福大がんセミナーで大慈弥教授
福岡大学病院の福大メディカルホールで3月22日、第65回がんセミナー「乳癌に対する乳房再建術の最新情報―乳房インプラントと自家組織移植」が開催された。講師は福岡大学病院形成外科診療部長の大慈弥裕之形成外科学主任教授。50人ほどの参加者には、若い女性が目立った。
大慈弥教授は、「乳癌手術は今後、癌の治療と乳房形態を両立する治療法が主流になるだろう」と述べた。腫瘍専門医と再建専門医が協力するという。昨年、乳腺外科医と形成外科医とで構成される日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会(理事長=園尾博司。以下JOPBS)が発足し、今年の9月19日と20日に福岡市博多区のグランド・ハイアット・福岡で、学会創立記念総会が開かれる。JOPBSには、ブレストインプラントに関するガイドライン作成委員会も設置されている。
講演はほかに、昨年9月に米国アラガン社のブレストインプラント(シリコンゲル充填人工乳房)とティッシュエキスパンダー(皮膚拡張器)が初めて日本で薬事承認されたことに触れ、現在乳癌治療に対する保険適用の手続き中であると話した。
質疑応答では、幹細胞を移植して乳房を再生させる鳥取大学医学部附属病院の臨床研究のニュースを受け、幹細胞に関する質問があった。
次回は4月26日15時から「がん診療連携拠点病院と、がん医療の未来」と題し、医療情報部長で内視鏡外科の志村英生教授が話す。