独立行政法人国立病院機構 西別府病院 院長 菊池 博
■日本内科学会認定内科医 日本血液学会専門医、指導医 日本感染症学会専門医、指導医インフェクションコントロールドクター 日本輸血・細胞治療学会専門医、評議員、I&A(視察と認証)視察員 日本血液学会評議員 日本癌学会会員 日本輸血・細胞治療学会九州支部会幹事、評議員
■大分県社会福祉審議会障害福祉専門分科会委員 同審査部会委員 大分県地域保 険協議会臓器移植推進委員会委員 同母子感染対策検討委員会委員 九州造血幹細 胞移植研究会顧問 大分県造血器疾患研究会世話人 大分県造血因子研究会世話人 大分県臨床血液懇話会世話人
菊池院長の趣味の一つは将棋で、アマチュア4段。大分県将棋連合会の副会長でもある。忙しくて大会にはほとんど出ていないそうだが、大分市西地区の名人になったこともある。大分県のアマチュア将棋は非常にレベルが高いらしく、5段も多いという。ほかに卓球と音楽鑑賞が趣味。
新病棟は3月10日に竣工し、18日までに患者さんもすべて移動させました。重度心身障害児の病棟なので、これまでは災害時の避難に考慮して1階建ての病棟でしたが、6階建ての病棟になりました。完全耐震構造で、火災の際には防火壁も自動で出てくるし、スプリンクラーも付いています。
これまでは築40年を超えていて、雨漏りもしていました。風呂は男女の別なく入れていましたし、脱衣所がないから裸のまま廊下を移動したりしていました。当院は大分県内ではいちばん重度心身障害児を看ている最大施設なんですけど、病棟を見学して入院をやめるというケースも多かったですね。
新病棟は重度心身障害児が120床で、筋ジストロフィーを主とした神経難病が80床、一般の障害者病棟が50床の、合計250床です。病院全体では350床で、うち50床が結核病床です。本当はもっと北側に建てる予定だったのですが、お隣にある支援学校の日照権の問題で現在の場所に建てました。今もとあった病棟を壊していますが、一部は患者さんのための遊歩道にするつもりです。
以前は結核が300床、計600床の病院でしたが、今は結核自体が減りましたし、以前のような長期入院もありませんから、50床で十分です。当院の結核病室はすべて陰圧にしてあります。
私は血液内科が専門で、鹿児島に長らくいましたが、帰ってきて大分大学に勤めました。大分市に住んでいますが別府出身なんです。家内が大分出身で、帰るときはよろこんでくれました。大分医科大学には、当時病院長をされていた糸賀敬教授(後に学長)を頼って来ました。この先生が血液内科だったんですね。
大分では20年ほど前に、私が第一例目の骨髄移植をしまして、今大分県内で血液を見ている先生はみんな知っています。ほとんど後輩です。
この病院は血液のケの字も関係ない病院で、来ることになるとは露とも思っていませんでしたが、前院長の森照明先生が私より5歳上で、定年でお辞めになるので、来てくれと誘われました。「診療はしなくていいから、管理をしてくれ」と。1年間は副院長としていっしょに働き、それから院長職を引き継ぎました。
今は外来を少し診るだけで、診療はほとんどしていませんが、診ているあいだに血液内科の患者さんが増えてしまったので、専門の女性医師を2人入れました。それでまた患者さんが増えてきています。今10名以上入院患者が血液内科にいますよ。本当は無菌室を作ったり、設備を揃えたりしたいんですが、ベッド空けているよりは良いし、自分の好きな血液を診られる病院にしました。
ほかに当院は小児腎臓の専門医や、呼吸器内科医がたくさんいます。また私が来てリンパ浮腫の治療も「九州リンパ浮腫センター」という形で始めました。
当院はスポーツ医学センターも立ち上げています。特に婦人科の松田先生は、なでしこジャパンのチームドクターだったんですよ。なので佐々木監督や澤選手には何度か来てもらっています。また整形の先生は高校のラグビーのチームドクターをしていまして、全国高等学校選抜チームが海外遠征をする時は、ほとんど帯同します。出向扱いです。この病院には歯科もあるのですが、スポーツ歯科ということで来ていただきました。マウスピースの専門家です。でも通常は、障害者の口腔ケアをやっていただいています。