あけぼの福岡代表 深野百合子
新年おめでとうございます。
乳がん患者会「あけぼの会」は、全国に会員が3千名、昨年35周年を迎えました。
インターネットに氾濫している情報が瞬時に入手できる中、どこの患者会も会員数は年々減少傾向にあると聞いています。しかし体験者と会って話がしたいとの思いは今も昔も変わりません。病院や家庭で話せないような悩みを心置きなく話せる所、集う場が「あけぼのハウス」(いわゆるがんサロン)です。2010年5月より、毎月第一日曜日に福岡市市民福祉プラザを借りて開催しております。
がん患者さんの闘病は年末年始もありません。かえって病院がお休みなので不安な日々です。現に、在宅で終末期を闘っていらした仲間が亡くなり、がん性疼痛で眠れない、うつで悩んでいる人などの相談電話が次々ありました。年賀状やメールでも窮状の訴えが多く、患者会の責任の重さを痛感しております。
そういう人のために、乳がんだけでなく、どの部位のがん患者でも、誰もがいつでも利用できる「常設のがんサロン」が欲しい。そのボランティア確保のために「ピアサポーター養成講座」が必要。検診率を上げてがんを早期発見するには子供の時から「がん教育」が必要。治療費、就労など経済的な問題、終末期の緩和ケア、在宅介護をどうするかなど問題が山積みです。
こういう問題は、社会全体で取り組まなければいけないと思います。がん対策基本法の施行により、がん対策推進計画が進んでいますが、まだまだがん患者が実感するには程遠いものがあります。今や二人に一人はがんになる時代、どうすればがんになっても安心して暮らせる社会なるかを、みんなで真剣に考え、知恵を出し合って取り組む必要があると考えます。
あけぼの会ではピンクリボンに三つの祈りを込めて活動しています。
「乳がんで治療中のあなたに愛と勇気をおくるために」「乳がんで亡くなったあなたを忘れないために」「乳がんの早期発見が大事なことをあなたに知ってもらうために」
今年は、私たちで今できること、闘病中の方やご家族の「心を救う活動」に力を入れたいと思っております。
そして、乳がんになっても「再び誇り高く美しく」堂々と胸を張って生きいると言えるようになりたい!