社会医療法人社団熊本丸田会 熊本リハビリテーション病院 院長 古閑 博明
日本リハビリテーション医学会専門医 日本整形外科学会認定医 日本リハビリテーション医学会認定臨床医 菊池郡市医師会副会長 菊池郡市医師会立看護高等専修学校学校長 熊本県地域リハビリテーショ支援センター 運営委員長 菊池地域リハビリテーション広域支援センターセンター長 回復・維持期リハを考える会代表世話人 熊本県高次脳機能障害検討委員会副委員長 脳血管疾患の障害を考える会世話人 熊本リハビリテーション研究会世話人 熊本県回復期リハビリテーション研究会世話人
当院は昭和49年にでき、以前は理学診療科病院という名前でした。昭和61年から今の名前になります。「急性期病院のベッドは空けておかないと救急車が困る」ということで、当院は急性期の病院の受け入れ先としての役割があります。
熊本は全国的に急性期病院の入院期間が短い地域で、当院は連絡があって1週間以内には転院を受け入れています。そうしていると、いろんな病気をあわせ持った患者さんに対応するため、内科をはじめ診療科も徐々に増えていきました。
脳卒中も診るので脳外科もあります。泌尿器科もどうしても必要ですから、熊大から週に1回来てもらっています。
私が来た平成の初めは6人しか医師がいませんでしたが、今は放射線科、麻酔科も常勤しています。
整形外科4名。リハビリ科5名。内科5名、脳外科2名、形成外科2名、麻酔科2名、放射線科1名、歯科1名。整形外科医を補強しなければいけません。歯科は医師だけではなく、歯科衛生士もいて、入院患者さん全員の口腔内チェックもしています。
HACCPに基づく食品管理や真空調理にも力をいれています。チルド庫内には常時2千400食分の食料と、個別対応の食事を保存しており、急な依頼にも対応できます。今後外来患者や見舞客のためにレストランを開く予定もあります。
―整形外科中心の病院だと思っていました。
脳卒中も診ます。脳梗塞や脳出血を起こされた方の救急やリハビリの病院という側面も強く、PT、OT、STは合わせて100人以上います。
当院はリハビリテーションの病院ですが、225床全部が一般病床です。10対1看護の一般病床を2病棟95床と、40床の亜急性病床、回復期2病棟90床です。検査機器も3.0テスラのMRIや64列のCTを入れていますし、検体検査や胃カメラなども出来ます。
―リハビリテーション医ですね、院長は。
熊大の整形外科出身で、途中からリハ医に転向しました。水俣市の湯之児病院は、全国で最初の公立のリハセンターですが、そこに研修に行ったのがきっかけです。治療をしても障害が残る人がいて、在宅準備の必要性を強く感じ、それならリハ医になろうかと思って移りました。当院に来るまでは整形をしたりリハをしたりと、両方を診ていましたが、気持ちはリハ側にありました。
―法人内では一番病床数が多いですね。
熊本丸田会はほかにも病院や診療所などを持っていて、老健施設サンライズヒルは当院と隣接しています。
熊本整形外科病院は204床、サンライズヒルが85床、南郷谷整形外科は19床です。また、法人全体として在宅ケアに力を入れており、平成13年に在宅ケアセンターを作りました。ケースワーカーや、訪問看護ステーションなどで構成され、合計51人で組織しています。その中に属する訪問リハ部は、院内の経験豊富なPT9人、OT7人、ST2人が専従でいます。
在宅に帰すことを目的に治療していますから、当院を退院された方のケアも大切にしています。
さらに法人内のケアマネージャーや患者さんの家族と相談して、家屋内の不便な部分を改造することもやっています。天草や人吉など、当院から遠方にお住まいの方を訪問することもあります。
在宅の患者さんに何かあった時は当院だけでなく開業医の先生のお力もお借りしています。今整形外科医の人数が足りないので、外来も入院もたくさんは診れないというのがあります。
私自身も、週2回の外来および入院患者さんも持っています。
―お忙しいですね。
また、院外の活動として、菊池郡市医師会の副会長と、医師会立看護高等専修学校の校長をしています。校長の仕事は入学式や戴帽式、卒業式があったり、高校の先生とお話をしたり、生徒指導をすることもあります。
―熊本リハビリテーション病院も実習先ですか。
看護学校の学生は当院では実習していませんが、リハビリ部では色々なリハビリテーション学校の生徒が実習に来ます。毎年リハスタッフは募集し、たくさん応募があります。例年20人くらいを採用します。
訪問リハの需要が年ごとに高まっていて、経験豊富なスタッフはそちらにローテーションで回していますから、増やさないといけません。
―趣味は。
以前はゴルフをやっていましたが、しなくなった10年前くらいから、エレクトーンやピアノを習いだし、子供たちと一緒に発表会に出ています。自宅にはピアノとエレクトーンがあります。エレクトーンは演奏に足も使うので難しいですね。
音楽を始めたのがきっかけで、病院にミュージシャンを呼ぶようになりました。ボストンで弾いていた方もこの前来ました。各地のミュージシャンが、熊本に来た際に弾いてくれるようになりました。