「治療は進歩している」 山口大学 武藤教授
北九州芸術劇場に130 人集め市民公開講座
1月26日、北九州市小倉北区の北九州芸術劇場で、乾癬の市民公開講座が開かれ、およそ130人が集まった。田辺三菱製薬㈱などが主催した。
開会のあいさつで山口大学皮膚科学の武藤正彦教授が「古代ローマ時代にも記録されている古い病気で不明な点も多いが、4年前から生物学的製剤が使えるようになり、治療が進歩している」と述べた。また閉会の際には産業医科大学医学部の中村元信教授が、患者会の入会を勧めた。
大分県立病院皮膚科の佐藤俊宏部長は「私も元乾癬患者。皮膚細胞の異常だと考えられていたが、免疫の異常も作用しているようだ。TNFαを抑えると多くの方が改善するので、強く関わっていると思われる」。
山口大学の山口道也助教は生物学的製剤の投与について「長期の使用は治療効果が低くなる可能性があるので、早期から使う方が良いと思われる。良く効く薬だが、ほかの方法で治る患者さんもいるので強く勧めるわけではない」と説明した。
パネルディスカッションは日野皮フ科医院(福津市)の日野亮介院長が司会をし、患者会の代表や現場の医師が意見を交換した。
やなぎさわ皮フ科(北九州市)の柳澤一明院長は「専門ではなくても、皮膚科医は乾癬を治療できなければならない。開業医は生物学的製剤を扱えないが、患者に正しく薦めるために学んでおくべきだ」と発言した。
久留米大学の大畑千佳准教授は「乾癬に限らず、悩む人が多いのが皮膚科外来。苦しみを和らげるためにきちんと話をすることが必要。開業の先生から生物学的製剤を薦められて大学に来る患者さんもおり、充分に話してその人に合った治療法を探している」と述べた。
写真はシンポジウムの様子。右から日野亮介日野皮フ科医院院長、大畑千佳久留米大学准教授、中村元信産業医科大学教授、佐藤俊宏大分県立病院皮膚科部長、山口道也山口大学助教、田中政博ふくおか乾癬友の会会長、添川雅之NPO法人東京乾癬の会P│PAT事務局長、柳澤一明やなぎさわ皮膚科院長。