九州大学病院 久保千春病院長が来春退官

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大きな改革やりとげた6年

1948 生まれ。 九州大学医学部卒。1973~75九大医学部心療内科研修医、1982~84 米国オクラホマ医学研究所、1993 九州大学医学部心療内科教授などを経て九州大学病院長。

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11月22日、院長室で当紙の質問に答える久保病院長

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9月28日、北九州市で開催された県民公開講座に福岡県病院協会会長の立場で座長を務めた時の様子

 左上の写真は11月22日、院長室で当紙の質問に答える久保病院長。撮影=新貝。左下は9月28日、北九州市で開催された県民公開講座に福岡県病院協会会長の立場で座長を務めた時の様子。撮影=平増。

 九州大学病院のホームページによると今年2月に「小児がん拠点病院」に指定され、5月には大学病院初の「小児救命救急センター」を開設、9月にサイクロトロン棟が完成、MRIも増設されるなど、がん診療の充実化が進んだ。昨年は最新の手術用ロボット、ダ・ヴィンチSも導入した。

 研究面では文部科学省の「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」と厚生労働省の「臨床研究中核病院整備事業」の2事業を推進、教育面でも、優れた技術を持つ医療人としての医師、メディカルスタッフを育成、輩出するため、卒前・卒後研修を充実させ、チーム医療の推進事業、周産期医療に関わる専門人材の育成、看護師の実践力を養う事業にも力を注いだ。

 国立大学附属病院長会議の「将来像実現化行動計画2013」で「国際化」の世話役を務め、九大病院のアジア遠隔医療開発センターでは、「高品質動画による次世代遠隔医療システムの技術開発・実証事業」を実施、44カ国270施設と接続しているという。

 久保病院長は、「院長就任以来、各診療科や部門とのヒアリング、診療現場の巡回を続けながら、体制・組織の改善に努めた。今年3月には市営地下鉄地下通路の延伸が完成し、病院への利便性が増した。経営面、運営面の強化も含め、病院理念『患者さんに満足され、医療人も満足する医療の提供ができる病院』を柱に、未来につなげていきたい」と話している。

ホームページに「6年目の集大成」とあります。

 卒業以来40年間、九大の研究室や九大病院にいて、病院長を4年勤め、その後2年再任しての2期目ということで、来年の3月に任期満了となります。大学は発展していく必要がありますので、新しい人にバトンタッチしなければいけません。私の中でも区切りになります。

 その後の予定は決まっていませんが、何らかの形で医療に関わると思います。

―学会や公開講座など多忙な6年だったと思います。

 診療、教育、研究、運営、医師会、行政関係などからものすごく多くの仕事や情報が入ります。それ以外に私の場合、心身医学会関連の学会活動で国際心身医学会の会長を2年間務めていましたし、アジア心身医学会、日本心身医学会の理事長も務めています。九大病院の市民公開講座などもあり、多忙な毎日でしたが、充実していました。

―今の高齢者社会の医療をどうお考えですか?

 九大病院の役割は、3次の医療機関として高度先進医療を行うこと、教育機関として良き医療人を育てること、そして研究があります。

 少子高齢化に対して医療はどうあるべきか。特に終末期医療に関して、私は基本的に寿(ことぶき)の命、Quality of Lifeを延ばすべきだと思うし、緩和ケアにも主眼を置いていくべきで、単なる生物学的な延命治療だけではいけないと思います。そういう面では、胃ろうなどを作るのは最近見直されてきています。終末期医療、急性期、亜急性期医療をどう考えていくかという議論について、患者さんの希望に沿うことが大前提だと思うし、それができない時は、ご家族の意見を尊重するべきだと思います。

―本人の意識がない時、家族に任せるのか第三者機関がいいかの論議があります。

 それは両方が必要だと思います。家族には家族の都合もあると思うので、本人がどう望んでいるかを、第三者機関も含めて委員会で知恵を出し合っていくというのが私どもの方針です。

 たとえば本人が「早く死なせてくれ」と言ったとしても、家族に遠慮している場合もありますから、その辺は微妙な判断になります。

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平成25年8月31日、九大囲碁部OB の人たちと合宿(九重にある九大山の家にて=前列左から3人目)

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―医者を志す人たちにアドバイスをお願いします。

 よき医療人となることが一つです。サイエンスをベースにして、ヒューマニティを持った医療人になってもらいたい。

 よき医療人になるためには患者に優しく接すること、そして同時に、たえず進歩していく医学を身につける。サイエンスをベースにしたヒューマニティを持つことです。

もう一つは、国際的な視野を持った医療人になってもらいたい。その面では海外でいろいろな体験を積むということも大事だと思います。

―日本の医療のレベルは。

 世界的に上位にランクされていると思います。

 明治期は外国の知識を吸収しようという立場でしたが、現在はかなりのレベルに達しています。医療制度のレベルも高く、国民皆保険制度もあります。アメリカは医学がものすごく進歩していますが、医療制度そのものはまだまだだと思います。だからあれだけ医学が発達しているのに、国民の寿命そのものは延びてないですね。

―今の仕事を通じて見えたものは何でしょう。

 いろいろな方とお会いし、話をしています。社会制度や医療経済などについて考える機会が多くあります。また、個人的には、感動することがたくさんありました。

 「昨日のことは悔やまず、明日のことは憂えず、今ここを大切に」という言葉を大事にしています。あるいは「主観を磨いて客観で判断する物差しを持つ」。感覚を鋭くし、アンテナを張って学びの姿勢で新しいことを吸収していきたいです。

―多忙な中で奥様との時間は貴重ですね。

 平日は対話の時間が少ないですね。ただ国際学会に行く時は一緒に行ってサービスしています。家でもストレスフルだと大変ですから(笑)。

 私のすることはほぼ自由にさせてくれます。妻の方が社会性があって、いつも違う視点から見ているので気付かされることも多いです。

 私があまりにも人の言うことを、感心したり、すぐ信じるほうですから、違う観点から指摘される方がいいですね。

 しかし人の言うことを素直に信じてきて、裏切られたことはほとんどありませんから、周りの人たちに恵まれていると感じます。

 心療内科で、さまざまな人たちを見てきたことがトレーニングになったのかもしれません。

―ご自身の健康管理は。

 筋弛緩法、ストレッチ、呼吸法、健康器具などいろいろと試していますが、なかなか長続きしないですね(笑)。それから、長寿遺伝子を活性化させるといわれる、赤ワインに含まれるレスベラトロールやヨーグルトなどを飲んでいます。


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