新進医療機器を導入・救急に対応

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社会医療法人真泉会 今治第一病院     曽我部 仁史

1976 徳島大学卒 同大学医学部附属病院第2外科入局 1983 愛媛大学附属病院第1外科助手 1986 真泉会第一病院勤務1990 医療法人真泉会理事長 2009 社会医療法人真泉会理事長 2012 徳島大学医学部臨床教授

■役職=今治市医師会理事 徳島大学医学部臨床教授(心臓血管外科学) 愛媛大学医学部非常勤講師(外科学:教育協力者) 中四国外科学会評議員 医療法人大西クリニック理事長 複合型福祉施設オリーブ代表者

■所属学会=日本血管外科学会 日本脈管学会 日本心臓外科学会 日本外科学会 日本消化器外科学会 日本胸部外科学会

日本心臓外科専門医 日本消化器外科指導医 外科専門医

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取材中に急患があったが、理事長の的確な指示で患者の病状は落ち着き、無事に再開した。このようなことは日常茶飯事だという。

 法人内の基幹病院である今治第一病院では、平成23年の12月に新棟がオープン。CT、MRI、血管撮影装置などの新進医療機器を導入するだけでなく、光が差し込む明るい病棟やリハビリテーションフロアに整備した空中庭園など、さまざまなアイデアを盛り込んだ。理事長はその設計を行いながら、心臓血管外科の最前線で活躍。ユーモアあふれる人格でスタッフと患者に細やかな配慮を忘れない。

 今治第一病院は外科を中心とした病院で、救急診療を始めたことにより社会医療法人となりました。もともと私が心臓血管外科を専門としていたこともあり、この病院に勤務し始めたころから急患を診ていたのです。

 私が法人の理事長に就任した当時は建物が古く、病床数は60床。それから少しずつ改修を重ねていきました。外科医にとって最も大切な手術室はとても古かった。環境は整っていませんでした。心臓の手術ができる病院は、私が当院に当来るまで今治市内にはありませんでしたので、仕方ありません。

 当時常勤の外科医は私を含めて二人だけ。重症患者を二人で診ていたので忙しかった。それで大学の後輩に声をかけ、来てくれたのが現在の藤田博院長です。

 それから少しずつ外科医が集まり、私も責任を感じましてね。来てくれたみんなのために頑張ろうと思いました。環境が整わない手術室で、よく頑張ってくれたと思います。当時は「手術室が手術するんじゃない。医者が手術するんだ」と言って、医師たちを励ましていましたけれど。

 今は医師不足が叫ばれていて、とくに外科医が不足しています。私が医師になりたてのころは、手術のできる外科医がヒーローでした。自分の技術で亡くなりかけた人の命が助かるなんて、外科医の役得だと思いますよ。若い医師には、ぜひとも外科医を目指していただきたいと思います。

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平成23 年12 月に全館開業した今治第一病院。

 かくいう私も、もともとは医者ではなく建築家になりたかったのです。法隆寺のような、後世に残る建物を建てたかった。だけど父に「それは甘い」と言われましてね。医療と関係はありませんでしたが、実家は商売をしていましたから、父は現実的でした。それで、医学の道に進むことにしたのです。

 しかし新病院を建てるのを機に、ようやく建築に携わることができました。とてもうれしくて、毎日仕事が終わると、ああしようこうしようと病院の設計のことばかり考えていました。とにかく明るい空間、患者やスタッフにとって居心地のよい空間をつくろうと考えました。

 まず、車寄せから玄関までの通路に屋根をつけて、雨の日でもタクシーを降りてから病院に入る間に濡れずに済むようになりました。1階ロビーの総合受付は、アールを採用してまるでホテルのロビーのような空間にしています。待合スペースの椅子も、わざと統一せずに明るいカラーで目を楽しませています。

 4階に設けたリハビリテーションフロアには、空中庭園を併設しました。ここで、花や野菜を育てたり、しまなみ海道を眺めたりできます。もちろん、転倒してはいけないので、地面はコンクリートではなく、やわらかいゴム材を使用しました。

 他にもたくさん工夫しています。これらは主に私の発案ですが、長年病院で働いてきたからこそ湧いてきたアイデアだと思います。スタッフが気持ちよく働ける環境であれば、患者も気持ちよくいられますからね。

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手術中の理事長

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福利厚生は充実しており、今治第一病院の職員食堂は無料。サラダバーが人気だという。

 その意味では、スタッフの福利厚生も充実しています。食堂は無料で、サラダ・スープ・ドリンクなどが女性に喜ばれています。先生を呼んでフラワーアレンジメントや英会話の教室も開催しています。1泊や日帰りでスタッフ旅行も催行しています。

 これらの企画は、私が発案して事務長に実行してもらっています。スタッフを楽しませようというよりも、まずは自分が楽しめることを考える。すると他のスタッフも楽しめる。私はいつも、気がついたらどうしたら楽しめるかを考えています。

 年末には、病院の正面駐車場で私が発案したイルミネーションを点灯しました。入院患者のみなさんも、点灯時間を楽しんでくれました。また次の企画もわくわくしながら考えています。

 理事長だからといって特別なことはなく、他の外科医と同じような仕事をしています。フレキシブルに動ける立場でもあるので、若い外科医のフォローをすることもありますよ。私がスタッフのフォローをすることで、病院がうまく回ればいいと考えています。

 趣味は手術とゴルフです。ゴルフは、天候や芝生の状態などいろいろな環境下で感情を抑えて進めていくスポーツです。手術は、人の体ですから術中にいろいろなことが起こります。けれど、冷静に軌道修正しながら解決していく。その筋道を立てる考え方は、相通じるものがあります。どちらも奥が深く、やればやるほど究めたくなります。(聞き手=山下亜希子)


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