秋めいた夜に焼酎を飲みながら、つらつら考えた。焼酎王国九州にはどんな焼酎があるのかを。
たとえば、ウイスキーといえばスコッチ、バーボン。ワインといえばボルドー、シャンパーニュ、シャブリ。ブランデーといえばコニャック、アルマニャック。
酒の種類を聞けば、誰もがすぐに、その代表的な産地を連想することができるだろう。
実は、これらの産地は「地理的表示」の産地指定を受けている。
ここ九州にも「地理的表示」の認定を受けている土地が四つもあるとか。熊本県の球磨焼酎、沖縄県の琉球泡盛、鹿児島県の薩摩焼酎、そして長崎県の壱岐焼酎だ。愛飲の壱岐焼酎が入っていることがうれしく、ついついピッチがあがった。
壱岐の焼酎は米麹3分の1に対して大麦3分の2を使用する独特の製法で作られ、麦の香りと米麹による天然の甘さが特徴となっている。
壱岐では16世紀頃から焼酎づくりが始まったとされ「麦焼酎発祥の地」とも云われている。
そんなことを考えながら飲む焼酎はいつもより美味しく感じられる。いかん、早く眠ないと、明日も仕事だ。(有吉つよし)