■「リウマチ」とは一般には慢性関節リウマチのことを言う。しかし、広い意味では関節や周囲の骨、筋肉などが傷む病気全般を指し、慢性関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・変形性関節炎(痛みとともに骨の変形がおこる)・痛風(足の親指の激痛で有名)など200種にもおよび、「リウマチ性疾患」と呼ばれている。
■リウマチという病名はギリシア語の「rheuma=リューマ=流れ」を意味する言葉に由来している。
古代ギリシアでは、関節が痛む病気は脳から悪い液体が流れ出し関節にたまって痛みをおこしていると考えられていた。そして長い間、「悪い液体の流れ」によるものとして同じ種類の病気として扱われていたが、だんだん原因がわかってきて、それぞれが別の病気として扱われるようになった。
■リウマチ性疾患は原因によって、次の5つに大きく分類される。症状は「関節の痛み」でも、原因も病名もさまざまなため、きちんと原因を調べることが大切。
①免疫の異常によるもの=慢性関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・全身性強皮症など。
②細菌やウィルスの感染によるもの=リウマチ熱・ライター病・ウィルス性関節炎・真菌性関節炎・硬直性脊椎炎など。
③代謝の異常によるもの=痛風・偽痛風・甲状腺、副甲状腺疾患・糖尿病関節炎など。
④外傷や加齢にともなう骨、軟骨の変形によるもの=変形性関節炎・間接外リウマチの一部など。
⑤ストレスなどによる心因性疼痛症候群=筋肉リウマチの一部(ファイブロミアルギア)・慢性疲労症候群など。
今年7月5日から福岡で開催される日本炎症再生医学会では、抗リウマチ薬とともにバイオ製剤を用いることで進行を押さえ込み、関節が壊れないようにする内科的治療に変わってきているなど、最新の治療法などが報告される。