第8回小児救急医療ワークショップ in 北九州

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8月24、25日、北九州市小倉北区のAIMで

 8月24日と25日の2日間、北九州市小倉北区のAIM(アジア太平洋インポートマート)で、小児救 急医療ワークショップ in 北九州が開かれる。座長は北九州市立八幡病院の市川光太郎院長(写真)。

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写真は取材に応じる市川座長。北九州市立八幡病院の院長室で撮影。後ろにはクラシックのCDが並んでいるが、実は演歌の方が好きとのこと。今は院長室で、メダカと金魚を鉢で飼っている。水俣市出身。

 このワークショップは平成18年に市川座長の発案で開催され、以来、北九州市保健福祉局保健医療部保健医療課(以後北九州市保健医療課)の主催で毎年開催されており、今回で8回目。

 北九州市が進める「小児医療先進都市づくり会議」の一環として、小児救急に携わる医師・研修医や保健看護職を対象に開かれており、座学と実践的な演習の二部構成。

 第1回からトリアージを重大なテーマとしているが、今回は院内の急変対応も重視する。

 事前予約が必要で、今回の参加者は260人ほど。そのうち半数が看護師だという。

 北九州市は全国的規模のワークショップを目指しており、参加者の3分の1以上が県外からの申し込み。九州各県や中四国など、西日本各地から参加があり、近畿や関東から参加する医師もいる。

 今回は、医師向けの講義と看護師向けの講座を分けた。昨年までは医師と看護師向けに同じ講演を行っていたが、医師から「物足りない」、看護師からは「難解だ」との意見もあり、これを反映したもの。

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 1日目は、参加者全員を対象に、東京女子医科大学附属八千代医療センターの寺井勝小児科科長が心臓救急について講義したのち、医師向けには静岡県こども病院小児集中治療センターの植田育也小児集中治療センター長が小児救命初療について、看護師向けには、東京都立小児総合医療センター救命救急科の井上信明医長が、それぞれ講義する。

 2日目は参加型ワークショップが2つあり、北九州市立八幡病院の神薗淳司小児科主任部長・小児救急センター長がフィジカルアセスメントを、別会場では4台の機械を搬入し、医師向けに腹部エコーの実習を行う。

 エコーの講師は、徳山中央病院小児科の内田正志医師、茨城県立こども病院超音波診断室の浅井宣美室長、熊本赤十字病院小児外科の吉本和彦医師のほか、北九州市立八幡病院の医師1名が行なう。受講する医師は70人ほど。

 市川座長によると「講師は高い技術を持っており、初心者向けと上級者向けに分けて実演します」とのこと。

 北九州市保健医療課担当者は取材に対し、「市川先生を中心として、毎年1年がかりで準備しています。もう8回目ですが、4月の異動の時期に担当者が変わることもあり大変です。会場選びを含め、終わったら来年の分の準備にとりかかります。全国的にも珍しい取り組みなので、続けていきたい」と述べた。

小児救急は全科のスペシャリストで対応

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 市川座長は、「北九州市立八幡病院の医師は夏休みを返上し、当直を残して総出で行きます」と言う。病院としても重要な催しと捉えているそうだ。

 北九州市立八幡病院、昭和53年に救命救急センターを併設して以来、小児救急医療を最大課題としてきた。

 後期研修医が10人いるが、出身地は様々だ。小児救急に興味を持った若者が、県内だけではなく全国から集まっている。医師は60数人。そのうち小児科医は27人いる。

 「小児救急は小児科だけでやれるものではありません。全科が救急で対応してくれるからこそできるのであって、小児科医の数が即、小児救急の強さではありません」と市川座長は言うが、小児科医を揃えておくことも必要条件ではある。

 「小児科医が窓口となり、各スペシャリストに相談をする。救命救急センターがあっての小児救急です。全科救急というところにおんぶされているんです」。

 平成20年から病院敷地内に、北九州市消防局救急科の高度救急隊が置かれ、救急に際しては、医師同乗など病院と連携をとって行動をしている。これも救急医療自体に力を入れている証の一つ。

 市川座長は以前、NICUにいたが、北九州市立八幡病院に赴任して以来、小児救急の重要さを知ったという。未熟児や奇形児の部門を強化するために招かれたが、救命救急センターが出来て3年後のことで、次第に気持ちがシフトした。半年で戻る予定だったが、もう30年が経つ。

 「NICUと違い、目の前で心配そうにしている親御さんを意識しながら治療をします。子供を助けたいという思いだけでなく、目の前の親御さんを安心させたい気持ちも強くあります。だからうまくいった時の喜びはひとしおです」と話す。

 平成21年から病院長。久留米大学医学部小児科臨床教授、福岡女学院看護大学客員教授。日本小児救急医学会理事長、日本子ども虐待医学研究会会長、日本SIDS・乳幼児突然死予防学会理事、日本臨床救急医学会評議員などの役職にある。


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