飛耳長目 傾聴の極意

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相手に選ばれているか

福岡市中央区にある浄土真宗専立寺を訪ねた。

藤泰澄住職が傾聴活動をしており、臨床心理的な技術とどう違うかを聞くためである。

寺の一室に通され、住職から傾聴のテキストを数枚見せられた。そこには一般に知られている、「酒が飲みたいんですよ」...沈黙、「そうですか、酒が飲みたいんですね」。「ええ、焼酎をね」...沈黙、「そうですか、焼酎が飲みたいんですか」...という具合に、同意して反復する話法ばかりが載っていた。おうむ返しで済むことなのか? しかし住職はテキストに触れず、概ね次のように話した。

「自分の身にちょっとしたことが起こって、あの人に話してみようと思うような人が近所にいませんか? いたらその人が傾聴できる人です」。

「大切なのは人柄です。技術だけ身につけ、自分が立派だと思って行なう慈悲は貫徹しません」。

「高いところから相手を助けようとする人は、本当は自分が助かっているのかもしれません」。

「自分を磨くという言葉は、仏教では『自分に気づく』と言います」。

私が、「自分には傾聴ができそうにない。相手が酒を飲みたいと言えば『じゃあ俺といっしょに飲みに行こう。いつがいい?』と言って、どんどん決めてしまいそうだから」と苦笑すると、住職は「それが『寄り添う』ということです。傾聴は充分できますよ」と言った。

藤住職と会うまで、技術を磨かなければ傾聴者になれないと思っていた。たとえばRPG(ロールプレイングゲーム)で役割を演じ合うとかである。

深い了解が私の中で静かに広がった。傾聴者になるために私は何もする必要がなく、今の自分のままでよかった。傾聴は、特別な人の特殊な技量ではなかった(川)。


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