理事長1年目2025年問題に向けて取り組む

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社会医療法人芳和会 理事長 大石史弘

大石史弘
1974 島根県立江津高等学校卒
1983 山口大学卒 水俣協立病院勤務
1984 立川相互病院勤務(神経内科研修)
1989 鹿児島生協病院勤務(循環器内科)
1990 くわみず病院勤務
1992 済生会熊本病院勤務(循環器内科)
1994 くわみず病院院長就任
2012 芳和会理事長就任

 熊本県庁の街灯には、今年10月に開催予定の「水銀に関する水俣条約外交会議」に関する広告が下がっていた。熊本県は水俣病で知られた地区でもある。芳和会本部は、その県庁のすぐそば、神水(くわみず)という地区にある。理事長は島根出身の山口大学卒。学生時代に水俣病に興味を持ち、毎年水俣に通っていた縁があって、芳和会の水俣協立病院に就職。以後水俣病訴訟の診断書など、社会学的な医療に多くかかわってきたという。

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弟は信州大学出身の医師で、現在は長野県内の病院で消化器内科。亡くなった父親は島根で学校の教師だった。

―理事長になって1年ですね。

 去年の4月から社会医療法人になり、6月で理事長1年です。それまでくわみず病院の院長を18年間していました。

 私の専門分野は循環器内科です。今は理事長と兼務し、単身赴任で八代中央クリニックの所長をしています。実は八代には行きたいと狙っていたんです。当然理事長室よりも、八代にいることが多いです。

 法人内の各院長がしっかりしていますから、今は院長時代よりも楽ですね。現場のマネジメントをしなくてはいけないので、理事長よりも、院長の方が大変でした。

 法人内には、本部に併設されるくわみず病院のほかに、精神病院の菊陽病院、水俣病で有名な水俣協立病院の2つがあります。芳和会は精神科の歴史が60年以上と長く、水俣に診療所を作ったのが昭和49年。「精神科の患者さんの身体疾患をちゃんと診られる病院が欲しい」ということで、昭和56年にくわみず病院ができました。今も菊陽病院の患者さんに内科的な問題がおきた時には、くわみず病院が対応するようにしています。くわみず病院は内科中心で、女性外来や、睡眠医療にも取り組んでいます。

 睡眠時無呼吸症候群など、睡眠学会の認定施設は、熊本県ではここだけです。今通院している睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、800人を超えています。ナルコレプシー、むずむず脚症候群などの、いわゆる睡眠障害の患者さんが集まってきているのが特徴のひとつです。

 クリニックは八代以外にも熊本市内や天草、水俣にも持っています。

 水俣のクリニックは水俣協立病院の隣にあり、水俣病患者さんのリハビリテーションを中心に水俣病を診ているクリニックです。かなりの患者さんが来ていて、それだけで成り立っています。

 天草のクリニックは塵肺を診る労災のクリニックとして作りましたが、今は一般の病気も見ています。水俣病の指定地域外ですが、天草は水俣病の患者さんが多くおり、それを診る拠点でもあります。

―女性外来とは何でしょう。

 「女性医療センター」と呼び、くわみず病院内にあります。2004年に出来ましたので、丸8年経ちました。比較的うまくいっていると思います。内科、乳腺、婦人科、漢方など、集学的に女性を診ようという考え方です。内科の医師の他、熊本大学から来ていただいている婦人科や乳腺の先生がいますし、漢方は中医がいます。今の院長の池上という女性のアイデアです。

―昨年菊陽病院を建て替えたそうですね。

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くわみず病院(左)と芳和会本部。芳和会本部の一部はくわみず病院の一部でもあり、一階部分には歯科もある。

 築30年以上と、かなり古かったですからね。

 菊陽病院は310床。患者さんは多かったのですが、ハード面が非常に悪くてご迷惑をおかけしていました。今では完全に新築して、綺麗になりました。また患者さんが増えています。しかし問題は医師体制。医師がもうちょっといると良いな、というのが悩みです。今の路線で医師を確保していけば、順調にいくと思います。

 くわみず病院は100床。水俣協立病院は60床。どちらも内科中心の、一般の、小さな急性期の病院です。療養型でも回復期でもない。それが今後どういう形になっていくかは、大きなテーマです。2025年問題に向け病院の棲み分けがなされていく中で、中小病院がどのような立ち位置でやっていくかは、一番の関心事です。急性期の病院としてやっていくために、基幹病院にはない小回りの良さとか、機動性だとかを伸ばしていきます。柱を何本か作って軌道に乗せ、もっと地域から必要とされる病院になりたいと思います。


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