福岡サンパレスと国際会議場で、日本リハビリテーション医学会
5月31日から3日間、福岡市の福岡国際会議場と福岡サンパレスで第49回日本リハビリテーション医学会学術集会が開催された。
会長あいさつで産業医科大学リハビリテーション医学講座の蜂須賀研二教授は「産業医科大学は産業医の養成と産業医学の振興が目的の大学で、リハビリテーション医学の立場からは、勤労者の健康管理や労災予防、障害を生じた方の職場復帰が課題となる。そこで今学会は『社会参加・職場復帰をめざして』をテーマにした。機能障害を適切に診断して治療を行なうのが大切であり、またロボット訓練や磁気刺激などの新しいリハビリ治療方法などを通じて、社会参加・職場復帰を目指すメッセージを送りたい」と述べた。
開催最終日の6月2日には150人の市民が参加した市民公開講座「脳卒中介護の苦労と喜び」があり、はじめに岡田靖九州医療センター臨床研究センター長が「発症予防と日本脳卒中協会福岡県支部の活動」について話し、「脳卒中は時間との戦い。発作はある日突然に起こるが、それまでは特に症状が出ないので、危機感のない人がほとんど」と注意を喚起。脳卒中の注意標語ACT-FASTの博多版を紹介した。
「おかしかねぇ、ろれつが回らん、腕あがらん、なぁんか顔のよがんどぉ、そら脳卒中ばい、救急たい!」
また、内科医の多田式江(ただ・のりえ)医師が「夫・多田富雄を在宅でケアした9年間を振り返って」と題して講演、大島渚映画監督の妻で女優の小山明子さんも「二人三脚で乗り越えた介護の日々」のタイトルで、夫への愛情に根ざした看護について語った。
講演の総括で、産業医科大学病院看護部長・副病院長の小竹友子さんは「どんな状況下でもそこには夫婦愛・家族愛・人間愛があり、相手を尊敬して尊重する姿が見え、感銘を受けた」と述べた。