臨床心理士の想い11 【坂梨圭】

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いじめと体罰とパワハラと

安倍政権に変わって株価が上がり、円安になり、経済状況は少し期待できる雰囲気はある。しかし、社会は大津のいじめ自殺事件に始まり、大阪の体罰の自死事件、そして女子柔道のパワハラ問題と、日本社会の根源を考え直す事件が続いている。

体罰は「学校教育法第11条」で明確に禁止されているにも関わらず一向に減らない。毎年400人から500人の教員が懲戒処分を受ける。この背景には、「体罰は必要悪」という文化が根強く残っている。いろいろな大学で学生に「体罰肯定か否定か」を問うと8割は体罰肯定派だ。自分は担任のビンタで非行から立ち直った、部活の先生の体罰のお陰で今の自分がある...。否定派は「心を傷つけられ、今でも忘れられない」という体験がある学生と温和な学生だけである。いじめと体罰の問題を考えるとき、学校は「治外法権」かと錯覚してしまう。

一方、大人のパワーハラスメントはどうだろう。厚労省が平成21年度から行なった調査では、過去3年間に「パワハラを受けたことがあるか」との質問に、全体の25・3%が「経験あり」と回答している。4人に1人はパワハラを経験している。そして被害者の46・7%が「何もしなかった」と答えている。つまり、いじめは学校だけの問題ではなく、大人自身も含めた日本社会の問題であるという認識を持つことが必要であると思われる。

今回の女子柔道の15名は、監督の暴力・パワハラによって「人間としての尊厳を傷つけられた」と訴えている。よくぞ訴えたと称賛したい。この訴えは一個人の問題ではなく、組織の問題であることを指摘している。

目の前でいじめや体罰、パワハラを受けている人を見ても、注意したり止めに入ることが難しいのは、自分がその被害者になるかもしれないという不安と、日本の社会の中に「文化」として根付いてしまったパワハラ・体罰への恐れがあるからだ。

今回の「いじめ」、「体罰」、「暴力・パワハラ」は別々の事象として報道されているが、通底には同じものが横たわっている。その本質を見抜いて改善していくことが、とりわけ対人援助職( 教師・医師・臨床心理士など)に求められると考える。


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