久留米大学先端癌治療センターが市民公開講座
久留米大学先端癌治療研究センターは1月20日、同大学筑水会館で市民公開講座「消化器がん│最近の話題」を開催した。
挨拶はセンター所長の山田亮教授、総合司会は肝臓部門の佐田通夫教授、特別講演は国立がん研究センターがん予防・検診研究センター・予防研究部の津金昌一郎部長が受け持った。
佐田教授によると、近年膵癌の発症が増えており、筑後地区では胃癌を抜いて肝癌の死亡が多いという。
津金部長はがん対策基本法第六条(国民の責務)を紹介し、消化器癌の話題に限定せず、癌に関する無作為比較試験や、コホート研究の結果を紹介した。我が国での癌の増加は、生活習慣の欧米化とはあまり関係がなく、寿命が伸びたことが原因という。また、若い時期の予防や健診の重要性と、加齢による癌対策の重要性の変化を説明し、加齢後の「生活習慣の維持を尊重した予防」、「癌の早期発見だけを目的としない検診」、「QOL向上を目指した、必ずしも根治を目標としない医療」などを説いた。
他の講演は次のとおり。
- 「胃がん・大腸がんの予防と早期診断」(鶴田修教授=久留米大学医学部附属病院メディカルセンター消化器病センター)
- 「膵がんの現状」(杉山元助教=同大学医学部内科学講座消化器内科部門)
- 「肝臓がんを正しく理解しよう」(黒松亮子准教授=同医学部内科学講座消化器内科部門)
- 「新しいがん治療:消化器がんに対するワクチン療法」(由谷茂科長=同大学医学部医学科免疫・免疫治療学講座、同大学医療センターがんワクチン外来科)
- 「消化器がんの化学療法」(藤井輝彦准教授=同大学医学部附属病院がん集中治療センター)。