協働事業になったがんセミナー
4月から県の協働事業
ケーキとコーヒーを楽しみながらがんを学ぶセミナーが5月15日、西鉄グランドホテル(天神)にあるグランカフェで開かれ、およそ30人が参加した。
NPO法人ウィッグリングジャパンと久留米大学との共同企画で8回目の開催。4月から福岡県の協働事業となり、県医療介護部健康増進課と共に実施している。
今回のテーマは胃がんと大腸がん。久留米大学医学部免疫・免疫治療学講座の笹田哲朗准教授が、胃がん・大腸がんの発生原因や診断方法、進行度に応じた治療について、分かりやすくレクチャーし、国立がんセンター発表の12ヶ条をあげて、がんを防ぐには日常生活から気をつけるべきと締めくくった。
参加者から胃がんの原因ピロリ菌の感染について質問があり、笹田准教授は、原因は経口感染によるもので、若年層よりも40代以上の保菌者が多いと回答。酒を飲みながらピロリ菌の除菌薬を飲んでも大丈夫かとの質問に、アルコール摂取は肝臓での薬の代謝を遅らせるので危険、絶対に止めるべきと注意を喚起した。
東京でも高い評価
同セミナーは5月25日に東京・渋谷でも開かれ、37人が集まった。講師は山田亮久留米大学先端癌治療研究センター所長で、がんの先進治療「がんワクチン」について講演した。
ウィッグリングジャパンによると、福岡に比べて若い人の参加が多く、質疑応答も時間が足りないほどだったという。
リラックスした雰囲気や講師の人柄への評価は高く、これからも定期的に開催してほしいとの声が多く寄せられたという。
ウィッグリングジャパン代表の上田あい子さんは「現在治療中の方、ご家族のことで参加された方、いろいろな立場の方に分かりやすいセミナーだったとの声もいただき、皆さんがすぐに役立つ情報を求めていらっしゃるのが分かり、さらに、おひとりおひとりと情報交換ができる場づくり、私たちにできる情報発信を続けていけたらと思います」と話している。
がんを防ぐための12ヶ条(財)がん研究振興財団
- 1条=たばこは吸わない
- 2条=他人のたばこの煙をできるだけ避ける
- 3条=お酒はほどほどに
- 4条=バランスのとれた食生活を
- 5条=塩辛い食品は控えめに
- 6条=野菜や果物は豊富に
- 7条=適度に運動
- 8条=適切な体重維持
- 9条=ウイルスや細菌の感染予防と治療
- 10条=定期的ながん検診を
- 11条=身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
- 12条=正しいがん情報でがんを知ることから