◎『お』は要らない
客を案内する『お二階へどうぞ』で、『お』は要るか要らないか。
答えから言えば、要らない。お三階、お四階、お五階とは言わないからである。敬意を表したければ「二階へお上がりください」でいい。
次は読み間違いの多い言葉。貼付は、てんぷではなく、ちょうふが正解。同様に依存心=いそんしん。間髪をいれず=かんはつをいれず。漸く=ようやく。早急=さっきゅう。的を射る=まとをいる。威丈高=いたけだか。出生率=しゅっしょうりつと読む。でもみんなが間違えば、正しい方が間違いになる。(綾部)
◎同じ速度で歩く
駅や病院の下り階段で、体の不自由なお年寄りが懸命に歩行している時、よろけた時に補助するために、そばを同じ速度で歩くことは、常識です。大事なのは、自分の存在をお年寄りに気付かれないようにすること。「大丈夫ですか」の声掛けは、「あなたにはハンデがありますよ」と念押ししているのと同じです。不幸ではなく、ただ不便なだけですから、単なる歩行者として、お年寄りと同じ速度で歩いているに過ぎないんですよね。それがやさしさというものです。弱くて柔らかな命へのやさしさ。(川本)
◎中四国地方のサッカー
姉妹紙の中四国医事新報では今月号で、マツダ㈱マツダ病院の奥平信義院長を取材した。奥平院長は、サッカーJ1のサンフレッチェ広島でチームドクターを務めている。そのサンフレッチェが12月7日に逆転優勝し、リーグ連覇を達成した。連覇はリーグ史上4チーム目だという。気にしてサッカーの話題を追っていると、翌日徳島ヴォルティスがJ1に、香川のカマタマーレ讃岐がJ2に、それぞれ昇格した。中四国ではサッカーが元気なようだが、中四国医事新報も活躍したいものである。来年は飛躍の年にしたい。(平増)
◎鉄砲小路
熊本県菊池郡菊陽町にある菊陽病院を取材した折り、鉄砲小路という通りが近くにあるのを知った=写真。江戸初期の寛永十二年(1635年)正月に、時の藩主細川忠利の名により創設された他に類を見ない大規模な地筒(地鉄砲)の集落で、非常の場合に備えての軍備の強化と未開拓地の開拓が目的だったという。全長約4㎞の通りには今も整然と家屋や納屋が並び、生垣はきれいに剪定されて、かつての武家屋敷の面影が色濃く残っている。平成元年には、第1回くまもと景観賞を受賞し、くまもとアートポリス選定既存建造物にも指定されている。毎年、この通りでは、正月の時期になると各家で日の丸が掲揚されるという。記者の幼少のころ、福岡でも多くの家の玄関先に日の丸が掲揚されていたのを思い出した。(新貝)