「頼まれたら逃げるな」の言葉

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産業医科大学若松病院 病院長  産業医科大学医学部麻酔科学 教授  佐多 竹良

■1976 九州大学医学部を卒業し、九州大学医学部附属病院麻酔科研修、福岡こども病院麻酔科を経て、1984 米国オクラホマ大学内科研究員、1989 九州大学医学部講師、1990 産業医科大学助教授、2003 産業医科大学麻酔科学教授、2011 年産業医科大学若松病院長を併任。
■専門分野は重症患者管理。日本麻酔科学会指導医・専門医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医。

 JR若松駅で降り、若戸大橋の下を徒歩でくぐっておよそ15分。産業医科大学若松病院の正面玄関にちょうど市営バスが停まるところだった。これは利用者に便利だろうと思い、佐多病院長にそう言ったら、病院長らの陳情で昨年からルートができたらしい。

基礎を作るのが私の仕事

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産業医科大学若松病院 病院長  産業医科大学医学部麻酔科学 教授  佐多 竹良

 産業医科大学若松病院は平成23年の4月から新規開院となったわけですが、建物自体は平成15年に北九州市立若松病院として、駅の近くからここに新築移転して来たんですよ。

 明治24年に遠賀郡立若松分院として開設された歴史があり、北九州市若松区内唯一の総合的な病院として、長い間地域医療を支えて来ました。

 平成22年に、地域医療の維持と会計の収支改善が図られることを条件に、産業医科大学に譲渡することになり、私に病院長の白羽の矢が立ちました。

 私が医者になった時、九州大学麻酔科初代教授の古川哲二先生(のちに佐賀医科大学初代学長)が「頼まれたことから逃げるな」と言われていました。当時は大学紛争などもあって大変だったはずです。そのことを思い出し、苦労の中に得るものもあるだろうと思って引き受けたんです。自分から手を挙げたわけじゃないですけど。

 経営的にはまだ赤字ですが、徐々に入院や外来が増えてきました。

 手術をする診療科は、最初は消化器外科と整形外科、眼科でしたが、4月から産婦人科が主に骨盤臓器脱の手術を始めました。耳鼻咽喉科も常勤を1人配置して、9月には手術の予定があります。23年度に780件くらいだった手術件数が24年度は840件くらいになり、今年度は1千件を越えそうです。それで収支の状況はだいぶ改善してきていますが、まだ黒字になるところまではいっていません。

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上の写真3枚は看護部提供

 大学の付属病院ですから医師の確保に苦労はないですが、大学と同じ治療ができるわけじゃない。機能分担も考えながら、高いレベルの医療を提供したいと思います。

 病院長の任期は3年で、あと半年あります。まずは基礎を作るのが私の仕事で、当初目標の7割くらいは達成したでしょうか。まだ常勤医をそろえたい診療科があるんです。そこが備わればフル装備となります。後任はまだ決まっていませんが、引き継ぐ課題もだいぶ残っています。

 出身は鹿児島で、父は先の大戦で復員して、司法書士や土地家屋調査士のような仕事をしていました。先日母が亡くなって、父の軍隊手帳がでてきたんです(現物を記者に見せる)。

 私は最初から医者を目指していたわけじゃなく、当時は建築や工学が脚光を浴びていた時代です。でも兄がその方面に進んだので、医者の道を選んだわけです。すごく強い意志があったわけじゃありません。

 若い人に助言するとすれば、患者さんに真摯に向き合えと言いたいですね。どんな患者にも自分と同じように家族があり、人生もあるのだという見方です。しかしそこがなかなか難しい。つい驕りが出て、普通に接することのできない医者がいます。

 もちろん医療はたえず進歩していますから、勉強を続けるのは当然です。過去に正しくて今は否定されていることはいっぱいあるわけです。こんな偉そうなことを言うのは苦手なんですけどね。

 医師の道を歩んで感じていることは、先ほども言いましたが「頼まれたことから逃げない」という当たり前のことです。その時々のやるべきことを、責任を持って果たしていくことが大切です。

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産業医科大学若松病院正面入口

 趣味は囲碁を中学校のころ覚えて、最近はインターネットで対戦相手を探して対局しています。そういったサイトがあるんですよ。

 読書も好きですね。気に入った作家が見つかれば全作を読むというような読み方で、日本人なら司馬遼太郎、塩野七生、高校の時は夏目漱石を読みました。外国なら、映画ジュラシックパークの原作者で医者でもあるマイケル・クライトンはほとんど読みましたし、ロビン・クックという小説家も医者ですが、最新の1冊を除いてほかは全部読んでいます。歴史物やサイエンス小説は面白いですね。

 最近はジャレド・ダイアモンドという学者の書いたものが面白いです。

佐多院長推薦「ローマ人の物語」

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【記者の目】
「機会があれば読んでみたらいい」と言われた本。

 塩野七生著「ローマ人の物語1=ローマは一日にしてならず(上)」新潮文庫。若松駅近くの古本屋で見つけた。まるで記者が手に取るのを待っていたようだった。

 何ページかを立ち読みしてみたら「キリッと感」のある文体で、迷わず買い求めた。ほかにも宮沢賢治著「注文の多い料理店」も買った。(川本)


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