手の外科として専門性に特化しつつ幅広い診療科目にも対応した病院

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医療法人伴帥会 理事長 貝田英二

1972 横浜市立大学卒 長崎大学医学部整形外科入局 1978 広島大学医学部国内留学 1981 フランスナンシー大学手の外科マイクロサージャリー研修留学 1983 長崎大学医学部整形外科講師 1984 国立病院機構長崎医療センター手の外科センター医長 1987 愛野記念病院副院長 1991 同院長 2010 医療法人伴帥会理事長■日本整形外科学会認定専門医 日本手の外科学会評議員 長崎手の外科研究会代表 九州手の外科研究会世話人 九州マイクロサージャリー研究会世話人 第8回九州手の外科研究会会長(長崎市)

 雲仙市、島原鉄道愛野駅を降りると、一際目立つ愛野記念病院が見える。全面ガラス張りで天井も高い。南に雲仙岳、北に多良岳を眺めることができる。1階の外来フロアや病棟の廊下は広く開放的だが、患者が使わない通路は、理事長室の前であっても狭い。狭い面積でどうアメニティを確保するかという見本のような建物だ。平成20年からDPC対象病院。個人病院としては、かなり早い方である。

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 長崎県には「記念」と付く病院が3つありますが、当院が最も古いんですよ。大正8年に開業し、その60年後に病院にした際、開院の還暦を祝って愛野記念病院としました。

 昭和54年に50床の老人病院としてスタートしています。昭和62年に私が着任し、新たに50床の一般病床を増床、その後環境の変化や地域の皆様のニーズにお応えする形で増床を続けることが出来、建て替え前までに260床ケアミックス病床を設けるまでになりました。

 そして旧病院の建築後30年が経過したため、耐震化目的もあり病院の新築を決定致しました。新病院は昨年7月に完成致しました。7階建ての鉄筋コンクリート製ですが、設計者のセンスが良かったと思います。外から見ても内にいても病院にいることを忘れるような感覚が感じられる良いデザインです。病床数は旧病院から1割減の234床で、延べ床面積は4千坪と以前に比べおよそ5割増しですがその分病室を出来るだけ広く作りました。また旧病院は手術室やリハビリ室が不十分でしたから、是非拡充させようと考えていました。手術室は2室から4室に増やしていますし、手術室だけではなく廊下や中材も拡張しております。手術室の前にある当直室は、内科用と外科用の2室で良いかなと考えていましたが夜間体制の充実も考えて3室作りました。実際には管理当直を置く日もあるので3室作っておいてよかったと思います。外来では救急処置室を拡張し、診察室も16室作りました。医療機器にも力を入れ、1・5MRI、X線CT(MIDCT80列)など各診療科からの依頼に対して、より精度の高い細やかな診断画像の提供が可能となっております。病棟に目を向けますと、診療科目が増えたことや多くの救急に対応できるようそれまで4床だったHCUを8床に増やしました。これは病院が形を変えていく中でHCUの必要性がこれまで以上に高まった結果だと考えております。

 新病院は内科・外科・整形外科を中心として、規模は小さくとも質の高い医療を提供し、地域のニーズに応える「コンパクト・ハイ・クオリティ・ホスピタル」を目指しております。その一環として平成25年8月に「手外科センター」を開設しました。宮﨑医師をセンター長とし、これまで培ってきた手外科に関する専門性を生かし臨床・研究の両面において更なる発展を期待しています。また脊椎系の症例が増加しており、中村・冨田医師を中心に週4例の手術がコンスタントに行えるよう環境整備を進めております。

 また当院では県下に先駆けてNST(栄養サポートチーム)を導入し、成果も上がっています。学会にも報告を行い評価され、認定をされています。チーム医療に関しては医師が頑張るだけでは出来ないものですし、パラメディカルの皆さんが良くやってくれていると思っています。職員数や患者数などこの病院の規模自体がNSTをはじめとしたチーム医療を行なうのにまとまりやすいサイズなのかもしれませんね。

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 整形外科は手足脊椎と広い範囲を診る診療科で、そこが当時の私には魅力でした。しかし今では特に手のマイクロサージャリーを専門に診るようになりましたから結局守備範囲は狭くなってしまいました。しかしその分、手の外科に関しては高い専門性のある病院になったと考えています。切断指の再接着術では90%以上の接着率を誇っています。また「ハンドセラピスト」という手専門の作業療法士が6名在籍し、全国でも高いレベルのリハビリテーションを行っています。当院は日本ハンドセラピィ学会認定臨床研修施設でもあります。

 当院の整形外科医は現在8名です。うち常勤は6名で他に形成外科医も1名います。整形外科の手術は年間2千件ほどです。手の専門医は2名いますが、手の整形外科は専門家が少なく、1つの病院に2名在籍している病院は九州では珍しいと思います。また当院は日本整形外科学会認定研修病院・日本手の外科学会手の外科研修施設でもあり、去年までは京都大学から医師になって10年の先生が研修に来ており専門医になって帰りました。その他、日本リウマチ学会教育認定施設でもあります。

 マイクロサージャリーは私の年代から流行(はや)り始めました。切断指の再接着術や、遊離皮弁、組織移植などを主に行います。私自身は目が良いのですが、仮に悪くなっても続けられるので良い分野ですよ。学会に行けばまだ大先輩が現役ですから、僕も簡単には退けませんね。

 実父は眼科の開業医で手術が得意でした。私も父の血を継いでるんだなと今になって思うことがあります。母の家も300年続いた医師の家系で島原半島にありますから、僕の島原半島への思いは大きいですね。そういった意味でもこの病院には医療だけでなく、雇用や経済の面など様々な形で地域に貢献し、満足してもらえる病院でありたいですね。


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