第33回日本炎症・再生学会

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日本炎症・再生医学会、福岡での開催は初めて

基礎から臨床に橋を架ける学会に

-本学会の位置づけは

今日、炎症・再生医学の進歩は目覚ましく、関節リウマチをはじめとした様々な膠原病性の炎症性疾患の治療も大きく変わってきました。

このたびの学会では、炎症と再生という2つの分野の医師が集まり、関連・得意領域を通じて研究発表・議論することで新しい治療に結びつけようと考えています。

炎症・再生医学ともに、基礎理論・研究は日進月歩で、マウスなどの動物実験レベルでの進歩は目覚ましいものがありますが、その進歩が、人間にどのように応用されているのかになると、多くの人が疑問に思っているのではないでしょうか。

たとえば再生医療では、iPS細胞が話題になっていますが、果たしてどの程度現実的なのかという点です。

今回の学会テーマ「着実な成長を目指して」は、基礎の理論・研究が、実際に人間に応用できるのか、できるとすればいかに応用するのかを取り上げ、実際に臨床に応用できる内容に達することを表しています。

国際シンポジウムは2つ、シンポジウムは8つ開催し、各々が着実に臨床で応用できることを目指してプログラムを組み立てました。

国際シンポジウムの一つはiPS細胞と肝細胞の制御について、慶応義塾大学の岡野栄之先生と、九州大学の鈴木淳史先生らが講演します。再生医学の第一人者である岡野先生には昨今話題になっているiPS細胞やステムセルについて、人間にどう応用するかを技術の面から講演していただきます。

もう一つの国際シンポは私が座長を務めますが、様々な炎症疾患をどのように治療するかについて、アメリカ国立衛生研究所のJohn O'Shea先生と共同企画しました。

関節リウマチは炎症性疾患の一つですが、治療は様変わりしています。

かつては整形外科の病気でしたが、今は抗リウマチ薬とともにバイオ製剤を用いることで進行を押さえ込み、関節が壊れないようにする内科的治療に変わってきています。

ただ、バイオ製剤は、点滴・注射治療であるため、副作用や治療しにくい部分があります。そこで、シンポジウムでは、飲み薬でバイオ製剤と同じ効果が得られないかということを議論します。すなわち、飲み薬で細胞の中のシグナル分子を押さえ込み、細胞自体の異常な活性化を抑えること、その一つとしてキナーゼ阻害薬について取り上げます。

O'Shea先生は、重要なキナーゼの成分であるjak3を発見した方です。わが国でも、jak3に対する低分子量化合物の飲み薬の治験が終わり、現在厚労省に提出中です。

これは、バイオ製剤と同じかそれ以上の効果を関節リウマチにもたらすことが判明しています。もちろん、リウマチだけでなく、自己免疫疾患、骨粗鬆症などその他疾病についても低分子量化合物の講演を予定しています。現在臨床で進んでいる状況も含め、参加者にはまさに世界の最先端を学んでもらえるでしょう。

基礎から臨床への橋を架け、よって着実な成長を目指すことが今回の学会の目的です。

九州の刺激になればいい

-会長としての思いは

本学会は33年の歴史がありますが、九州では初の開催です。講演者に第一人者を招いたことに加え、多くの九州の医師に演者になっていただきました。このねらいは、九州に炎症・再生医学が根付く期待を込めています。

医師としての日常と、学会の会長を務めるのは事務的には大変ですが、九州で最先端の議論ができるのはよろこばしいことです。ちょうど博多祇園山笠の時期ですから、その勢いに負けないように議論していただければと思います。

初日の夕方には会員の懇親会を行ないます。自由参加ですが、沖縄を含めて九州全県の味を楽しんでもらう機会も設けています。

医師-やりがいのある仕事だが、強い気持ちと覚悟が必要

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田中良哉会長
産業医科大学医学部第一内科学講座教授、産業医科大学病院副院長、医学博士

産業医科大は産業医の養成を目指して、1978年に旧労働省が作った産業医を育成する日本唯一の大学です。コンセプトは、会社や工場で働く人々の健康・疾病管理を総合的に行なえる医師を育成することです。個人的な見解ですが、病気になった患者を治すのが臨床医の役割だとすれば、正常な人が病気にならないように、早期発見、治療、職場復帰へのリハビリまでを総合的に診るのが産業医だと理解しています。もちろん、大学であり、病院ですから、大学としては疾病研究を幅広く行ない、北九州で唯一の大学病院として地域医療にも貢献しています。

平成12年から本学の教授を務めていますが、最近は高齢の患者が多い印象です。北九州市は政令指定都市の中で、もっとも高齢化率の高いエリアと言われており、加えて、会社や工場などに勤める方も多い印象があります。特に働き盛りの世代の方に膠原病リウマチの患者が多く、若年と老齢の両極端といえるでしょうか。

医師を目指したきっかけは人助けをしたかったからです。それと、理学部や工学部で機械いじりや試験管を振り続けるのは自分には向かないし、経済学部や文学部でお金の計算をしたり物書きをするのも向かないと思いました。法学部は最後まで悩みましたが、裁判官になれるほど清廉潔白ではありません(笑)。

その点で医師は、大学で学んだことがそのまままわりの人たちに役立つことが魅力でした。内科を選んだのは頭から足の先まで人の体を知りたいという気持ちからですね。

私は、心を込めて人と接する職業に就きたいと思ってきました。そういう意味では、目の前の患者を信頼して治療するという医師の仕事はやりがいのある職業です。

ただ、あくまでも目の前の人は病気の患者さんであり、医師である自分は元気ですから、どんなに自分の元気を吸われても構わないくらいの強い気持ちでないと続けられないでしょう。覚悟が必要な職業です。

経歴
1988...産業医科大学大学院医学研究科修了。
1989...米国国立衛生研究所(NH)客員研究員。
2000...産業医科大学医学部第1内科学講座教授に就任。
2005...同大学病院副院長を兼任、現在に至る。
専門は膠原病・リウマチ性疾患、内分泌・代謝疾患。
研究は接着分子やサイトカインを中心としたこれらの病患の病態解明と生物学的製剤などを用いた新規治療の応用、開発。

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