三百年継承されている医家精神

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医療法人杏林会 村上記念病院 理事長 菊池 仁志 (医療法人財団華林会 村上華林堂病院 理事長)

 村上記念病院は、中津出身で菊池理事長の母方の曽祖父にあたる、西日本鉄道初代社長で井筒屋創設者の村上巧児氏の功績を記念して、現在の場所に建てられた。村上医院の開祖・村上宗伯に始まり、前野良沢らと西日本で最初に人体解剖を行なった第7代の村上玄水を経て現在に至るまで、その医家精神を300年継承し続けている。歴史ある病院のため、地域住民からの信頼も厚く、村上家の12代目に当たる村上玄兒氏は、地域の名士として現在も医療に携わっている。

1992 久留米大学医学部卒。1999 九州大学大学院医学系修了。2002 米国・コロンビア大学神経内科留学。2006 九州大学神経内科講師を経て村上華林堂病院へ。2013 九州大学大学院医療経営管理学専攻修了。2012 年より村上記念病院および村上華林堂病院理事長。現在に至る。■九州大学神経内科臨床准教授、日本神経学会専門医・代議員。医学博士、医療経営管理学修士。

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―病院の特徴は。

 地域のプライマリケアを中心とし、入院病床数は165床。その内訳として、一般病棟36床、療養病床129床と主に慢性期疾患を扱っております。特に県内でも早くから人工透析を導入し、現在透析ベット数86床で、200人ほどの透析患者さんが治療を受けております。またグループホームやショートステイ、デイケアなどの介護部門にも力を入れており、多くの地域住民の方に利用していただいております。

 中津には、先駆的な風土があり、当院も日本で最初に病院内にグループホームを作るなど、その精神は村上医家にも脈づいています。現在中津市内には、100床以上ある病院は少なく、当院は、地域の中核病院としての役割を担っていかなければならないと考えております。

 理事長に就任したのは2年前ですが、今後も基本的にプライマリーケアを地域住民に提供していきたいと思います。中津地域には必須の取り組みで、都市部の病院と違い、専門性を追求するよりも「何でも診る」、「地域住民の相談役」の役割を継続していくつもりです。

 また中津には、脳卒中の後遺症などのリハビリテーションを行なっている病院も少ないため、その部門の充実にも力を入れようと考えています。

 現在、旧病棟建て替えの予定があり、グループホーム、ショートステイ、有料老人ホームなど介護と医療をミックスした病棟を建設予定です。

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―地域との連携について。

 中津には全国的にも有名な「いずみの園」など、地域の中核的な介護グル ープがあり、そこで地域包括ケアを行なっています。当院はそういった介護施設との連携を大切にしながら地域の医療分野の中核的役割を担って行くことが大切であると考えます。

―医師や看護師の確保は。

 医師の確保は容易ではありません。これは地方病院が抱える共通の問題だと思います。

 看護師については中津市内に看護学校があり、地元の看護師を中心に何とか人材確保はできておりますが、決して潤沢とは言い切れません。そのため、職場環境の改善は必須であり、できるだけ職員一人一人の意見をくみ取る環境作りを推進し、職員の福利厚生や労働時間にも気を配っています。特に最近では、管理職の自立を目標に「自分たちで考え、行動できる組織作り」を目指しています。

 ―「医も亦自然に従う」という家訓の意味は。

 私どもは、この言葉を「病を診ずして病人をみよ」と考え、日々それを実践しています。一人一人の患者さんをその人らしく全人的にみていくことが大切なことと考えております。

【記者の目】
こちらのページに醤油の紹介がある。村上記念病院の常任理事、小林政利事務長の名刺に、「むろや醤油株式会社販売部長」とある。菊池理事長はむろや醤油の役員ではないそうだが、中津奥平藩に醤油を献上していた菊池理事長の本家であり、典医である村上家と共に300年もの間、中津の医療と食文化の中心にいることがうかがえる。中津の住民はさぞかし暮らしやすいだろう。

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