医療はオーケストラ

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医療・介護・教育研究財団 柳川病院 於保和彦院長

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【PROFILE】
1985:久留米大学医学部卒
1991~2007:久留米大学医学部第二内科 助手、講師、准教授を歴任
2007から医療・介護・教育研究財団柳川病院の内科長、副院長。
2009:同院長に就任、現在に至る
2011 年より久留米大学医学部臨床教授

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「病院は昭和32年生まれで55年、僕も55歳で、奇しくも同じ年なので、縁を感じています」と話す於保和彦院長。昭和32年に県立病院としてスタートした柳川病院は、およそ半世紀に渡り柳川地域の中核病院として住民の健康を守ってきた。2007年には県から医療・介護・教育研究財団に移譲されて5年、2011年に新病院が完成して一年が経過した。
「移譲直後は本当に大変でした」と語る於保院長に、柳川病院のこれまでとこれからを聞いた。

2007年に福岡県から財団に移譲された際、体制が変わるだけなのに、柳川病院そのものがなくなるという風評被害がありました。県から民間移譲された最後の病院で、決定から移譲までの期間が長かったこともあるかもしれませんが、当時は本当に大変で、旧病床210床にも関わらず、70床を埋めるのがやっと。診療科、医師、看護師、医療職、患者、そのすべてが減少している状況でした。

そんな状況で内科長としてこの病院に来たのですが、黒字を目指すには、消化器、婦人科というこれまでの特徴に加えて、新たな目玉が必要だと考えていました。柳川地区には心臓血管、急性期の心筋梗塞などに対応できる病院がなかったので、2009年に院長に就任してから、循環器の専門チームを招聘できたことは大きかったと思います。

とはいえ、まだ足りないものはあります。住民からの要望が特に多いのが、脳外科と小児科です。ニーズを考えて、これからも足りないものを補っていかねばなりません。新病院の病床数は150床で、将来的に診療科を増やすことを考えれば、若干足りないとも感じています。

診療面については、消化器系、婦人科系の疾患を中心に、内視鏡、腹腔鏡を用いた低侵襲治療に力を入れています。内視鏡センターでは4名の内視鏡専門医が上部・下部消化管、膵・胆道などの治療を行なっており、日本消化器内視鏡学会と日本消化器病学会の指導施設の認定を受けています。新病院では大腸の前処置のためのトイレを8つ作り、患者1人に1つ用意しているので患者に喜ばれています。私も内視鏡の専門家ですので、特に力を入れて設計しました。

いずれは研修医が行きたいと望むような高度医療を展開する病院になりたいと考えています。現時点でも、内視鏡や心臓血管などはそれに値する医療レベルにありますし、久留米大学の教育関連施設として、若い医師を育てる役割を担っていかねばなりません。

移譲された時には職員が総入れ替えのようになり、慣れていない中でのスタートでしたが、徐々に患者も戻ってきてくれ、職員も随時増員しています。医療安全の面からもマンパワーが重要であることから、今年の5月から7対1看護となりました。当院は心臓血管外科や心臓内科の急性期の重症患者が多かったので、病棟は助かっています。これは今の看護部長によるところが大きい。頼りがいのある方で、教育はもちろん、看護師をまとめ、副院長としてもしっかりやってくれています。

病院は地域にとって雇用の場でもあるし、地産地消にも貢献し、地域と共に発展していければ素晴らしいと思います。最善の医療を提供し、そして職員が生きがいを持てる病院であれば、厳しい医療状況でもつぶれることはないでしょう。成長の最中にあるので、やることは山積しており、もっと成熟した病院になるには、5年や10年はかかるかな。そうするのが私の役割だと考えています。

私はプレイングマネージャーなので週3回は外来診療し、さらに内視鏡検査が1日、治療もしています。専門の静脈瘤に加え、胃がん、食道がんなどの内視鏡手術もしています。昨年は久留米で開催された日本消化器内視鏡学会九州支部例会の会長を務めたので、非常に多忙でした。

趣味はいくつかありますが、ピアノを弾くのが好きですね。習ったのは小学校の時だけですが、ピアノの先生が最後にクラシックコンサートに連れて行ってくれ、男性ピアニストが弾くベートーベンの月光の曲に感動して、第1楽章を自分で弾けるようになった。それから現在まで自己流で好きな曲を弾いています。弾いているときは嫌なことをすべて忘れることができ、精神の平穏に大いに役立っています。

体を動かすのも好きで、一時期は息子とロードバイクもやりました。でも、最近は家にいたいというのが本音ですね。

コンサートに行くたびに思うのですが、医療は国家試験を持った様々な職種の集うプロ集団であり、オーケストラに似ているところがある。一人一人が優れていてもハーモニーを奏でなければ良い音楽を作ることはできない。ハーモニーをみんなで作り出すには、理念を共有するとか、同じ方向を向いてやっていく必要があります。病院への帰属意識といったら厳しいかもしれませんが、最近は忘年会の盛り上がり方で院内の連帯感を実感してきています。職員が僕を胴上げしてくれた時はうれしかったですね。これからもみんなで働き甲斐のある病院づくりをしていきたいと思います。

父が医師だったのと、私で5代続く医師の家系なので、小さい頃から医者になるのが当然だったかな。先祖は鍋島藩の蘭学医金武良哲で平等・無償の医療もしていたそうです。最近、台湾に講演に行ったのですが、100年前の赤レンガ造りルネッサンス様式の立派な病院が台湾国立大学の外来棟として今でも使用されていて、病院の歴史を表したパネルに前身である台北帝国大学附属病院の初代院長だった祖父の名前を見つけたときは感激しました。1935年当時、父も外科に所属していたんですよ。

ベン・ケーシーというテレビドラマの影響も大きかったです。何十年も前のドラマですが、現代医療にも通じる重いテーマが扱われています。私と同年代の人たちはよく知っておられるんじゃないですかね。


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