが一番だと思います。設備や技術はたえず新しいですが、昔のままの面も多いのかもしれません。大牟田に根ざした病院づくりをしてきた結果だと思います。

永田 うちの伝統でしょうね。

―その伝統はずっと継承されていくのでしょうか。

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写真上は玄関アプローチの夜景。下はオペの様子

金﨑 「患者さんが笑顔で社会復帰することがよろこび」という理念は誰もが理解できることです。それを確実なものにするために現場が結果を出さなければいけませんから、僕らも切磋琢磨しているんです。

永田 患者さんが雨に濡れて院外の薬局まで取りに行くことのないように薬局を院内に置くとか、給食もコストで考えたら外注の方が安いのですが、地域の業者や生産者から取り寄せて、今でも自前です。ほかでは合理的にやるかもしれませんが、そういうところは変えずに来ています。逆に売店なんかは、あれば皆に便利なんですけど、地域が潤った方が良いという考え方で、院内にはあえて設置していません。

―病院間ではなく、地域とのつながりを強めることをしていますか。

金﨑 当院の患者さんに対してではなく、年に2回、市民公開講座をやっています。今は関節リウマチしかやれていませんが、先々には腰痛症や骨粗鬆症のような、整形外科しか扱えない疾患の市民公開講座を開くことで、その疾患に罹患している人以外の方に分かってもらい、当院で早期発見し治療するという発信を3年前くらいからやりつつあります。予防のためにも認識が必要ですからね。

 さらに診療所などの医療関係者を対象にした勉強会を、当院の会議室で定期的に行なっています。

出田 いずれはそれを市民にも公開しようと、6階にホールを造りました。

永田 そこでミニコンサートも開く予定です。

―地域の再生に医療者が何をやれるのでしょう。

金﨑 これからの医療は、病院に来た患者さんだけを相手にしていたのでは限度がありますし、高齢化社会ですから、病院に来れないことも多くなってくるわけですから、埋もれてしまってそのままということも起こります。そこをいち早く発掘する手立ては必要でしょうね。

 当院は整形外科の範囲内であればどんな疾患でも診ます。その中でも特化したところは、関節リウマチと脊椎疾患です。

 休日、夜間などの時間外にも対応し、地域に密着した24時間体制の医療を提供し、年間800例近くの手術症例実績があります。


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