県北唯一の大きな病院として 地域の医療を守る強い決意で

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

宮崎県立延岡病院 院長 楠元志都生

博多から高速バスで4時間半、JR延岡駅のそばで市内バスに乗りかえた。空は青々と広く、遠くにプラントの煙突もそびえ、どことなく私(記者)の育った山口県の瀬戸内工業地帯を思わせた。そのことを、インタビューを始める前に楠元院長に話すと、院長はちょっと目を丸くして、「私は宮崎出身ですが、山口大学で学んだんですよ、医学部は宇部にありました。なつかしいですね」と言う。それでしばらく、宇部や徳山(現周南市)など小都市の衰退の話になった。

48.jpg

【Profile】
1972 山口大学医学部卒 学位論文=癌患者の細胞性免疫能について
山口大学医学部付属病院放射線科、下関市立中央病院、宮崎医科大学放射線科、延岡市医師会病院、国立療養所日南病院、国立療養所宮﨑病院、㈶宮崎県健康づくり協会を経て、2007 宮崎県立延岡病院院長に就任、現在に至る。

12月に県立延岡高校のメディカル・サイエンス科の生徒に講演するので、今その内容を考えているところなんですよ。

医学部入学をめざし、あるいは医療現場で働くことを希望する若い人たちに、夢を実現させる不可欠な要素をいくつか話せればと思っています。そして医療人として延岡に残ってもらい、地域医療を救う鍵だということも彼らに訴えたいですね。この講演は今回で2回目になります。

―夢を実現させる不可欠な要素について教えてもらえますか。

よく知られていることですが、具体的な姿を思い浮かべることです。医者であれば手術室にいるのか、往診している姿か、看護師なら院内でテキパキ動いているのか、それとも在宅看護で飛び回っているか、みたいなことです。自分の姿をリアルに想像すれば、途中で変更はあるにせよ、学校で学ぶ時に、努力の推進力になります。それを伝えたい。

医療の現場では、本当に困っている人が相手です。人の気持ちを理解できる人間性と専門技術、いわば心技体をみがくことが必要なことも話すつもりです。夢を実現すれば、家族の住む故郷が、安心して暮らせる地域になるという意味でも、生徒たちに期待しています。

―延岡の医療状況はどうなっているのでしょう。

この地域が特殊ではなく、日本のあちこちで同じような状況にあるのではないかと思いますが、医師や看護師をはじめとする医療資源が不足気味です。また、当院は何年か前まで、時間外や救急の患者さんが、2次や3次だけでなく、1次も多く受診され、年間1万人くらいありました。でもそれでは職員が疲労困ぱいし、病院が崩壊してしまったら、後方支援機能が失なわれるので、地域全体の医療が立ち行かなくなります。それであちこちに出かけて行って、クリニックやいろんな施設の協力を得て、今は年間5千500人くらいで落ちついています。

しかし医療の進歩でいろんな専門家がたくさん必要になってきていて、今は大学から医師に来てもらっているのが現状です。でも職員の意識はすごく高いですよ。宮崎まで車で2時間半、熊本も同じくらい時間がかかりますから、県北の大きな病院としてがんばろうという気持ちは強いです。

―具体的にどんな方策を取っているのでしょうか。

TQMをやっていますし、院内にあるいろんな委員会のリーダーを正当に評価するにはどうすればいいかと考えているところです。

私自身は職員に一声かけるようにしていて、新人の医師には、この病院の役割を話し、自分の健康にも気をつけること、そして、ここで研修してよかったと思えるような働き方をしなさいと話します。

49.jpg

延岡高校の生徒100人が病院訪問し、楠元院長の話を真剣に聞いた。(12月12日、延岡病院で)

―1階の受付の女性がとてもいい感じでした。

それはうれしいですね。そういった声があると知れば励みになるでしょう。

―個人として、医療を通じて学んだことはありますか。

健康な時でも、あるいは病気になったとしても、いくつもある選択肢の中で、たえず最良のものを選ぶということでしょうか。時間は逆戻りしませんから。

―どうして医者になったんですか。

何かきっかけがあったわけではなく、小学校か中学校くらいから自然に、ですかねえ。父親が小さな医院を開業して、おふくろと2人でやっていました。いろんな患者が来ていて、自転車に乗って往診もしていました。

―日本の医療を振り返って、今も昔も変わらないもの、あるいは大きく変わったものはありますか。

医療は大きく変わりましたが、医師が患者を治そうという気持ちは変わらないでしょうね。ただ、人間と人間ですから、最先端の医療でも満足できないこともあるだろうし、困難でも感謝されることがあって、むつかしいところです。結局のところ患者さんが判断するわけですから、その立場で考えるくらいの余裕はあったほうがいいと思います。

―趣味はありますか。

それが、ないんですよ。しいていえば、海外旅行でしょうか。最初に行ったのはネパールですね。あとはカナディアンロッキーとか、最近はトルコでした。でも年に1回ですからね。あとはゴルフの打ちっ放しとか、気が向いたら写真を撮ることくらいでしょうか。孫の写真とかね。


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

博多水引×九州医事新報

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【2018年6月の1冊】
イメージ:今月の1冊 - 81.オシムの言葉 増補改訂版
オシムの言葉 増補改訂版

Twitter


ページ上部へ戻る