ホテルレオパレス博多でメディプラザ在宅医療フェア

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メディプラザ在宅フェアで話す北里大学病院の小野沢滋医師とアーバンクリニックの遠矢純一郎院長

メディプラザ在宅医療フェアが10月20日、ホテルレオパレス博多で開かれた。今年春の医療報酬改定で在宅医療の充実が大きな柱として打ち出されたことで、在宅と介護分野の変化に対応しようと企画された。主催はメディプラザ福岡で共催は山下医科器械㈱。在宅IT機器メーカーの展示とプレゼンテーションがあった。

講演は、今年4月まで亀田総合病院(千葉県鴨川市)で在宅医療部長だった小野沢滋医師が「在宅医療の今後」、桜新町アーバンクリニック(東京都世田谷区)の遠矢純一郎院長が「在宅医療の現状と方向性」をテーマに、情報共有やIT活用での効率化について話した。

九州も15年後には病床が不足する

北里大学病院の小野沢滋医師が予測 急性期病院活用のために地域介護の充実を

出展したのは㈱エイル、アイネット㈱、㈱SJI、㈱エムアイユー、㈱カナミックネットワーク、㈱グローバルソフトウェア、島津メディカルシステムズ㈱、セコム医療システム㈱、㈱テクノプロジェクト、日立メディカルコンピュータ㈱、㈱ビー・エム・エル、富士フィルムメディカル㈱、㈱ユニコン、㈱ユヤマなど14社。

講演で小野沢医師は、「鴨川の人口分布からみると日本の20年先まで進んでいる」として、その理由を、「80歳から85歳の男性の年間死亡率は20%。80歳の男性が100人いたら、83歳になるのはわずか半分。3年間で半分死んでしまう。75歳から80歳までの死亡率は10%から15%。さらに下になると1桁で、要は死なない。死なないということは、病気になりにくい。女性でいうと5歳上、85歳から90歳でたくさん死んでいる」と話し、「今の高齢者は丁稚奉公などで都会に出て、歳を取って故郷に戻ってきた。福岡は医科大学が多くて幸いだが、15年後くらいには病床が足りずに入院できない人が出てくるだろう。環境は変わりつつある。訪問介護を丸抱えしていなければ在宅医療はできない。それに近い環境を地域にどう作るかがとても重要になってくる」とも話した。

そして急性期病院について「寝たきりや車椅子生活は、急性期病院でほとんど発生している。家にいてそんなことにはならないし、病院へは救急車で運ぶから、在宅医療や介護保険の対象者が生まれているのは急性期の病院。私のいま勤めている北里大学病院にはソーシャルワーカーや看護師、スタッフが15人くらい、亀田病院には20人いる。なぜそんなにいるかというと、今のようなことがこれから社会で起き始めると、急性期病院がしっかりしていないとサービスにつながらないから。調べてみると、50床に1人のソーシャルワーカーがいなければ、従前に介護サービスにつなげられないことが分かった」とも語った。

ITは在宅医療に役立つ

遠矢院長が世田谷での取組みを紹介

遠矢純一郎院長は冒頭「私は鹿児島の出身だが、九州の講演は初めて。今日を楽しみにしていた」と話して平成21年の死亡統計を示し、「がんで死ぬ割合はこれからますます増え、心疾患や脳卒中も増える。これらは治らない病気ということになる。高齢化社会というのは、医療で治せない病気が増えてくる時代とも言える。これまで医療者は、病気の治癒に最大の目標を置いてきたが、今後は病気を持っていてもすこやかに過ごせる社会づくりが求められる」と話し、「これまで医療連携といえば病院と診療所の連携のことだったが、両者を電子カルテで結ぶIT連携が考えられている。しかしカルテをそのまま渡されても困るのが実情。画像データが多少見られればいいくらいのことで、頻度は多くないだろう」と感想を述べた。

そして、「それに対して在宅医療の連携というのは、昨日の食事はどうだったか、便は出ているか、痛みはどうなっているかなど日々アップデートされるべき情報をやりとりする必要があるので、在宅のケアチームの中にこそリアルタイムな連携が求められると考えられる」としながら、「いろんな職種が関わるので非常にむつかしいが、満足なケアのためには必須の課題」だとした。

その現状を遠矢院長は、「今はノートなどに書いているが、現場に行かなければ見られない」と問題点をあげ、「多職種がうまく関わるためには情報を1つにまとめて共有する必要がある」として、iPhoneを使った、クラウド型地域医療システム(㈱エイル製)を例にあげ、メッセージや画像のやりとりを聴講者に見せながら、「本人や家族も閲覧できるだけでなく、スケジュール管理のほか指示書や報告書作成までできる。いろんなデバイスで使えることが最大の特長」として、現行のITで効率化と情報共有が可能なことを示した。

在宅医療では、医師、訪問看護師、薬剤師など、多職種が個別に患者の自宅を訪問するが、端末に情報を打ち込むと、全員がそれを共有できる仕組みがあれば、文字通り連携が有機的につながる。遠矢院長の試みは在宅医療の現場にITが非常に役立つことを、フェア参加者に感じさせた。


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