運用面での世界最先端を目指して

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医療法人八女発心会 姫野病院 院長 姫野 亜紀裕

ひめのあきひろ=2005 北海道大学医学部を卒業、東京都保健医療公社荏原病院 臨床研修医 2007独立行政法人国立病院機構京都医療センター糖尿病センター 2009 聖隷浜松病院腎臓内科 2011 八女発心会姫野病院腎臓内科 2013 同院長。

 救急から在宅支援まで、心ある医療を目指しているという。それを支えるため、リハビリテーションの充実に力を入れ、46人の理学療法士、22人の作業療法士、5人の言語聴覚療法士をはじめ、歯科衛生士、マッサージ師が常駐し、日常生活に戻るのに必要なリハビリスタッフと環境をそろえている。電子カルテによる診療情報の共有にもいち早く取り組み、患者のためのチーム医療を支える施設・設備環境の充実をはかっている。

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医療法人八女発心会 姫野病院 院長 姫野 亜紀裕

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来年2月に竣工予定の新病棟、1~5階までが病院で、6~7階が有料老人ホームになる。

―新病棟が建ちます。

 来年2月竣工予定です。7階建てで、5階までは病院、6、7階は有料老人ホームにします。

 病室はすべて個室・トイレ付きで、料金は一律。全室を個室にしたことで、患者さんの家族がお見舞いに来た時、周囲を気にせずにゆっくり過ごすことが出来ます。患者さんにとって、家族と一緒に過ごすのが最大のエネルギー源です。

 6、7階の有料老人ホームは、人工呼吸器、がん末期、透析、毎日点滴が必要な人などのために作ります。病院の医療を在宅で受けられるのが最大の特長です。現在この地域は、病気が重度化し、人工呼吸器が必要になった場合、大川、小郡、鳥栖などの療養病院に入院しなければなりませんが、新病棟が出来ることで、慣れ親しんだこの地域で最期を迎えられるようになります。

 新病棟の各階に200㎡以上のスタッフステーション兼デイルームを作ります。高齢者、要介護者の入院が多いので、患者さんには昼間はここに集まってもらい、看護師、介護士、理学療法士、作業療法士、栄養士などが患者さんを診られるようにします。ここでリハビリ、食事、レクリエーションなどをすることで、各部門が、患者さん個々の状態を把握しやすくなります。

 当院の診療科は、整形外科、内科、糖尿病内科、腎臓内科、消化器内科、呼吸器内科、神経内科、小児科、麻酔科、リウマチ科です。3次医療機関に転送することもありますが、大体の疾患に対応できるように医師をそろえています。

 一般病棟は急性期から回復期までを診ています。その後、在宅期になっても法人内に介護老人保健施設とグループホームがあるので、急性期から在宅期まで、シームレスに患者さんを診られる体制が整っています。サービス付高齢者向け住宅の建設も予定しています。

 今後は、要介護者への在宅医療に力を入れたいと思っていて、周囲の医療機関、介護施設と連携して、医療と介護の一体運用を目指しています。

 介護施設での急性増悪(きゅうせいぞうあく)の患者さんはすぐに受診、入院できる体制が整っています。緊急受診が必要な場合は車で迎えに行くこともあります。2次医療機関であることを生かして、患者さんのためになる医療と介護を提供したいと思っています。

 また生活リハの取り組みにも力を入れ、普段の生活の排泄、入浴、移動、食事に積極的に関与することで、助ける介護ではなく、自立を促す介護にシフトしています。そのために工夫しなければいけないこともあり、麻痺のある人がトイレで立てるように台を設置し、椅子やテーブルも各自に合う高さに調節する必要があります。

 介護士も医療のことを知らなければならず、医療従事者も介護について知る必要があるので、相互で勉強会を開催しています。

 各科の医師も看護師、リハビリスタッフ、栄養士などのスタッフを養成し、各自が自立して患者さんにより良い医療を提供したいと考えています。

 糖尿病内科、消化器内科、リウマチ、緩和ケア、感染、皮膚排泄ケアの認定看護師はすでにいます。腎臓内科は、透析の認定看護師の試験を受けている最中です。それぞれの認定看護師がチームを組み、お互いの苦手な部分を補って最高のパフォーマンスが出せるようにしています。

 最先端の設備を置くつもりはなく、運用面での世界最先端を目指しています。いろいろな職種が、セクショナリズムにとらわれることなく、各職種が連携をとり、共同で行なったものを、より評価する仕組みにしています。

―看護体制が7対1ですね。看護師確保ができているということですか。

 定時で帰宅でき、夜勤が無理な看護師は夜勤免除、産休も1年間しっかり取ることが出来るなど、退職しなくても済むように看護師のワークライフバランスを大事にしています。

―地域連携について。

 140床の病院ではかなり大きな部類の地域連携室があり、ソーシャルワーカーが9人、事務が2人います。

 ソーシャルワーカーはおもに退院調整をしています。要介護者が多いので、どんな介護サービスが必要か、どこの施設に移動するかを調整しています。また他の病院や介護施設との連携がスムーズにいくための業務も行なっています。近隣の医療機関、介護施設が患者さんにどういう対応が出来るかについてもデータベース化しています。

―職員に常々言っていることがあれば。

 「利他の心」です。自分のことだけを考えるのではなく、患者さんとその家族、地域住民、隣に座っている職員、他の部署の職員に、どのようにすると自分も他者も全員幸せになれるのかを一番に考えてくださいと言っています。


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