有吉強の旅日記 【壱岐のバスですから】

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 壱岐でバスに乗った時のこと。

 市民病院前でバスが止まった時、ちょっとしたハプニングが起きた。

 バスが発車しようとした時、老婆がバスに向かって歩いて来るのが判った。

 運転手はマイクを使い、「乗るとね? 芦部方面ばい」。

 老婆は手を挙げて乗る素振り。バスの乗車口にたどり着くまで約3分かかった。

 そして乗車に手間取り、あげく、手にしたアラレの袋から、半分近くを床にばらまいた。

 それを律儀に拾おうとする老婆。発車時刻からすでに10分が過ぎている。

 運転手は「ばあちゃん、よかけん早う座らんね」。

 優しく云いながら、後部に備え付けてあった箒とチリトリでアラレを拾う。

 バスが動き始めた。
「どこまで行くとね」
「○○まで」
「○○は止まらんよ。家はどこね?」
「△△だ」
「なら、一番近いとこに止めるから。家までわかるね?」
「ああ、わかる」
本来バス停でない場所で老婆を下すと運転手は、老婆の姿が見えなくなるまで、何度もバックミラーで確認していた。

 私が下車する時、「どうもご迷惑をおかけしました」と運転手。

 「いいえ、何かホノボノとしました」。そう答える私に運転手が言った。

 「壱岐のバスですから」。


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