院長就任2か月目 とまどいながらも一歩ずつ

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

豊後大野市民病院 院長 木下忠彦

1959 年 大分県別府市生まれ
1977 年 大分県立別府鶴見丘高校卒業
1984 年 大分医科大学(現在の大分大学医学部)を卒業し大分医科大学第一外科入局。以降、国立大分病院(現大分医療センター)、健康保険南海病院、大分赤十字病院など勤務の後、2013 年4月から現職。

 2か月前まで大分赤十字病院で外科の勤務医だった。急な抜擢に戸惑ったそうだ。「目の前の患者さんに向きあう毎日で、地域医療や地域包括医療の言葉は知っていても、理解していなかった」という。就任わずか2か月の院長に話をうかがう機会は滅多になく、率直な気持ちを聞いた。

30.jpg

病院にいるのは苦にならないと言う。「大分赤十字病院では仕事三昧でした。休みの日でも病院に近くを通るとちょっと寄って用事を済ませたりとか」

 これまで副院長や院長の経験が全くなく、最初の1か月くらいはどうしようかと思っていましたが、今は少し面白さも感じているところです。

 院長に抜擢されたのは、私が大分医科大学(現大分大学医学部)の一期生であり、大学との繋がりの強さも考えてのことだと思います。ですから、大分大学との連携をさらに深めていくことが重要だと考えています。

 僕は外科の人間で、財務など経営に必要な知識はありませんでしたが、与えられた仕事はちゃんとやろうという気持ちでここに来たわけです。

 最初はこの周辺にどんな人が住み、年齢層ごとにどんな疾患があって、5年先10年先には人口がどうなっているとかも分からず、まだ霧の中ですが、2か月が経過して、具体的な行動に少しずつ移していこうとしているところです。

 いろんな先輩方の教えは、「最初に病院職員に、院長の考える病院の理念を明確に伝えることが非常に大切」、そして、「赤字では何もできないので、経営をいい方向に動かして、やっと自分のやりたいことが出来る」などの話でした。

 理念の大切さと自分の思いを伝える大切さはよくわかりますが、私はこの地域の住民じゃないですから、まずは現場、つまり地域の生活であったり、病院の職場をしっかり見て、みんなとコミュニュケーションをとれるようになろうと考えています。現場の人たちと共通の思いを持って進んで行けば、それはもういい集団、いい組織になると考えています。

 カリスマ的な人間を期待するのではなく、普通の良識を持った人が、共通の目的意識を持って仕事をおこなうことで成り立つシステム、組織が正しい姿と思っています。

31.jpg

 この病院に来る患者さんや地域住民の方々に、なるべくいい医療を公正におこない、みんなが幸せに暮らしていけるようにすることを実践できない人は、ちょっと困りますね。僕と並んでは走れないけれども、手伝ってくれる人たちは一緒に行こう、というような感じでしょうか。

 院長になって、地域の医療を心の底から支えようと信念を持っている人が多くいることにも気づかされました。そんなことを今まで考えたことがなかった。しかしこの仕事に就いてからは、病院のこと以外にも地域のことなど、強く意識するようになりました。多くの新しいことを経験し、自分自身の考え方が広がっている気がします。そういう意味で、人事異動などによる新陳代謝は大事なんだと感じました。

―趣味はありますか?

 今はトリニータというサッカーのクラブチームを見るのが楽しみの1つです。あとは音楽を聴いたりとか。読書は苦手であまり本屋さんに行くことはなかったんですが、今回、指導者や経営者についての本を探しに行くと非常に多くて驚きました。一般の方はこの種の本をこんなに読んでいるんだなと。

―医療を目指す若い人に何を伝えたいですか?

 長男が医学部、次男が文系、長女が高3です。先週、長男が外科の臨床研修で実習して、すごく面白かったと言いました。

 医療の現場は間違いなくやりがいのある仕事です。だけど責任感のない人間はならないほうがいい。成績がいいだけで責任感のない人間は医療者に向かないでしょうね。それと、医師は社会人としての常識をもっと学ばないといけないと思っています。一度、日赤に勤務していた時に、人材育成の仕事をしている高校時代の友人に研修してもらったんです。一般企業の人にはよくあるものでしょうが、医療者にとっては経験したことのないものでした。我々は社会人として未熟な部分が多くあることを自覚し、思いあがることなく謙虚にしないといけない。

 でも、そんなふうに思いながら、自分はやはり医者の中で生きているので、正しいと思っていても、ふと気がつくと、やはり思いあがっているところが時々ある。そのバランスが難しい。そういう時に、何を基準にとるかが難しいです。

記者は見た

旧緒方村役場

32.jpg

 豊後大野市民病院の背後にある小高い山の上に、堂々とした古い建物が見えた。

 病院付近で庭を測量していた男性に聞くと、昔の役場だという。看護学校でもあったと言うので、息を切らしながら登ってみた。

 ずいぶん傷んで壁もあちこち剥げている。しかしそれに不平を言わず、無言で年月の過ぎ去るのを待っているようにも見えた。

 眼下にJR豊肥本線や豊後大野市民病院、緒方川が見える。

 市の観光課によれば、昭和7年に緒方町役場として建てられ、公民館や竹田直入医師会立豊西准看護学院としても使用された歴史があるという。宿泊施設やカフェにしたらどうかなど、アイデアはいろいろ出たが、今は市の登録有形文化財となっている。取り壊しの話もあったが、それはやめておこう、となったそうだ。(川本)


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

博多水引×九州医事新報

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【2018年9月の1冊】
イメージ:今月の1冊 - 84.サザンオールスターズ 1978-1985
サザンオールスターズ 1978-1985

Twitter


ページ上部へ戻る