4月から病院の名称を変更

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社会保険下関厚生病院 院長 佐々木 功典

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院長の出身は岩国。学生の頃から病理の研究室に出入りしていたらしいが、卒後は他科に移るつもりだったとか。「先輩たちに良くしてもらっていて、足が洗えませんでした」とのこと。

 (社)全国社会保険協会連合会、(財)厚生年金事業振興団、(財)船員保険会は現在、RFO(独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構)に運営を委託されている。しかしRFOは、平成23年6月に成立した「独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法の一部を改正する法律」によって、施設の整理合理化を目的とした組織から、病院などの運営を目的とするJCHO(独立行政法人地域医療機能推進機構)に改組されることになった。それにともない、下関厚生病院は今年4月から下関医療センターに名称変更する。

―「厚生病院前」はバスの本数が多く驚きました。

 幹線道路(国道191号)沿いなので、バスの本数は多いですね。今度病院の名称を変更するので、バス停の名前を変えて欲しいと、今バス会社に交渉しているところです。

―大変な時期に院長を担いましたね。

 学部長の経験はありましたが、病院長は初めての経験です。大学病院の経営に関する会議には出ていましたから、経営のむつかしさは分かっていましたが、改組・名称変更がこんなに大仕事とは思いませんでした。

 私が赴任した時すでに改組が決まっていて、院長職に慣れぬまま毎月会議に出たりしていました。最初は社会保険病院だけで集まっていましたが、後に厚生年金病院や船員保険病院の院長とも合同で会議するようになったと記憶しています。

 当時の私は全社連(全国社会保険協会連合会)という組織の仕組み自体が分かっていませんし、病院の過去も知りませんから、何が起こっているのかもよく分かりませんでしたよ。

 改組にともない「社会保険」や「厚生」といった言葉を病院名に入れてはならないことになりました。入ってなければそのままでよかったのですが、当院には2つとも入っています。それで院内で公募して、本部とも相談しながら「下関医療センター」と改めることにしました。市民に長い間親しまれた名前ですし、私も愛着が出てきたので本当は変えたくないんですけど、仕方ありません。

 私は以前盛岡で大学教授をしていたのですが、東北で「馬関(下関の古称)」と言っても、どこだか分からない人が多かったと思います。「下関」ならば日本中の人に場所が分かるだろうと思い、病院の名前に残しました。

 今後は、封筒をはじめとした印刷物も全部作り替えないといけませんから大変です。表に掲げた病院の看板も付け替えなければなりませんが、あれは高いんですよ。本当に、病院の名前を変えるのはかんたんではありません。

 当院だけでなく、57の所属病院のほとんどが名称変更をしますが、それぞれに工夫が見えて面白いですよ。

―就任後、ICUができました。

 そちらは前任の院長が準備をされていたので、楽でした。4床できたのですが、重症患者に対応できるようになったことは、地域にとっても良いことです。

 当院は315床と特別大きな病院ではありませんが、交通アクセスの良さもあって市民には頼られています。脳卒中ならば当院で診てもらいたいという市民は多いと思いますし、消化器の内科・外科は医師の人数をそろえており、肝臓病センターを立ち上げています。

 医療体制を整え維持することは、院長として重要な仕事です。看護師が確保できたのでICUを始められましたが、人員はまだ十分ではありません。余裕を持って働ける環境を作りたいんです。医師も看護師も、もっと確保したいと考えています。

 当院には、夜間に対応した保育所や、寮が有ります。アメニティは良いですよ。私も今は寮で一人暮らしをしていますが、なかなか快適です。この寮を建てたのも前任の院長です。

―山口大学の関連病院と聞きました。

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玄関ロビーには「鬼手佛心」と、迫力ある額が飾られている。前下関芸術文化懇話会会長竹野和堂氏の作品。

 当院の医師はほとんどが山口大学の出身です。

 私は今まで大学教授で、派遣を頼まれる側でしたが、頼む側になってしまいました。医局側の苦しい事情が良く分かっているだけに、強く言えないところがつらいところです。大学からは良く支援していただいているな、とは思いますが、もっと人が欲しいというのが本音です。

 眼科の患者は多いので、来期から医師を増やします。医師が増えることによって、患者さんがもっと増えるのではないかと考えています。

 まだ人数の足りない科もありますから、そういう科の先生には積極的にアプローチしていきます。

―専門は病理ですね。

 当院の病理診断科には、瀬戸口美保子部長という優秀な専門医がいますので、私は院長職に集中ができます。

 病理科は患者さんを持ちませんが、他科と接触する機会の多い科です。病院全体が見える医師が育ちやすいと思います。また、病理の情報がないと治療ができないのと同様に、臨床の情報がないと病理も正確な診断ができませんから、コミュニケーションも上手くなります。

 最近は病理科出身の院長も増えてきましたが、私が若い頃はなかなかいらっしゃいませんでした。私もまさか、自分が院長になろうとは思わなかったですね。

 最近では院長職が忙しく、学会にもほとんど顔を出していません。

 日本サイトメトリー学会は理事長をしていますので、行事があれば行かないわけにはいきませんが、早く次の理事長を見つけたいなと考えております。

―今後の展望は。

 私は癌の研究をやってきましたが、今は下関市役所と一緒になって、乳癌になる人を予測する研究をしています。世界を見渡しても、我々が最初ではないでしょうか。大学や下関の保健所、金融機関に協力してもらい、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)からも研究費が出ています。

 予測がある程度可能になれば、健診への関心も高まると思います。健診を受ける人が増えれば、治せる癌が増えます。癌にならないことは難しいですが、早期に発見できれば治るわけです。

 当院で乳癌を診るのは女医です。検査技師もみんな女性です。女性が受診しやすい環境を作っています。下関を「乳癌で死なない町」にしたい。それが、今の私の目標です。


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