=由谷医師が肝がん・膵がんの対策法を話す=
ケーキとコーヒーを楽しみながらがんを学ぶ集いが天神の西鉄グランドホテルで4月19日に開かれ、30人が集まった。NPO法人ウィッグリングジャパン(上田あい子代表)と久留米大学との企画。今回は7回目の開催で、講師は同大学医療センターがんワクチン外来科長で免疫・免疫治療学講師の由谷茂医師=写真。
由谷医師が肝がん・膵がんの対策法として示した要点は次の通り。
肝がんについては、
- 日本ではHBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型感染ウイルス)の持続感染があるかをチェックしておく
- 慢性肝炎(HBV、HCV両方)は定期的検査を受ける(禁アルコール)
- 脂肪肝の場合は検診時エコー検査を、アルコールは控えめに。
膵がんについては、
- 早期発見が困難で、早くから浸潤するので一刻も早く見つけるために検診で膵エコーを受けること
- 食べているのにやせてきたら検査を受ける
- 肉食・喫煙・飲酒・糖尿病などがリスクファクター。
数年前に膵がん手術を受けた50代女性から「今再発の可能性に直面している。ペプチドワクチンは再発にも有効か」との質問に由谷医師は、免疫力を下げないように抗がん剤とペプチドワクチンを併用すれば、長く生きられる傾向がみられると回答。ペプチドワクチン治療にはどれくらい費用がかかるのかとの30代男性の質問には、ワクチンはおよそ12回打つと効果があり、最初の6回で60万円、次の6回で49万円の費用がかかると答えた。
本講座は5月25日に、いよいよ東京に羽ばたく。 「地域は違っても患者さんの抱える悩みは同じはず。ウィッグリングの輪が東京にも広がることを期待しています」と上田代表。講師を務める久留米大学先端癌治療研究センターの山田亮所長は、「これを機会に、より多くの人にがんの予防や治療に対する正しい知識をもってもらいたい」と話している。