第23回日本末梢神経学会学術集会

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『学際的連携がひらく末梢神経学の未来』

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「本学会の原点は、他領域の専門家が集まって意見交換することにある。そこでテーマは末梢神経学の発展を見据えたものにした。演題もテーマに沿った企画を立案したが、成功するかは参加者のアクティブな参加にかかっている」とあいさつした

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九大百年講堂で

8月31日と9月1日、九州大学医学部百年講堂で「第23回日本末梢神経学会学術集会『学際的連携がひらく末梢神経学の未来』」が開催され、会長の吉良潤一=九州大学大学院医学研究院神経内科学教授が、「本学会の原点は、他領域の専門家が集まって意見交換することにある。そこでテーマは末梢神経学の発展を見据えたものにした。演題もテーマに沿った企画を立案したが、成功するかは参加者のアクティブな参加にかかっている」とあいさつした=写真。

9月2日には中央区天神の西鉄ホールで、市民公開講座「手足のしびれ」が行なわれ、中高齢者を中心に250人の市民が参加した。

最初に桑原聡=千葉大学神経内科学教授が「しびれとはなにか」を説明。「しびれは感覚神経が自発的に発射して、脳が感じること。正常者のしびれは神経の圧迫・虚血による一時的なものだが、接続的なものには要注意。しびれ(陽性症状)は麻痺(陰性症状)の前段階で、神経系に何かが起きている警報。早期の診断、治療が必要」と語った。

続いて金谷文則=琉球大学整形外科学教授が、手のしびれについて講演。「手指のしびれは、頭から指先に向かう神経がどこかで障害されているのが原因。診断が難しいのは『感覚低下=紙の上から触られているようだ』、『錯感覚=触るとびりびりする』など、表現が困難なため。手指の触った感じがおかしい、箸が使いにくいなどの運動障害があれば直ちに病院へ」と述べた。

最後に神田隆=山口大学神経内科学教授が「足のしびれ」として末梢神経障害について、「しびれの実体を把握から診断は始まる。どこに、どのような症状が、いつから始まったのかは大事な情報。原因は多岐に渡り、重大な疾患が隠れていることもある。たかがしびれ、と放っておいてはならない」とメッセージ。

【参加者とのQ&A】

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左から神田隆=山口大学神経内科学教授、金谷文則=琉球大学整形外科学教授、桑原聡=千葉大学神経内科学教授、司会の三上容司=横浜労災病院整形外科部長。

―絞扼性神経障害があり、ステロイド注射によって症状は良くなっているが、レイノー症状がある。神経内科に行くべきか―
レイノー症状は指先などが白くなったり紫になるもので、膠原病の患者に多い。末梢神経の中に自律神経が入っており、元々の神経の病気で自律神経がやられて症状が出る可能性と、膠原病が原因の可能性がある。それぞれの診療科で精査してほしい。
―10年前、頚椎後縦靭帯骨化症の症状があると診断された。今年から手のしびれを感じ、整形外科に通っているが改善しない。このまま手足が動かなくなるのか心配―
後縦靭帯骨化症は頸椎の容積が小さくなって脊髄を圧迫するもの。加齢による神経の可塑性(かそせい)の低下による。進行性のものは除圧せねばならないが、保存療法が有効な場合もある。頸椎疾患は麻痺が進行すると回復に時間がかかるので、進行度合いを診て、早めの除圧をすべき。当面は通院を続け、握力が落ちてくることが顕著になってきたら注意。
―治療で新しい神経ができるのにどれぐらい時間がかかるのか―
神経を切断した場合、最高の条件、栄養状態、治療をして1日に0.8ミリ伸びるだけ。肝臓、腎臓、皮膚などの期間に比べると再生能力は低い。だから神経の場合は早く診断、治療するのが最良の道。
―手や足にしびれがある。注意すべき持続的なしびれとはどれぐらいか―
正座や腕枕のあとのしびれは10分程度で心配ないが、30分以上続くものが「持続的しびれ」。日をまたいでしびれが出たり消えたりするのも、正常時の圧迫ではあり得ないので、きちんと検査したほうがいい。

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