愛する心を育むことが医療の原点

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宗像医師会病院 大塚毅院長

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Profile
1978 九州大学医学部卒業
1980 九州大学大学院医学研究科生理系専攻入学(生化学)
1984 医学博士(九州大学)
1984 九州大学医学部遺伝情報実験施設助手、同年米国カリフォルニア州DNAX 分子細胞生物学研究所ポスト
ドクトラルフェロー
1989 ~ 2002 九州大学医学部第一内科
2005 宗像医師会病院病院長に就任

在宅医療がこの地に根付いてほしい

―宗像医師会病院の特徴を教えてください―

当院は昭和61年に宗像医師会が作った公的病院で、かかりつけ医と病院担当医が協力して診療する、紹介型・共同利用型の二次病院として誕生しました。地域医療支援病院として求められる必要性の高い診療を念頭におき、医師会会員のご協力の下、内科はほぼ全領域、外科は消化器系を中心に診療しています。腎疾患の透析療法や放射線科の精密検査さらには消化管内視鏡治療も目玉です。また、宗像、糟屋、遠賀エリアには膠原病を診る医師が少ないので、当院に患者が集まるという特徴もあります。

―特に力を入れていることはありますか―

現在、力を入れているのはがんの化学療法です。継続的に治療すべき病気は、できるだけ地元で診療する環境が必要です。迅速に対応する必要のない手術であれば、福岡や北九州で治療を受けることは可能ですが、体力の落ちた患者が化学療法を受けに遠くまで行くのは大変です。最近は有効性の高い新しい抗がん剤も出てきているので、より良い治療を地元で続けながら、合併症や副作用への対応は当院で行いたいと考えています。

また、当医師会は在宅医療を進めるため、今年の6月に「宗像医師会在宅医療連携拠点事業室」(むーみんネット)を立ち上げました。医師会と当院スタッフの連携で、在宅医療が1つの形であることを地域の人々に伝えて、これからの病院の役割を探して行きたいと考えています。

―これから在宅との関係が、ますます重要になってきますね―

在宅医療がひとつの流れとして根付いてほしい。宗像医師会は、宗像市と福津市15万人の医療をカバーしています。当院は地理的にも真ん中ぐらい。会員の先生方がとても協力的なので、その受け皿となる病院にしたい。医師会独自の特徴を出すという意味では、宗像は良い条件がそろっていると思います。

医師、看護師だけでなく、薬剤師、社会福祉士、ケアマネージャーや行政、保健所などからの多職種の参加者を交えて何が宗像で提供できるかを考えるために、9月に第1回目のシンポジウムを開催しました。

地域医療支援病院として公的な役割を果たし、地域住民に信頼していただく病院になるために今後も続けて行きたいと思います。

―この地域へはどんな思いが?―

この病院に赴任したとき、頑張りがいがありそうだと思いました。九大での仕事もひと区切りついて後輩につなぐことができました。この病院を次世代にどうつなぐかも課題で、「つないでいく」という発想は、これからの地域医療を考える時に最も重要だと思います。

地域医療といっても時代や地域の特性によっていろんな局面がありますから、どうしたら住民が安心できるか?そのために何ができそうで、何ができないかを選別しなければなりません。計画性をもってこの地域に役立ちたい。宗像の地に合った医療をして、愛される病院にしたい。

―大学と違って困ったことも多いのでは―

病院経営は初めてですが、大学とは仕事の方向性と職種が若干異なるだけで、組織を円滑に運営することは同じです。むしろ知らない世界に入ることを楽しみに宗像にきました。知らないからわからないというのでは失格ですから、院長としてのリーダーシップをとるために1年目は宗像内をいろいろ見学し、病院がどうみられているかを検討しました。前より良い病院になったと言われるための方向性を求め、患者と職員が満足できる職場にすることが経営だと思っています。自分で点数は付けられませんが、皆さんがついてきてくれているし、経営的にもそれほど悪くないと思っています。

どんなことがやれそうかを見つけるのは楽しみです。医療も想像力がないとうまくいきません。こういうこと、ああいうことがやれそう、でもこれではうまく行かない、ここは協調できないとか。何かを変える時には課題が必ずでてきますが、愛情をもって臨めば物事はうまく運ぶと思っています。

自分にとってのチャンスはほかの人にもチャンスです。機会を自分の中にうまく取り込み、やる気を起こさねばならない。好きになってやる気になれば、人は必然的に動くと思います。基本は好きになること、好きでなくとも好きになるように努力すること。先のことはわからないことのほうが多いけど、そういう言葉が言えるようになったのは、この立場になったからでしょう。ありがたいことです。

―病院の理念に愛がうたわれています―

病院理念を考えたとき、「愛」という言葉を入れたかった。愛情は自分で意識しないとなかなか続きません。医療は「あたかかく、たしか」でないといけないが、とても不確実なものです。そこに「愛情」をもって当たれば物事はよりよく運べると信じています。高度先進、最先端は当院の役割ではないので、確かなものを提供して、無理なものは福岡市内や北九州へというのが当院の立ち位置だといえるでしょう。

―なにをきっかけに医師なったのですか―

祖父をふくめて親戚に医師が多くいたことや、慕われる医師の姿をみるうちに目指すようになったと思います。研修医や若い看護師にも、自分がこうありたいという人の姿を真似しなさいと伝えます。

―趣味はありますか―

球技全般が好きで得意になりました。高校大学はサッカー、いまはゴルフをよくやります。小学6年生の時に、住吉神社の奉納相撲大会で3位になったこともあります。庭仕事や大掃除をいったん始めると、一日中でもやっています。でも今は外でゴミを燃やせないので焚き火もできず、木の枝や葉が溜まって困っています。昔は五右衛門風呂の釡を焚いたりもしていたのですが。

基本的に遊ぶことが大好きですが、そのためには勉強もしなければならないと。文武両道が大事でしたね。

病 院 理 念

慈愛の心をはぐくみ、あたたかい、たしかな地域医療をめざします


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