【人間研究】自分を磨く 大和信春氏と博多で語る③

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放置されている2つの免許

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 【やまとのぶはる】 はる研究院代表
(研究者、スーパーシンクタンクマスター)

山口県萩市生まれ。広島大学大学院修士課程( 実験心理学) 修了。
詳しいプロフィールは前号参照
◆著書に「和の実学」「企業理念」 「心の自立」「益源」などがある。

「どう考えても、絶対に免許が必要なことなのに、放置されていることが2つあります」。

まずはビールでいきましょうと大和氏は言い、ジョッキを待ちながらそう口を開いた。場所は今回も博多バスターミナル8階のグラーノである。

彼は月に1度、博多で経営者向けの講座を開き、「IST」という情報統合技術も練習させる。そして翌日は関西や関東の会場に向かう。

1度だけ経営講座に立ち会わせてもらったが、講話のほかに、彼の開発したボードゲームのような盤を使って、若い経営者にいろんな経営スタイルを体験させていた。

従来からある優位を競う対抗戦発想の経営ゲームとはかなり違い、彼の説く「和的経営」が根底にあるようだった。

シミュレーションの繰り返しは野球の素振りに似て、本番でホームランを打てるかどうかは、ひとえに地道な素振りにかかっている。その点で、経営の訓練にボードゲームは有効だ。

さて表題の2つの免許。それを大和氏は「親になる免許」と「経営者になる免許」を挙げた。

親になる免許については、本紙7月号に載せた「絶対浮力と関係浮力」や、8月号の「世間を見返したければ自分で」がその一端かも知れない。

「経営者になれる免許」については次のように話した。

「関係者から聞いた話ですが、新人のこそ泥が、家の裏の窓から鍵を開けて盗みに成功すると、それが成功体験として身についてしまい、それ以降、同じ時間帯に同じ手口で盗むようになるそうです。どんな家でも、玄関が開いていても、必ず裏の窓の鍵を開ける。それが彼の、泥棒として唯一の正しい道なんです。そして同じ手口によって、あいつがあやしいと気づかれて、早く捕まるんです」。

なるほど、ありそうな話である。

「経営も、最初にうまくいったことこそが正しい方法だと思い、世の中がどんなに変わろうと、がむしゃらに同じことを繰り返す。当然うまくいかなくなるわけですが、しかし経営者にとっては唯一絶対の方法なので、ほかに考えが及びません。そうやって広い世界が見えないまま、狭いところに突進し続けているわけです」。

大和氏は、聞く人の脳裏に絵が浮かぶように話す。それを「心象図を描くように」と彼は言う。

2つの免許、特に「経営者の免許」について、さまざまな顔、いろんな場面を思い浮かべながら、自分は相手の心に絵を描くように話しているだろうか、読む人の胸の内になにかの光景が現われるような文章を綴っているだろうか、狭い世界に目を奪われてはいないだろうか、ということを考えさせられた。


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